社員の成長=会社の成長!80名にISOを浸透させた大丸鐵興の環境づくり

クライアントプロフィール

大丸鐵興株式会社
代表取締役社長 太田慶樹 様品質保証部 鳥海智子 様
課題
情報共有が上手く機能せず、品質への意識にバラつきがあった
業種
金属加工業
規模
51~100名以下
規格
ISO9001

今回のISOプロが訊くは茨城県の『大丸鐵興株式会社』様にリモートでお話を伺いました。大丸鐵興株式会社様は1967年に創業した金属加工業の会社です。前身だった鉄鋼商社から製造業に業態転換し、5000tなどの大型プレスを軸に大型加工を得意としています。2018年から機械加工分野に進出し、取引先様向けに材料の加工など製品に必要なモノを作るものづくりの会社です。また、現在では自社製品であるトラック用のステンレス製燃料タンクや「みずがめ君」というステンレスの非常用給水タンクの開発と製造を手掛け、お客さまが求める商品を一貫して手掛けるメーカーでもあります。
インタビューでは大丸鐵興株式会社様がどのような理由でISO9001認証を取得し、会社全体がどのように変わっていったのかを詳しく伺ってきました。

取得前課題
情報共有が上手く機能せず、品質への意識にバラつきがあった
取得後
全社へ情報共有する仕組みにしたことで、品質向上への意識が全社で高まった

リーマンショックを乗り越え10年越しの取得

--金属加工業の大丸鐵興様が、ISOを導入するキッカケはどのようなものだったのでしょうか。

太田様:
今回のISO9001認証取得に至った理由は2つありました。1つは2018年からスタートした機械加工分野で弊社の新たな取引先様が日本を代表する企業様ということもあり、取引をするにあたりISO9001が必要になったこと。もう1つは弊社がステンレスのタンクで15年前ほど前に開発から製造を行うメーカーとなり、品質面での責任を果たしていくために必要性を感じたことです。

--聞くところによると以前もISO9001を目指していたようですが。

太田様:
実は、2008年あたりにISO9001認証取得を目指して1年ほど掛けて準備をしてきたのですが、リーマンショックの波に飲まれ挫折したことがありました。10年ほど空いてしまいましたが、取引先からの信用や自社製品の品質を守る上でISO9001認証の取得が必要だと感じましたので、今回改めて取得することに致しました。

従業員が共通認識を持つことで品質に対する意識がアップ

--ISO9001認証取得後の社内の変化について教えてください。

太田様:
弊社はモノづくりの会社なので、社員の実力を重要視しています。社員一人ひとりが力強く成長していないと会社の成長ができません。今回のISO9001認証取得は社員の品質や仕事に対する共通認識に大きな影響を与えました。

--具体的に社員の方々にどのような影響がありましたか。

太田様:
今まで部署ごとにバラバラだった書類や作業の内容を見直し、統一しました。それに伴って全従業員が全体の流れを把握しやすい環境を作ったことで、品質向上への意識が高まってきたと感じています。以前よりも更に工場がキレイに清掃されているのも、従業員の意識が全体的に向上している証なのだと思っています。

鳥海様:
ISOを取り入れたことで、全従業員に情報を共有する文化が生まれました。今までは不良品が出た場合、「どうして不良品がでてしまったのか」を管理職など役職者にのみ共有をしていましたが、ISO9001認証取得後は役職に関係なく全員に共有するようになりました。お互いに注意しあえる環境となったことは非常に大きなインパクトだと感じております。

一人ひとりが自分の技量を持って活躍できる職場環境を作りたい

--経営理念ページにある“進化しつづけるものづくり”という言葉に込められた想いを教えていただけますか。

太田様:
弊社の経営理念に「正しいことを考える」、「正しい決意をする」、「正しいことを実践する」、「正しい成果を作り上げる」を掲げており、この4つのアクションを大切にして時代に挑んできました。弊社はこれから材料加工の川上に行くのではなく、お客様が求めている製品の製造から販売までを一貫して手掛ける川下の加工を目指し “進化しつづけるものづくり”を理念に掲げています。

--先ほど社員の成長=会社の成長と仰っていましたが、社員が成長するための会社としての取り組みについて伺えますでしょうか。

鳥海様:
弊社では、社員の成長のためにスキルアップ支援を行っています。ISO9001認証取得後もオンラインセミナーなど、スキルアップ支援をすることで全社員のISO9001に対する意欲を高められているのではないかと思います。社員一人ひとりがチャレンジしていける風土づくりが出来たのでISO9001認証を取得して良かったです。

太田様:
モノづくりは人の技術が物をいう世界なので、従業員一人ひとりが力を発揮し、会社にとって貢献できる成長をしてほしいと考えています。

--素晴らしいお考えですね……!太田様、鳥海様、本日は本当にありがとうございました!

太田様・鳥海様:
こちらこそ、ありがとうございました!

まとめ

今回、大丸鐵興様へのインタビューで筆者が注目した点は「会社を良くする環境づくりの上手さ」です。当初は、取引先との信用問題や自社製品の品質向上を目的にISO9001取得の取り組みがスタートしました。しかし結果的には目的を果たしただけでなく、ISO9001の取得を全従業員の品質意識の向上に繋げています。
「社員の成長=会社の成長」と考え、社員の実力の重視やスキルアップ支援をしている環境があるからこそ、“進化しつづけるものづくり”という理念に共感する精鋭たちはISO9001導入などの新しいことにも積極的に取り組めるのだと思います。また全社員が共有しあう文化・環境作りとの合わせ技で、従業員80名規模の会社でもISO9001が急速に浸透し、目に見える成果を出しています。
大丸鐵興様は「会社は良くする環境づくりに非常に長けた企業様」だと感じました。

ISO認証取得を検討するモノづくりの企業様にとっては参考になる「ISOへの取り組み方」ではないでしょうか。

会社情報

社名 大丸鐵興株式会社
設立 1967年2月
資本金 7000万円
所在地 茨城県猿島郡境町下小橋867-8
URL http://www.daimaru-tekko.co.jp/

記事掲載日:2022年11月01日

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