FAQISO9001の改訂に関するよくある質問

  • ISO9001はいつ改訂されますか?

    ISO9001は2026年9月ごろに改訂予定という説が有力です。改訂までの6段階の内の4段階目まで進んでいます。(2025年11月時点)

    ISOプロ編集部

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  • ISO9001が改訂されたら何が変わるの?

    変化のマネジメント、倫理及び誠実さ、組織文化、事業継続計画をテーマにして、「5.1 リーダーシップとコミットメント」「6.1 リスク及び機会への取組み」などが変更になると予想されています。

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  • ISO9001が改訂されたら何をすれば良いですか?

    改訂内容の把握と今のマネジメントシステムとのギャップ分析から始めましょう。そのうえで、文書類の改訂を行い、審査を受ける流れになります。

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ISO9001は2015年版に改訂されて以降、9年間にわたり改訂されませんでした。しかし2023年に改訂が確定し、2025年6月現在では改訂作業が進められています。

ISO9001を取得している企業はもちろん、今後取得を検討している企業にとっても、改訂時期や改訂内容について把握しておくことが大切です。新しいバージョンが発行されたのち、スムーズな対応につなげるために、定期的に最新情報をチェックしましょう。

そこで、この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめています。早期に対応できるよう、定期的に最新情報を確認することがおすすめです。

【2025年11月現在】ISO9001改訂の進捗

ISO規格の改訂は、各国加盟機関や専門委員会(TC)、分科委員会(SC)が中心となって進められます。ISO9001については、2023年8月3日に、技術委員会176、第2分科委員会(TC176/SC2)を構成する加盟機関によって行われた投票の結果、改訂が決定しました。

それ以降、ISO9001は改訂に向けて準備が進行しています。ここでは、ISO9001が改訂するまでの過程や現在の最新情報を解説します。

ISO9001の改訂日はいつ?

2025年11月現在、まだ正式発表ではないものの、2026年9月頃に改訂予定です。
予定通りに改訂作業が完了した場合、新しい規格「ISO9001:2026」が発行され、日本においては国内規格である「JIS Q 9001:2026」が制定されます。

参考:ISO/TC176/SC2「ISO9001改訂」(外部リンク)

現在の改訂プロセス

ISO9001改訂のステップ

ISO9001の改訂作業は、どの段階まで進んでいるのでしょうか。
ISO9001:2026が世界的に発行されるまでには、予備段階(PWI:予備業務項目)と以下の6つのプロセスを経る必要があります。

  1. 提案段階(NP:新業務項目提案)
  2. 作成段階(WD:作業原案)
  3. 委員会段階(CD:委員会原案)
  4. 照合段階(DIS:国際規格案/投票用委員会原案)
  5. 承認段階(FDIS:最終国際規格案)
  6. 発行段階(IS:国際規格)

2025年11月現在、「4.照合段階(DIS:国際規格案)」が発行された段階です。現在、このDIS段階の投票・コメント受付が行われており、次の「5.承認段階(FDIS:最終国際規格案)」への移行準備が進められています。

まとめると、現在、ISO9001の改訂は「DIS完了 → FDIS」へと進行中という状態です。今後のISO9001の移行スケジュールの予定を整理しました。ただし、時期については見込みであるため、変動する可能性があります。

フェーズ時期
国際規格案(DIS)2025年8月発行
最終国際規格案(FDIS)2026年半ばに発行される見込み
新版の国際規格の発行2026年9月頃に発行される見込み
新版への移行期限未定 ※通常は3年間(2029年半ばまで)
参考:ISO/TC176/SC2「ISO9001改訂更新」(外部リンク)

改訂の背景

そもそもISO9001が改訂されることになった背景には、現在の2015年版から10年が経過したことで、ビジネス環境や社会的責任が変化したことが挙げられます。

具体的には、以下の点が改訂の背景にあります。

  • グローバル化・デジタル化により、求められる品質管理の考え方や方法が変化していること
  • 環境問題や持続可能性といった社会的責任が重視されるようになったことで、品質管理にもこうした要因を取り入れる必要が出てきたこと
  • 現在の2015年版の運用によって得られたユーザーからのフィードバックを反映するため
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予想されるISO9001の改訂内容

2025年11月現在、ISO9001の改訂内容は確定してはいません。しかし、公開されている国際規格案(DIS)や日本の認証機関が発信している最新情報から、今回の改訂で重視される方向性が少しずつ見えてきています。

ここでは、改訂の特徴や想定される主な変更点をわかりやすく整理します。

今回の改訂の特徴

今回のISO9001改訂では、従来の品質マネジメントシステムの枠を維持しつつ、より現代的な経営課題への対応が強化される見込みです。

特に、規格本文に反映される新しいテーマとして以下の4点が挙げられます。

変化のマネジメント
組織や外部環境の変化に対して、柔軟かつ計画的に対応することが求められます。
倫理及び誠実さ
倫理的行動を組織内に浸透させることが求められます。
組織文化
組織全体で共有される価値観や慣行に基づく品質文化を醸成・維持することが求められます。
事業継続計画(BCP)
リスク対応や事業継続を確実にするための計画策定や運用が明示されます。

