GMP(適正製造規範)とは?わかりやすく解説します!
- GMPはGood Manufacturing Practiceの頭文字をとった単語のことで、日本語では適正製造規範という
- GMPとは、製品が安全で一定の品質を保たれるように定められたシステムのこと
食品安全衛生管理では、近年HACCPに注目が集まっていますが、HACCPはあくまで食品の安全衛生の水準を向上させるための手法です。諸外国では、この安全面に加えて品質 面についての基準を求める流れが進んでいます。
そこで登場するキーワードの一つであるGMP。GMPはGood Manufacturing Practiceの頭文字をとった単語のことで、日本語では適正製造規範と呼ばれています。日本でGMPといえば医薬品に対して使用されることが多いですが、すでに世界ではこのGMPを食品業界でも用いようという取り組みが進んでいます。
今回は、GMPとはどのようなものなのかということについて、簡単に解説していきたいと思います。
目次
GMPとは
GMPとは、適正製造規範のことで、原料の入荷から製品の出荷までの過程において、製品が安全で一定の品質を保たれるように定められたシステムのことを言います。
アメリカでは1960年代から食品や医薬品の製造を行う事業者に対して法的にGMPを取り入れることを義務付けている州も多くあります。日本においては、医薬品の製造においては法的にGMPが取り入れられていますが、食品に関して法律に基づいたGMPは策定されていません。
ただし、2020年から日本でも義務化されることになったHACCPの普及に伴って、その前提条件である一般衛生管理としてGMPが取り入れられることも増えてきています。
様々な認証でも取り入れられるGMP
食品に関するマネジメントシステム規格 は様々なものがあります。 ISO 22000やSQFはその代表的なものです。また、品質に関する規格として ISO9001 を取得する事業者も少なくはないでしょう。
これらの規格においても、マネジメントシステム開発の基礎としてGMPが取り入れられています。これらの規格の多くはハザード制御としてHACCPという食品安全衛生管理手法を取り入れていますが、その前提条件プログラムとして適正製造規範であるGMPが存在しているのです。
GMPは具体的にはどのようなものなのか
では、HACCPの前提条件となるGMPとは具体的にはどのようなものなのでしょうか?以下は一例ではありますが、最後にGMPと捉えられる事項について列挙しました。
敷地管理
製造に利用する敷地、つまり工場の立地に関するものです。
施設・設備の設計、施工、配置及び製造ライン
施設の設備や設備機能の配置に関するものです。
製造・保管区域の仕様・ユーティリティの管理
施設において製造や保管を行うエリアと廃棄場所を分けるなど、各エリアの仕様に関するものです。
装置・器具
製造に使用する装置や器具に関するものです。
保守
清潔を保つためにするべきことに関するものです。
従業員用の施設
従業員が利用する更衣室などに関するものです。
汚染リスクの特定・管理
食品が汚染されるリスクを特定し、管理するというものです。
物理的、化学的、生物学的製品汚染リスク
細菌やウイルスだけでなく、化学薬品などによる食品汚染に関するリスクに関する規範です。
交差汚染
交差汚染とは、加工済みの製品が原材料など、汚染された状態の食品と交わってしまい、加工済みの製品が汚染されることです。これに関して定められた規範です。
隔離と交差汚染
交差汚染を引き起こさないために汚染物や加工前の食品と製品を隔離する必要がありますが、これに関する規範です。
在庫の管理
在庫の管理方法に関する規範です。
整理整頓、清掃、衛生
一般的に5S活動と呼ばれるようなものに関するものです。
水や氷の管理
水や氷の管理方法に関するものです。
廃棄物の管理
廃棄物をどのように管理するのかということを定めたものです。
有害生物防除
鼠や害虫などの生物から製品を守るためのものです。
輸送
輸送に関するものです。
従業員等の衛生及び健康管理
従業員の健康や衛生状態を管理するためのものです。
教育・訓練
従業員やその他敷地内に出入りする人々の教育や訓練に関するものです。
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