• 目標設定により、業務のモチベーション向上が期待できる
  • 測定可能な目標を設定することで、管理がしやすくなる
  • 品質向上における組織体制を強化したい場合、ISO9001の取得がおすすめ

製造業における工場業務では、日々同じ作業の繰り返しになることも多いでしょう。そのため、作業がマンネリ化すると、業務効率が下がってしまう可能性があります。

マンネリを防ぎ業務効率を高めるためには、目標を設定し、日々の業務において管理することが必要です。

そこで、本記事では、製造業における目標設定のポイントや具体例、目標管理シートについて解説します。

製造業において目標設定が必要な理由

まず、製造業において、「なぜ目標設定が必要なのか」の理由について解説します。

工場全体における必要性

会社の経営方針や工場の方針を、具体的な形で実現するために目標が必要です。目標がなければ、どのように行動すべきかがわかりません。

例えば、「顧客満足度を向上させる」という工場の方針を掲げたとしても、不良品を減らすために何をすれば良いのかという具体的な行動は見えないでしょう。顧客満足度を向上させるために「不良品率を前年比10%削減」という目標を掲げることで、どのような行動が必要になるか見えてきます。

従業員個人における必要性

会社から与えられるだけの強制的な目標は、従業員のモチベーション低下につながる可能性があります。また、能動的な意識を育てるためにも個人目標が必要です。

個人目標の設定は従業員自身が行いますが、工場全体の目標と整合性が合うように管理することが大切です。
「不良品率を前年比10%削減」という工場全体の目標を掲げる場合、個人目標も「機械の整備・点検を毎日実施して記録する」「指さし確認を実施する」のように不良品を減らすための目標設定が求められます。

関連記事:【具体例付】ISO9001の品質目標とは?達成に向けた計画の立て方まで解説
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製造業における目標設定のポイント


次に、製造業における目標設定のポイントについて解説します。以下の3つのポイントを満たす目標設定を実施し、業務改善に活かしましょう。

改善すべき課題を明確にする

目標は改善すべき課題を明確にしてから設定しましょう。課題が明確であると、具体的な対策に結びつけることができます。
そのため、まずは、どのような課題があるのかを確認する必要があります。業務プロセスを見える化し、工場における状況や課題を把握してください。
課題が具体的であればあるほど、目標設定に活用できるため、現在かかっている作業時間や不良品率などは数値化して把握することがおすすめです。

測定可能な内容にする

工場の目標設定は、測定可能な内容にすることで、目標達成地点や現状との差が明確になります。例えば、「不良品率を下げる」ではなく、「不良品率を前年比10%削減」とするといった具合です。
そうすることで、「前年比10%削減」するために必要な具体的な対策も浮かびやすくなるでしょう。
勉強会を実施するといった内容でも問題ありません。実施していれば〇。していなければ×となるためです。

顧客満足度の向上につながる

工場の目標は、顧客満足度の向上につながっていることが重要です。顧客ニーズを満たすことは、企業が存続するうえでは欠かせないため、顧客満足度を調査し、どのような要望があるのかを把握することが必要です。また、クレームも顧客ニーズを知るうえでは大切な材料となります。
さまざまな角度から顧客の声を集め、工場の目標設定に活用しましょう。

製造業における目標の具体例


ここでは、製造業における目標の具体例を紹介します。

生産性向上

生産性向上を目的とした目標は、以下のような指標をもとに作成します。

  • 原価率の差異:製造における原価の目標と実際にかかった製造原価の差
  • 工数差異:目標とする作業工数と実際にかかった作業工数の差
  • 製造リードタイム:生産開始してから生産完了までの期間
  • 稼働率:生産能力に対して実際に生産した量の割合
  • 不良率:生産数に対する不良数の割合
  • 労働生産性:従業員1人当たりが生産した成果

具体例としては、「原価率の差異を10%以内にする」「稼働率を15%向上させる」などが挙げられます。

労働環境の整備

労働環境の整備を目的とした目標は、以下のような観点から作成します。

  • 整理整頓に関する目標
  • 工場内を清潔にすることに関する目標
  • リスクのある作業や場所の改善に関する目標

具体例としては、「ヒヤリハットがあった場合に必ず毎回記録する」「掃除場所におけるチェックリストを作成し、始業時と終業時にチェックリストに沿って掃除を実施する」などが挙げられます。

