需要に合わせたISO取得で、対外的信用を高めたヒロプラスの戦略

クライアントプロフィール

株式会社ヒロプラス
代表取締役社長 伊藤宏使 様
課題
食品・医療関係の問い合わせ増に伴い、安全性を担保する必要性が高まった
業種
製造業
規模
21~50名以下
規格
ISO22000

今回の「ISOプロが訊く」は、東京都の「株式会社ヒロプラス」様に、リモートでお話を伺いました。株式会社ヒロプラス様は、1997年に創業した製造業の会社です。
金属製缶パーツの全国シェアNo.1である株式会社ヒロハマから、樹脂部門を分社化。プラスチック射出成形に特化し、「日本一きれいで工夫に満ちた工場」を方針の一つとしています。

インタビューでは、株式会社ヒロプラス様がどのような理由でISO22000認証を取得し、会社全体がどのように変わっていったのかを詳しく伺ってきました。

取得前課題
食品・医療関係の問い合わせ増に伴い、安全性を担保する必要性が高まった
取得後
対外的な信用が高まり、定期会議の設定で社内でのコミュニケーション量も増加した

きれいで工夫のこらされた工場で、プラスチック製品を手がけるヒロプラス様

ーーまずヒロプラス様について、会社概要や具体的な事業内容などをお聞かせください。

伊藤様:
弊社はもともと、金属製缶パーツの全国シェアNo.1である株式会社ヒロハマの樹脂部門でした。私の父が樹脂部門の責任者をしていた時に規模拡大のために分社化が決まり、その際に私も呼ばれてヒロプラスへと転職。創業に立ち会ったという形です。

今年で26期目となる弊社は「プラスチックの射出成形」という製造方法でさまざまなプラスチック製品を作っています。具体的には、容器のキャップやエアゾール缶のキャップ、ボタンや医療関係のプラスチック製品の受託生産です。
また、生産管理システムや画像検査装置を自社開発し、生産管理や品質管理を行っているため、外観検査や寸法検査記録なども一元管理しています。

ーー「日本一きれいで工夫に満ちた工場」という方針を決めた理由は何ですか。

伊藤様:
弊社の企業理念は「より安心安全でより環境に配慮したプラスチック製品を追求して社会に貢献しよう」です。
この理念を達成するために、3つの企業方針「日本一きれいで工夫に満ちた工場を作ろう」「驚きや感動を与えるようなものづくりをしよう」「より良い製品を作る為のシステムを作りこもう」を掲げています。

また、私は以前、ソフトウェア開発の会社でプログラムを組む仕事をしていました。そして当時から、町工場の汚い感じが好きではなかったんです。
「自分が入社したら、きれいな工場にしたい」と感じており、実際に入社当初は自分で夜な夜な工場を掃除したり、整理整頓したりしていましたね。それが今の工場のきれいさにもつながっています。

そして、より規模の大きいお客様とのお付き合いも見据え、2008年には衛生面を強化した長柄工場を新設しました。その結果、食品・医療関係のお問い合わせも増えています。

需要の変化に合わせ、ISOを取ることで対外的な信用をUP

――ISO22000の取得に踏み切ったきっかけを教えてください。

伊藤様:
衛生面を強化した長柄工場を竣工し、食品・医療関係のお問い合わせが増えたためです。外部機関から認証されることが対外的な信用に繋がると思い、安心・安全を担保するISO22000の取得を決めました。

以前から、自社開発した生産管理システムを使用していたため、「ISO9000はすぐ取れそうですね」とお客様にも言われていました。
ただ、ISO9000は取得済みの会社も多く、必要性をあまり感じなかったんです。そこで、ISO22000を先に取得しようと決めました。

――ISOの取得に際し、コンサルへの依頼を検討された理由や、その中で弊社を選ばれた決め手を教えてください。

伊藤様:
コンサルを依頼した理由は、まず何から始めればいいのか全く分からなかったからです。
ISOの取得は初めてでしたし、初回が一番大変だろうと考え、プロの方に進め方や考え方を教えていただきたいと思っていました。ISOの審査についても未知数でしたので、審査員側の考え方も聞ければと思いましたね。

