企業体質の強化をはかる「ISO9001」
今では日本だけでなく、海外を視野に入れた会社経営が求められる時代です。大手の会社ではすでに、品質
マネジメントシステム
を考慮してISO
規格
を導入しているのが大半です。
しかし、中小企業ではまだISO規格の導入が進んでおらず、品質管理の体制やマネジメントシステムが整っていない
環境
であるという現状があります。
特に、建設・建築などの土木業においては、まだまだISOが完全に浸透していない傾向にあります。元々、ISOは製造業などを対象にして作られたものであり、1990年代までは製造業の参入が大半でした。
1999年以降からは、商品の国際基準の
認証
を得るため、建設業も
ISO9001
(品質)の認証取得を始めました。しかし、「品質管理を通した会社自体の強化」につながっていないケースも多々あります。
ISO規格では「品質管理」を通して製品などの質を高め、顧客の満足度を上げることが目標となっています。この目標を達成するための「要求事項」も定められており、その内容をクリアすることでISO9001(品質)の認証を受けることが可能です。
この認証を受ければ、建設・建築などの会社は公共事業などの入札などにも参加できるようになります。
言ってしまえば、より大きな仕事を引き受けることが可能なので、会社としてもメリットが非常に大きいものになっているのです。
しかし、実際はISO9001(品質)を導入することで余計な記録を取る手間が増える、記録ねつ造が発生する、費用面などさまざまな問題があると言われています。
また、ISO9001(品質)は元々製造業向けに作られたものなので、建設業界に製品製造のマネジメントシステムを無理に当て込むだけで、きちんとした品質管理のマネジメントシステムになっていないケースがあります。
会社を根元から改善していくISO
そもそもISO規格を導入するメリットは「品質管理の向上による顧客満足度の上昇」です。それと同時に、各会社がどれだけ品質管理を行うことができるかという運営管理やパフォーマンスの向上など、会社経営の姿勢改善にもつながります。
ISOの認証審査では、試験のように答えさせるということではなく、企業の状況を伺いマネジメントシステムの
有効性
を審査します。
「要求事項」では、各企業の経営方針や組織の在り方、目標についても審査します。その経営組織が考えている目標が、現代の顧客ニーズに応えられるものを提示しているかどうかを見ているのです。
さらに、その目標を達成するための仕組みや
職場
環境を、現状の企業の状態や規模を見据えた上で計画し、どれくらいの利益・結果を出せているのかで達成度を判断。もちろん、その計画がどれくらい消化され、無理なく進行できているかも見ています。
実際に計画を進行する中で、顧客からの反応を見ながら情報の吸い上げを同時に出来ていることも重要です。そのうえで、自分たちが進行している計画を臨機応変に変更できているのかも、ISO9001(品質)の認証審査では大事な要素になってきます。
また、経営陣がその計画を従業員に対してきちんと説明し、どれだけ達成できる環境を作れているのかも問われています。
これらISO9001(品質)で求められる内容を見ると、ほとんどが会社運営に関わる内容になっているのがうかがえます。ISOでは、商品の品質を上げるためには企業の体質を強化するのが一番だと考える傾向となっています。
品質管理を通して、今一度企業の管理体制を見直すことで弱かった部分を強化することにつながります。また、品質を管理するための計画書の作成も求められるので、今まで体系化していなかった制作フローを記録することで効率化を促すこともできるのです。
初めは慣れないことで面倒なことも多いかもしれませんが、後々の業務改善や効率化と考えれば大いにメリットのほうが多くなってきます。
建設・建築業界がISO9001(品質)を導入するメリット
土木業などがISOを認証取得するメリットとしては、今までは見えていなかった仕事の「見える化」を促せることです。今までは口頭のみで終わっていた業務の受け渡しがきちんと文面にて残るので、作業効率が向上するのは大きなメリットと言えます。
また、認証後も継続的に計画を実行して評価を得ることで、会社や事業の価値が上がっていくのも大きなメリットです。
土木業界がISO9001(品質)を導入するのが、公共事業の仕事の受注のためだけに終わるのはもったいないです。ISOの本来の目的が「品質管理・品質向上」ですので、それと同時に会社の組織強化を考えるのがセオリーとなります。よく建設・建築業界では、ISOの本来の意味である、顧客要求や業務改善に触れないままに導入しているケースがあります。
ISOの認証取得は、未来への投資だと考えて、組織の見直しや職場環境を整えることなど、ゆっくりと時間を掛けて行うことが重要になります。
ISOは試験のような合格・不合格ではなく、審査で適合しない箇所があると判断されても、改善をして提出すれば問題はありません。
よって、たとえ時間がかかっても、ISOで求められている内容を自社にあったシステム構築をしていけばよいのです。
よく土木業界や不動産業は、独自の社会性を持っていると言われます。そのため、その業界独自の情報が出回り、知らない内の他の業界から取り残されてしまうという事態はよくあるものです。このISOに関しても同じで、土木業界だけで特化したISOなどの情報が出回り、間違った知識を数々の企業が信じ込んでいるケースが後を絶ちません。
また、同じ業界の大手メーカー事業のISOマネジメントシステムをそのまま自社に取り込むことで、自社がまったく身動きができなくなってしまうケースが殆どです。
ISOは、各会社の現状から考えられる「品質管理体制の向上」を重要視しているため、他社のマネジメントシステムをそのまま真似しても、審査会社や顧客などから、いい評価をもらうのも難しくなってしまい、認証取得しても、その後の運用に負担がかかってしまいます。
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