個人の目標

個人の目標は、工場内の目標との整合性があるかを確認したうえで作成しましょう。

具体例としては、工場内の目標が「前年度に比べ、労働生産性を10%高める」だった場合、個人目標は「来月の〇〇における資格試験に合格する」、「1時間当たり〇個の作業する」などが整合性のとれた目標といえるでしょう。
従業員に丸投げしてしまうと間違うこともありますので、上司が必ずチェックしておきましょう。

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目標管理シートの基本項目

目標を設定したら、目標における進捗を管理できる目標管理シートを作成しましょう。ここでは、目標管理シートに記載すべき基本項目について解説します。

目標項目

工場全体の目標と個人の目標の両方を記載しましょう。常に見えるようにしておくことで、従業員の意識を高めることにつながります。

評価基準

目標における評価基準を記載しておきましょう。例えば、「不良品を前年比10%減」という目標の場合、「10%以上減でS評価」「7-9%減でA評価」とすることで、現状の評価が一目でわかるようになります。評価が明確であれば、従業員のモチベーション向上が期待できます。

目標達成のための行動や対策

目標達成のための行動や対策を設定します。具体性をもたせることが大切です。例えば、「不良品を前年比10%減」という目標の場合、「業務プロセスの見直し」「設備のメンテナンスの実施」「従業員教育の実施」などの行動や対策が考えられるでしょう。

結果

行動や対策を実施した結果を記載します。結果においても具体性をもたせ、測定可能な数値で記載しましょう。そうすることで、次回の目標設定に役立てられます。また、改善点や今後の課題が明らかな場合には、結果とともに記載しておくことがおすすめです。

評価

評価は、客観的な事実にもとづいて行いましょう。実施した記録を用意することで、公平な評価につながります。

目標設定にお悩みの製造業ご担当者様へ

適切な目標設定は企業にとって課題のひとつです。ISO9001では、要求事項に沿って、まず会社の方針を定め、その上で品質目標を設定します。そのため会社や事業の方向性に合わせた目標設定がしやすくなります。当社は製造業の実績も多くあり、その知見をもとに、ISO9001の概要が把握できる資料をご用意しています。ご担当者様のお仕事の一助になれれば幸いです。ぜひご活用ください。

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製造業における目標管理シートの具体例

製造業における目標管理シートの具体例を作成しましたので、参考にしてください。

工場全体の目標 不良品を前年比10%減
個人目標 チェックリストどおりの掃除を毎日2回実施。改善点を提案する。
評価基準 ・10%以上減でS評価
・7-9%減でA評価
・4-6%減でB評価
評価
目標達成のための行動や対策 結果
業務プロセスの見直し プロセスを一部変更し、マニュアルを更新した。
設備のメンテナンス実施 月1回の定期メンテナンスを実施
従業員教育の実施 作業者の技術レベルに合わせた研修を月1回実施
チェックリストどおりの掃除を毎日2回実施。改善点があれば提案する。 汚れがたまる設備の掃除を取り入れることを提案した。
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より効果的な体制づくりにはISO9001の取得を

ここまで、製造業における目標設定と目標管理シートについて解説してきました。適切な目標設定により、自社の品質強化が期待できますが、継続的な品質強化を目指したい場合には、ISO 9001の取得がおすすめです。

ISO9001 とは、品質マネジメントシステムに関する国際規格 です。商品・サービスにおけるQ(quality:品質)、C(cost:価格)、D(delivery:納期)のバランスを重視しており、それぞれの要素を最適化していくことで、顧客満足度の向上を目指しています。

ISO9001では継続的な品質改善が可能な仕組みとなるマネジメントシステムの構築・運用が求められるため、取得することで体制そのものをより強固にすることができます。

ISO9001の詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:ISO9001とはなにか?導入企業や他の規格との違いを徹底解説!
関連記事:ISO9001を取得する必要性を解説します

経営活動をより有利に進めたい企業の方は、ISO9001の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

製造業における目標を設定することで、自社の方針を推進するための具体的な取り組みを決めることができます。

工場や個人レベルでそれぞれ設定することで、スムーズな工場運営につながるでしょう。そのためには、目標の進捗を管理するため、目標管理シートを活用してください。
 
また、組織としての体制をより強化したい場合にはISO9001の取得がおすすめです。競合他社との差別化に検討してみてはいかがでしょうか。

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