【簡単解説】5分でわかるHACCP(ハサップ)ってなに?

著者:ISOプロ担当者
投稿日:
更新日:2020年04月20日

HACCP(ハサップ)とは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、食品衛生管理の手法のことです。Hazard Analysisとは、危害要因分析 のことで、食品の安全を脅かす要因を分析すること、 CCP とは 重要管理点 のことで、危害要因を取り除くために管理する必要がある工程のことを意味します。この危害要因分析と重要管理点を適切に管理する衛生管理の手法がHACCPです。

HACCP(ハサップ)とは

【危害分析】
食品の原料から出荷までの各工程で可能性のある危害要因(異物混入や微生物の汚染や増殖など)を特定し管理する
【重要管理点】
食品安全にとって特に重要な工程は管理基準を設定し管理する。一般的衛生管理の実施:食品の安全確保の基礎的な部分

HACCPはもともとアメリカで宇宙食などの食品安全性を確保する方法として開発されました。このHACCPという衛生管理手法は現在では国際的な衛生管理の基準となっており、アメリカを始めとする多くの国々で食品関連事業者に対して義務化がされています。日本でも2020年の6月から食品に携わる全ての事業者に対してHACCPに基づく衛生管理が義務化されることが食品衛生法の改正によって決定しました。

HACCPによる衛生管理手法は、「7原則12手順」と呼ばれる12の手順によって構築することが可能です。「7原則12手順」については後述しますが、簡単に概要だけまとめると、

「原材料の入荷から製品が出荷ないしお客様に提供されるまでの工程で発生する、危害要因と呼ばれる食品の安全性を脅かす要因(食中毒菌など)を分析し、それらを除去するために特に重要な工程(加熱処理など)を決定し、それらが適切に管理されるように定量的な基準を設けて管理する」

というものです。

これまでの衛生管理方法ではいけないの?

2020年6月から開始するHACCP。今まで義務化していた「一般的衛生管理プログラム」とどのような違いがあるのでしょうか?
今まで食品関連事業者が実施してきた一般的衛生管理プログラムは、HACCPの前提条件となるものであり、一般的衛生管理プログラムを前提に高度な衛生管理を実現するのがHACCPとなるわけです。
このため、単に一般的衛生管理プログラムの延長上として強化したとして、HACCPとイコールになるわけではないので、HACCP義務化に対応することができません。

HACCPのキホン!7原則12手順とは

HACCPは本稿の冒頭でもご紹介した通り、「7原則12手順」と呼ばれる12の手順によって構成されています。手順1~5は原則1~7(手順6~12)を進めるにあたっての準備であり、具体的な衛生管理システムは7つの原則によって構築されていきます。7原則12手順は具体的には以下のようなものになります。

手順1 HACCPチームの編成 食品を製造するために、あるいは危害要因を適切に管理するために必要な情報を円滑に集められるように各部門から担当者を選出します。場合によって外部の専門家を招いてチームを構成することもあります。規模によってはチームを編成する必要はないかもしれません。
手順2 製品説明書の作成 製品がどのような原材料を用いているのか、包装してお客様に提供される場合はどのような材質の容器を用いているのか、賞味期限や消費期限はどの程度か…ということをまとめた書類を作成します。…ということをまとめた書類を作成します。
手順3 意図する用途及び対象となる消費者の確認 製品がどのような人に消費されるのか、あるいは、どのような経路を渡って消費者によって消費されるのかということを確認します。これらは手順2で作成した製品説明書に盛り込んでおくと、後の手順を円滑に進めることができます。
手順4 製造工程一覧図の作成 原材料の受け入れから製品の出荷、もしくはお客様への提供までの流れを、保存方法や計量方法、調理方法など細かく工程ごとに書き出していきます。
手順5 製造工程一覧図の現場確認 作成した製造工程一覧図が実際の現場の動きと相違ないかということを確認します。必要に応じて製造工程一覧図に修正を加えます。
手順6
(原則1)
危害要因(ハザード)分析の実施 製造工程一覧図や製品説明書を見ながら、発生する可能性のある危害要因(食品汚染や異物混入)を列挙していきます。
手順7
(原則2)
重要管理点(CCP)の決定 危害要因として列挙されたリスクを除去・低減するために特に重要な工程を決定します。例えば、食中毒菌を除去するためには加熱処理が必要であるため、「加熱」が重要管理点となります。
手順8
(原則3)
管理基準(CL)の設定 重要管理点を適切に管理するための基準を設定します。例えば加熱処理の場合は「何度の温度で、どれくらいの時間加熱するか」という基準を設定します。この基準は定量的なものである必要があります。
手順9
(原則4)
モニタリング方法の設定 現場で適切に管理基準が守られているかということを適切な頻度でチェックし、記録します。
手順10
(原則5)
改善措置の設定 モニタリングの結果、管理基準を逸脱していたときに「何が原因で管理基準を逸脱したのか」ということを検討し、「どのような対策を講じるべきか」という改善措置を設定します。
手順11
(原則6)
検証方法の設定 衛生管理が計画通り行われているのか、修正は必要ないかということを適切な頻度で確認し、検討します。
手順12
(原則7)
記録と保存方法の設定 モニタリングの結果や改善措置の記録方法と、その記録の保存方法を設定します。