これにより、各テーマに沿った具体的な活動や手順の整備につながり、運用効率やマネジメントの透明性を高めることが期待されます。

予想される主な変更内容

ここでは、予想される具体的な要求事項の変更点についてまとめました。ただし、内容は確定されたものではないため、変更になる可能性もあります。

主な変更がある項番変更内容
5.1 リーダーシップとコミットメントトップマネジメントは、品質文化や倫理的行動の実践を示すことが求められる。
6.1 リスク及び機会への取組みリスクと機会の管理が細分化され、よりわかりやすく整理される(6.1.1~6.1.3)。
従来のリスク管理に加え、機会への対応も明確になり、分析・評価することが求められるようになる。
6.1.2の注記
8.2.1 顧客とのコミュニケーション
事業継続計画に関する文言が見直し、追加される。

事業の中断や不測の事態への対応を明確に考慮することが求められるようになる。

6.3 変更の計画変更を計画的に実施する際の考慮事項が追加される。

計画変更時における効果の監視や評価方法の設定、変更内容の伝達方法、変更による結果のレビューについて、明確化される。

7.1 資源リモート作業環境の整備や、品質文化・倫理的行動に依存する運用環境の考慮が示されるようになる。
気候変動に関する改訂の統合2024年に追加された気候変動に関する改訂(4.1および4.2)が統合される予定。
第4~10章 全体の修正要求事項の一部や注記が追加・改訂される予定。内容がより明確に理解できるように改善される見込み。

なお、附属書Aにおいても大幅に拡充され、要求事項の第4~10章に沿う形で修正される見込みです。

関連記事:【2025年版】ISO9001の気候変動の追補改正にどう対応すべき?手順や具体例を解説

ISO9001改訂前に取るべき3つの対応とは?

ISO9001改訂前に取るべき対応は、最新情報を取り入れること、現行マニュアルの見直すこと、文書やプロセスのスリム化を図ること、の3つです。

ISO9001が改訂されてから移行準備を始めると、組織全体が混乱してしまう可能性があります。スムーズに新規格への適合を進めるには、事前の準備が大切です。

ここでは、ISO9001が改訂される前に、特にやっておきたい3つのポイントについて、具体的な対策方法とともに解説します。

最新情報を取り入れる

ISO9001の改訂内容は、多くのWebサイトで公表されています。そのため、最新情報を常に確認しておくことが重要です。
事前に変更内容を把握しておくことで、改訂後に必要な対応や教育計画を事前に検討できます。

情報収集の手段としては、ISO公式サイトや国内の認証機関、ISOコンサルティング会社のWebサイトがおすすめです。

現行マニュアルの見直し

改訂に向けて、現行の品質マニュアルや手順書の内容を整理しておきましょう。
特に、長年にわたってISO運用を継続している場合、形骸化していたり、現状に合っていなかったりする可能性もあります。

現状のマニュアルと現業務とのギャップを把握し、現状の業務に適した内容かどうかを見直します。事前に確認することで、改訂後の修正作業を効率化できます。

スリム化

改訂前の段階で文書やプロセスのスリム化を進めておくと、移行後の運用がスムーズになります。冗長な手順や古い文書を整理することで、改訂後の作業や業務への移行を効率的に実施できます。

自社だけでのスリム化が難しい場合、「文書・帳票などのスリム化」をサポートしているコンサルティング会社への相談がおすすめです。

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ISO9001改訂後に企業が対応すべきこととは?

仮に2026年9月にISO9001が改訂された場合、組織はどのように対応すべきなのでしょうか。これまでのISO9001改訂時の対応を目安にして、改訂後に組織が対応すべき内容をまとめました。

改訂への対応期間

ISO9001が改訂された際の対応手順は、改訂内容の把握と影響範囲の特定、改訂内容への適合を行ったのち、「3か月程度マネジメントシステムを運用」し、「移行審査を受ける」流れです。

ISO規格改訂時の一般的な対応期間は発表後3年間です。
そのため、2026年9月に改訂された場合には、2029年8月までが対応期間となります。この期間内に、企業は品質マネジメントシステムを改訂内容に沿って見直し、認証審査で適合を証明する必要があります。

そこで、ここでは改訂後に組織が対応すべき手順についてまとめました。

1.改訂内容の把握と影響範囲の特定

改訂後は、まず最新のISO9001規格(正式版)を入手し、変更点を正確に把握することが重要です。
どの条文が追加・変更されたのか、既存のマニュアルやプロセスにどの程度影響するのかを明確にします。特にリーダーシップやリスク・機会管理、資源管理といった項目についての改訂内容が明示されているため、影響範囲を詳細に特定しておくことが効率的な対応につながります。

2.現行のマネジメントシステムとのギャップ分析の実施

改訂内容を把握したら、現行のマネジメントシステムとのギャップ分析を行います。
項目ごとに「対応済みか」「追加対応が必要か」を整理し、必要な改善や変更の優先度を明確化します。

3.文書・手順書・記録類の改訂

ギャップ分析の結果に基づき、マニュアルや手順書、作業指示書、記録類などを改訂します。
その際、条文や注記の変更に合わせて文書を更新することで、移行審査時に改訂内容に適合していることを証明できます。

4.改訂版への移行申請と審査対応

文書改訂と社内運用の準備が整ったら、認証機関に対して改訂版への移行申請を行います。
その後、移行審査を受け、新規格に沿ったマネジメントシステムで運用されていることを認証してもらいます。

こうした対応を取る必要性を考えると、審査を受ける1年程度前から改訂の対応を始めることで、余裕をもって新バージョンに移行できるでしょう。

まとめ

この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめました。
まだ改訂内容や改訂時期は明確ではないものの、2026年9月を目安にISO9001が発行される見込みです。

改訂後にスムーズな対応を実施するために、最新情報を定期的に確認したり、現状の課題について見直したりすることが大切です。

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