止まらない海外進出!諸外国に着々と流通を広げるシーエンジ
クライアントプロフィール
- 株式会社シーエンジ
- 代表取締役社長 高岡 佳久 様
- 課題
- ベトナムへの製品輸出に際し、ISO9001の取得が必要だった
- 業種
- 製造業
- 規模
- 21~50名以下
- 規格
- ISO9001
今回の「ISOプロが訊く」は、愛知県の「株式会社シーエンジ」様に、リモートでお話を伺いました。株式会社シーエンジ様は、2000年に創立した製造業の会社です。独自の特許技術で通気性の高いクッション材を開発し、国内販売だけでなく、国外8ヵ国でもライセンス生産を行っています。インタビューでは、株式会社シーエンジ様がどのような理由でISO9001認証を取得し、会社全体がどのように変わっていったのかを詳しく伺ってきました。
独自の特許技術を用い、世界各国に良質な睡眠を届けるシーエンジ様
ーーまずシーエンジ様について、会社概要や具体的な事業内容などをお聞かせください。
高岡様:
独自の特許技術で開発した、通気性が高く洗えるクッション材「C-CORE3D(シーコアスリーディ)」を製造しています。C-CORE3Dは主にマットレスや枕の中身として使われる素材で、樹脂を溶かしたファイバーが、網状に絡み合ってできています。フランスベッド社や赤ちゃん本舗社などに利用いただいており、ホテルや病院、介護施設など、幅広い採用実績があります。実は、サッカー選手やバスケット選手にも愛用頂いているんです。また、海外8か国でC-CORE3Dを作る機械を販売しており、ライセンス生産を行っています。
ーー幅広く展開されている貴社ですが、事業を行う上で大切にしていることは何ですか?
高岡様:
社是にもある、「自然と共生できるような製品を作ること」ですね。以前、C-CORE3Dの素材は漁網に使われていました。そのため、使用時に切れてしまうと、海洋プラスチックとして海に放出されてしまうという問題があったんです。そこで、用途を変えたり、リサイクルできる樹脂を使ったりすることで、環境に配慮しつつお客様に製品をお届けできるよう配慮してきました。
そして経営理念としては、「思いやりを持ち、お客様の喜びのために日々こだわり、世界を豊かにする」ことを大事にしています。社内外問わず相手を思いやり、製品をよりよくすることにこだわる。こうして「一つひとつのモノづくりを通し、世の中に貢献した結果、自分たちも幸せになる」という好循環を目指しています。
ーー海外にも事業を展開されていますが、そのきっかけや成功のコツをお聞かせください。
高岡様:
海外進出は10年以上前、初代社長である父の時代から、ビジネスの柱のひとつとして行ってきました。父は海外でも特許を出願していたので、海外進出の展望はもともとあったようです。そして、私は以前、発光ダイオード(LED)の研究開発エンジニアをしていたのですが、その頃に海外の製造コストの低さや、商品化の速さを目の当たりにしていました。そうしたこともふまえ、海外にパートナーを見つけて、ライセンス生産を行っていこうと考えたんです。
海外では、現地の方に製造・販売を依頼しており、それが海外進出のカギになっていると思います。睡眠においても、その文化が国によってかなり違うため、現地の方が製造・販売を行ってくれることでお客様への説得力が増すんです。現地スタッフを通してその国の風土を知ったうえで、海外での展開を進めています。
「いい歯車が回りだした」。コンサルにより減った検査項目も
ーーISO9001の導入を検討されたきっかけを教えてください。
高岡様:
医療用マットレスをベトナムへと輸出するお話があったのですが、そこで「ISOを取得した工場で製造していること」という条件が出されたことがきっかけです。以前からISO9001の内容や仕組みに関心があり、それを参考にしながら社内システムを構築していましたが、実際の案件でも求められたため、導入に踏み切りました。
なお、病院で使う医療用のマットレスは、契約前に「デモ」というお試し期間があるんです。ベトナムでは、デモを行うにもISOが必要とのことでした。そして、他の東南アジア各国でも同じような条件が出されると思いますので、ISOの取得は今後の展開にも有利になると考えました。
ーーISO取得をコンサルへ依頼するにあたり、弊社を選ばれた決め手を教えてください。
高岡様:
ISOプロの方が「会社の実情に合うISOを考え、品質を管理しつつもしっかり実務が回るような、意味ある取得をサポートしていきます」と話してくださったからです。これまでは、ISOを参考にしながら社内システムを構築していたため、特に取得までは必要ないと思っていました。しかし、ベトナムからの条件が出されたところに、上記の言葉を頂いたことで納得。「ここにしよう」と決めました。
ーー取得までに苦労した点とISOプロのサポートはどのようなものでしたか?
