品質 マネジメントシステム規格 として知られる ISO 9001ですが、 ISO9001ISO9000 シリーズ(またはISO9000ファミリー)の一つの規格でしかありません。実は ISO9000シリーズ には、様々な規格が存在するのです。

今回は、ISO9000シリーズの規格にはどのようなものがあるかについて解説していきます。

ISO9000シリーズとは

ISO9001取得を検討中の組織にとっては、ISO9000シリーズと言われてもピンとこないかもしれません。
ISO9001というのは、ISO9000シリーズの中の「要求事項」でしかないのです。もう少しわかりやすく言うと、ISO9000シリーズという品質マネジメントシステムに関わる規格の中でも、9001と名のついたものはISOが品質マネジメントシステムに対して求めることをまとめた規格であり、これが国際認証 規格として成り立つためには様々な規格が必要であるということです。

では、具体的にはどのような規格があるのかということについて確認していきましょう。

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ISO9000シリーズの規格群

ISO9000シリーズの規格群は、シリーズの改訂とともに移り変わってきました。現在皆さんがISO9001と認識しているものは、おそらく最新版の2015年版のISO9000シリーズでしょう。もしくは、1つ前の2008年版かもしれません。認証を取得している企業もISO9001:2015やISO9001:2008しか見たことがないという方も多いと思います。

ISO9000

ISO9000はISO9001を初めとするISO9000シリーズ内で使用されている用語の説明や基礎となる考え方がまとめられた規格です。ISO9001を和訳したJISQ9001内にも重要なキーワードの用語の説明がされていたりしますので、ISO9000に目を透したことがないという方も多いかもしれません。

ISO9001

言わずとしれたISO9001は品質マネジメントシステムの規格が求める要求事項です。――規格が求めること(要求事項)を満たして初めて認証を取得することができるため、このISO9001が認証を取得するにあたっては最重要の文書ということになります。ISO9001は1994年版ではISO9001、ISO9002、ISO9003の3つに分かれていましたが、2000年版からはISO9001に統合されることになりました。

1994年版のISO9001では、品質システムの中でも「設計・開発、製造、据え付け、および付帯サービスにおける品質保証モデル」についての記述がありました。

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ISO9002

ISO9002は1994年版のISO9000シリーズにのみあった規格で、製造、据え付け、および付帯サービスにおける品質保証モデル――つまりISO9001から設計開発を除いた分野に対しての規格として位置づけされていました。しかし2000年の改定によってISO9001をより柔軟なマネジメントシステムとしたことで、ISO9001に統合されることになったのです。

ISO9003

ISO9003もISO9002と同様に2000年版からISO9001に統合された規格になります。ISO9003は「最終検査・試験における品質保証モデル」という分野に対する規格として位置づけされていました。

ISO9004

ISO9004は2015年版にも存在する規格であり、組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチとして制定、発行されてる規格です。ISO9004はISO9001よりも高いレベルでの品質管理システムを構築したいと考える企業を対象とした規格です。

ISO9001は規格そのものを柔軟なものとし、中小企業や零細企業であっても取り組みやすいような設計を行っているため、大企業のように力量に左右されにくい大規模なマネジメントシステムでは、「物足りない」と感じる企業も多く、こういった企業を対象として設計されたのがISO9004です。

もちろん、ISO9001はレベルの低いマネジメントシステムというわけではありませんし、構築が簡単だというわけでもありませんが、ISO9001ではカバーしきれない枠組みを提供するものがISO9004です。

ISO19011

ISO19011は、あらゆるマネジメントシステムの監査の指針を制定した規格で、品質マネジメントシステムの監査を行う組織を対象としたものです。内部監査を行う際に、理解しておいた方が良い内容が記載されています。審査機関などもこういった規格に則って審査をしているのだということを知っておくことは良いことだと思います。

ISO9000シリーズを導入する目的や効果は?


ISO9000シリーズは、品質マネジメントシステムに関する国際規格です。組織の商品やサービスの品質を向上させるためのガイドラインと言えます。ここでは、ISO9000シリーズを組織が導入する目的や効果について紹介します。

目的

組織がISO9000シリーズを導入する目的としては、対外的な目的と対内的な目的があります。

対外的な目的

・取引先からISO9000シリーズを取得するように要求される
・公共工事の入札条件や経営事項審査の加点の対象になる

対外的な目的として、取引や契約を優位にしていくことが挙げられます。ISOは国際規格であるため、取得することで品質における信用を得られるのです。また、取引や契約の中には、ISO9001を取得していることが必須条件となっているものもあります。

対内的な目的

・業務の効率化
・社内の意識を高める

ISO9000シリーズを取得するにあたり、製造過程を見える化し、無駄な工程を削減するなどの業務体制を整えていきます。合理的に管理し、改善していける仕組みづくりを行うため、業務効率化につながります。また、その過程で、組織の従業員それぞれの役割が明確になるため、社内の品質に対する意識を高められるでしょう。

効果

ISO9000シリーズを取得すると、顧客満足度の向上や顧客との信頼関係の構築、商品やサービスの生産性の向上といった効果が期待できます。

その理由は、ISO9000シリーズの各要求事項を満たす品質マネジメントシステムを組織内で構築・運用することで、商品やサービスの製造や提供プロセスを継続的に改善することが可能となるためです。

そして、ISO9000シリーズの最終的な目標は、顧客満足度を達成することです。そのため、ただ高品質を目指すのではなく、価格や納期といった面からも顧客のニーズを把握した商品やサービスを提供できるようになります。

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まとめ

今回は、ISO9000シリーズの紹介でした。ISO9001の認証取得とはあまり関係がないかもしれませんが、ISO9000シリーズというものがあって、そこには様々な規格が存在しているということを知っておくと他の規格の認証を取得するときに役に立つかもしれません。

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