ISO9001の要求事項である4.1組織及びその状況の理解について理解しよう
「4.1組織及びその状況の理解」は、ISO マネジメントシステム 規格 共通( MSS共通テキスト :Management System Standardの採用)の要求事項 で、マネジメントシステムのPDCAサイクルではPlan(計画)にあたる部分です。ISO 9001は,組織の製品及びサービスについての信頼を与えることに重点を置いており、箇条4.1が共通箇条ではあっても、組織における他のマネジメントシステムと導入目的が異なりますので、「 品質 マネジメント」という観点から「組織および組織状況」について正しく理解することが大切です。
組織および組織の状況を理解するには
組織および組織の状況を理解するには、組織状況を理解する工程を1つのプロセスと捉え、組織の目的やマネジメントシステムの目標を達成する”組織能力”に影響を与える要因を明確にする必要があります。下記、組織の内部要因や外部要因について考慮して内部・外部の課題を洗い出しますが、箇条4.4の要求事項(本稿に掲載あり)を念頭に内部と外部の課題分析を行い、組織の状況について把握します。
◇組織の内部要因:
組織の価値観や文化/組織が持つ独自の知識・ノウハウや技術/パフォーマンスなど
◇組織の外部要因:
法的環境、技術的環境、競争環境、市場環境、文化的環境、社会的環境、経済的環境など
また、箇条「4.1」の要求事項に「組織は,これらの外部及び内部の課題に関する情報を監視し,レビューしなければならない」とあり、箇条9.3 マネジメントレビューに要求事項が引き継がれていますので「箇条9.3」にも適合する必要があります。
内部と外部の課題分析
本稿では、組織の状況把握するため、内部と外部の要因分析に「タートル図 」を利用しています。(図解01参照) 例として、インプット に「目的や課題」、アウトプットに「結果や課題」(対象)、その他の必要な要素として設備など「重要なインフラ」、利害関係者 ・要員など「人」、手段や技術など「実施方法」、目標・指標や検証など「達成方法」も上げています。記載する内容は組織によって必要とする要素は異なりますので、タートル図の作成に必要な要素を組織に合わせて書き込みます。
- ①タートル図の中央に組織の目的/マネジメントシステムの目標を記入します。
- ②インプットに、上記①に必要な「要素」を書き出します。
- ③アウトプットに、「期待される効果」や「課題」を記入します。その際、顧客など「対象」や納品物など「納品」なども併記すると良いでしょう。
- ④その他、タートル図作成に必要な要素があれば盛り込みます。
※その際、インプットの段階で課題があれば記述します
以下のように、タートル図を作成して内部・外部の要因を落とし込むことで気づき事項や課題整理ができ、内部と外部の課題を明確にできます。
■図解01:
■ISO9001:2015「ブロセスアプローチに関する」要求事項
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
4.4.1 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
- a)これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。
- b)これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
- c)これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
- d)これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
- e)これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
- f)6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
- g)これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。
- h)これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
【出典】JIS Q9001:2015(4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス)
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