高岡様:
一番苦労したのは、製造セクションにISOを浸透させることでした。日々忙しく働く皆さんからは、「また書類が増えるのか」という声が上がったことも。今では、業務の一環として少しずつ「品質管理のために」という意識が浸透してきていると思います。
とはいえ、一部チェックシートが増えたところもありましたが、ISOプロさんに見ていただいたおかげで無駄な検査項目が省けました。これまでのフローには、しっかり関連付けられていなかった検査項目もあったと気付いたことも。ですので、管理責任者の負荷はそれなりに増えたものの、それ以外の社員への負荷は、そこまで増えていないと感じています。
ーー実際、弊社のサポートを利用されてみていかがでしたか?
高岡様:
実務は担当者に任せていましたが、私が見ているだけでも「点と点がつながっていく」ということを実感しました。これまでもISOを参考に作業フローを回していましたが、足りない部分や、つながっていなかった部分がしっかりと補えていたんです。取得後の今も内部監査員を育てており、「歯車がかみ合ってよく回りだしたな」と感じています。以前、ISO取得には「使うか分からない書類をたくさん作るのでは」というイメージがありましたが、そのイメージが一変しました。貴社のサポートは非常にありがたかったです。
ベトナムでの取引が一気に拡大!環境にも配慮し、より多くの国へ
ーーISOの取得前後で、導入の効果や社内の変化は見られましたか?
高岡様:
ISO取得を通して部署を越えた協力が実現し、品質の高い製品を作り続ける仕組みができました。社員たちもISOを学んだことで、経営理念に腹落ちしたようです。そして、ISOを通じて取り決めたことは社員たちの記憶にも残りやすいようで、共通認識として定着し、会話の軸になっています。その意識の変革の速さは、たまに自分が遅れを取りそうなくらいです(笑)。
ーーISO取得後、取引先やそれ以外の他社様との対外的な変化や、効果はありましたか?
高岡様:
ISO取得のきっかけとなったベトナムの取引において、デモが実際に始まりました。今、同時に5つの病院でデモを行っています。それぞれのデモが無事終わり次第本契約に移り、流通が広がっていく予定です。ISOを取得したことで、ベトナムでの流通が一気に広がるであろう、いいきっかけが作れました。
ーー今後、ISO9001をどのように活用していきたいですか?
高岡様:
今後は、より多くの国で海外進出を進めていきたいですね。また、弊社は他にも自動車や電車のシートの開発にも取り組んでいるので、そうした面でもISOを持っていることはプラスに働くでしょう。また、環境マネジメントシステムに関するISO14001の取得も、視野に入れています。今後、購買層のなかにも環境への配慮に注目する方が増えてくると考えているからです。現状でも「素材を砕いて再利用する」といったエコな仕組みはできてきたので、ISO取得を通じて、環境への配慮について対外的にも伝えていきたいです。
そして、当初はISO取得を目的にしていましたが、貴社に依頼したことで取得の過程や取得後の活動の継続の大切さが、よくわかりました。それが一番の成果だと思います。今後もぜひ、一緒に取り組んで頂きたいです。
まとめ
株式会社シーエンジ様は、ベトナムでの製品輸出に必要となったISO9001を取得し、さらなる海外展開への足がかりとしたうえで、社員の意識改革にも役立てています。作業フローの整理にもつながり、他製品の営業においても役立つ見込みのISO9001。企業として重視している「自然との共生」を見すえ、次のステージとしてISO14001の取得を視野に入れているそうです。ISOプロでは、お客様に合わせた柔軟な対応を心がけております。ISOの取得を検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。
会社情報
社名 | 株式会社シーエンジ |
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設立 | 2000年4月 |
資本金 | 3000万円 |
所在地 | 愛知県蒲郡市中央本町14-15 |
URL | http://c-core.info/ |
記事掲載日:2023年06月21日