HACCP(ハサップ)義務化について詳しく

2020年の6月からは、日本でもついにHACCPによる衛生管理の義務化が全ての食品関連事業者に対して課せられることとなります。「全ての食品関連事業者」とは、大規模な工場だけでなく、小規模な飲食店や移動販売に従事する個人事業主も例外ではありません。

以下では、義務化はどのように進み、食品関連事業者はどこまで対応を行わなければならないのかということについて整理してみました。

義務化はいつから?

改正食品衛生法によって、2020年の6月から義務化されることが決定しましたが、実際には1年間の猶予期間が設けられています。つまり、2021年6月までにHACCPに基づく衛生管理が構築することができれば違反にはなりません。――とはいえ、HACCPによる衛生管理システムは一朝一夕で構築することができるものではないため、早めの対応を心がけましょう。

無視し続けると罰則はある?

現時点ではHACCPの未実施による罰則は法律では規定されていません。――しかし、「罰則などの規定は各自治体に委ねる」という方針をとっており、都道府県や市区町村の条例による罰則を受ける可能性は残っています。

地方自治体は地方自治法によって条例で懲役刑2年、100万円の罰金を上限とする罰則を設定することができるため、最悪の場合罰金が課せられる可能性もあります。そうでなくても保健所からの指摘が入ることになりますから、無視し続けると営業していく上で不利になることに変わりはありません。

どの程度のHACCPを構築すれば良いの?

7原則12手順をご覧いただくとわかる通り、HACCPは小さな規模で事業を行う事業者にとっては過剰な衛生管理であるとも言えるかもしれません。――このため、政府も事業者の規模や事業形態によってどの程度厳密にHACCPによる衛生管理の実施が必要であるかということを切り分けています。

基準A基準B と呼ばれるものがこれであり、基準Aは以下のような事業者が該当します。

  1. 1.屠畜場設置者・屠畜場管理者・屠畜業者
  2. 2.認定小規模食鳥処理業者を除く食鳥処理業者
  3. 3.大規模事業者

一方基準Bは以下のような事業者が該当します。

  1. 1.当該店舗での小売販売のみを目的とした製造・加工・調理事業者
  2. 2.提供する食品の種類が多く、変更頻度が頻繁な業種(例えば、飲食店など)
  3. 3.一般衛生管理の対応で管理が可能な業種(例えば、包装食品の販売など)
  4. 4.小規模事業者

HACCP(ハサップ)関連情報

HACCPの義務化に向けて
食品衛生法の改正を受けて2020年の6月から開始するHACCPの制度化に関する情報です。
HACCPの事前知識を整理しよう
HACCPお構築するために必要な最低限の知識をまとめています。
HACCP認証について
HACCPの第三者認証であるHACCP認証とその他の食品安全マネジメントシステムに関する情報です。
よくある質問
当サイトに寄せられる質問や、セミナー参加者の疑問をまとめました。
その他

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

HACCP入門

【HACCP入門】考え方の基本から取得までの流れ、義務化など…

ISO取得・運用ガイド

ISOを初めて取得する方や運用中の方のお悩みを基礎知識から実際の取得・構築・運用・継続や更新についてステップ形式で解説していきます。気になる費用などの情報も満載です。

こんな方に読んでほしい

  • ISOを初めて取得する方
  • すでにISO運用中の方

自社取得、自社運用、アウトソーシングをするための基礎知識や流れをご説明します。

インタビュー

ISO返上から再取得へ~穂高電子が目指した「会社のためのISO」~

ISOプロ講座 HACCPプロ講座 HACCPセミナー マンガで分かるISOプロ お電話での問い合わせ コンサルタント募集
WEB相談