――ISOプロを選んでいただいた決め手は何ですか。また、取得までの進め方も教えてください。

伊藤様:
貴社を選んだ理由は、各種コンサルのなかでもHPの内容が分かりやすかったからです。
ISO認証は初めてで、何をどう重視すべきか分からなかったのですが、貴社のHPは分かりやすかったです。

取得までの進め方については、まず顔合わせをして一日の仕事の流れを実際に見ていただき、それを大きな紙に書き出しました。
この工程にはこういう機械が使われている、といった現状の細部まで全て書き出し、どこがハザードなのかを議論しながら表にまとめました。

弊社は食品そのものを作っているわけではないので、あまりリスクらしきものもなく、取得しやすかったのではと感じています。
現在は初回審査と2回の継続審査を経て、更新審査まで無事終えました。おかげさまで、大きな指摘を受けることもありませんでした。

――ISOプロのサポートを受けてみた感想はいかがですか?

伊藤様:
コンサルタントからのご指導が、非常に役に立ちました。
何をどう始めればいいのかが分かりましたし、審査員の考え方も教えていただき、審査に対する恐怖心もなくなりました。また、担当コンサルタントの方はとても話しやすい方で、食事をご一緒したり懇意にさせていただきました。

担当コンサルタントの方と出会えたことも、貴社に依頼してよかったことのひとつです。

自社開発という強みを活かし、無人化でさらなる高みへ

――ISOの取得前後で、導入の効果や社内の変化は見られましたでしょうか?

伊藤様:
ISOの取得を通して、ISO担当メンバーで月に1回会議をするようになり、コミュニケーションの機会が増えました。
会議ではISOの目標に関する進捗や社員教育の状況を確認していて、それが結果的にさまざまな情報共有や問題の発見につながっています。

現在もこのISO会議は継続していて、目標に対する進捗やヒヤリハットの発生・改善報告、各種書類の更新などを行っています。

――ISO取得後、取引先やそれ以外の他社様との関係に変化はありましたか?

伊藤様:
ISO取得前は、お客様から審査のような形で質問を受けることも多かったのですが、ISO22000取得後は質問が減っています。
ISOのおかげで、信頼度が増しているのでしょう。また、既存のお客様から新規のお客様をご紹介いただくことがあるのですが、これまでよりさらに、先方への印象がよくなっていると思います。
ISO22000を持っていることで、新規のお客様の目にも留まりやすくなっているのではないでしょうか。

――今後の展望について教えてください。

伊藤様:
基本的にはこれまで通り、安心安全に使っていただける製品を作りながら、お客様と長くお付き合いできる体制を維持していきたいです。また、弊社の強みは、自動化のための生産設備を自社開発できるところです。

工場のきれいさは維持しながら品質を上げつつ、今後は無人化も目指していきたいです。そして、特に無人体制を望まれるお客様とはお付き合いを増やしつつ、長くお取引していきたいと考えています。

また、環境に配慮した取り組みも引き続き行っています。以前エコアクション21の認証も取得しており、今は認証を外したものの取り組み自体は続けています。
ISOに含まれる化学物質の管理も継続しつつ、社屋の屋根に太陽光パネルを貼ったり、省エネ型の新しいコンプレッサーを導入したりしていますね。今後もSDGsやESGへの対応を考え、できるところから実行していきたいです。

まとめ

ヒロプラス様は、食品・医療関係のお問い合わせが増えたことに合わせ、安心・安全を担保するISO22000を取得されました。
需要に合わせたISO取得により、さらなる信頼獲得や、社内でのコミュニケーション量増加に成功しています。無人化や環境への配慮など、これからの時代における需要に合わせて行動し続けるからこそ、発展の一途をたどっているのではないでしょうか。

ISOプロでは、お客様に合わせた柔軟な対応を心がけております。ISOの取得を検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。

会社情報

社名 株式会社ヒロプラス
設立 1997年4月
資本金 3000万円
所在地 東京都墨田区石原2-28-11ヒロハマビル5F
URL http://www.hiro-plus.com/

記事掲載日:2023年12月20日

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