FAQISO22716に関するよくある質問

  • ISO22716は簡単にいうと何ですか?

    ISO22716とは化粧品の品質・安全性に関する国際規格

    ISOプロ編集部

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  • ISO22716は化粧品GMPとは違うの?

    ISO22716と化粧品GMPは、実質的にはほぼ同一のものを指しています。化粧品GMPは日本化粧品工業連合会が定める業界の自主基準であり、ISO22716はその自主基準の根拠となる国際規格のことを指します。

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化粧品業界には、薬機法などのさまざまな法令を遵守しつつ、品質を向上させていくことが必要です。そうした法令への対応を行いながら、品質や安全性を向上させるガイドラインとして化粧品GMPが業界のスタンダードになっています。そして、その認証規格としてISO 22716があります。

これらの仕組みを活用していくことで、自社製品の品質向上のほかに、リコールやクレームの予防、取引先や消費者へのアピール強化といったメリットを受けられる可能性があるのです。

そこで、この記事では、ISO22716基本的な概要から化粧品GMPとの関係性、要求事項、取得メリット、認証取得の流れまでを幅広く解説します。

ISO22716とは?

ISO22716とは、化粧品の製造における品質管理・安全性を確保するための国際規格です。
製造業者・製造販売業者にとどまらず、原材料の調達・検品から製造、包装、出荷に至るまでのサプライチェーン全体を対象とした管理基準となっています。

2007年にISO(国際標準化機構)が発行し、翌2008年には日本化粧品工業連合会(粧工連)が「適正製造規範(化粧品GMP)」の自主基準として採用。現在は国内化粧品業界のスタンダードとして広く浸透しています。

ISO22716の目的

ISO22716の目的は、製品管理の過程における不具合を防ぎ、製品回収を防止することにあります。

化粧品の市場は常に進化し続けており、毎年多くの商品が誕生しています。しかし、その一方で化粧品・医薬部外品は、毎年何らかの製造不良による市場回収が発生している状況です。

製品の回収が1件でも発生すると、市場における信頼性が損なわれるだけでなく、費用が発生します。その結果、企業やブランドの競争力が低下してしまう可能性があるため、回収を発生させないことが重要なのです。

ISO22716の対象範囲

ISO22716の対象範囲は以下のとおりです。

【対象となる主な製品】

区分製品例
対象化粧品、医薬部外品(新指定・新範囲を除く)、口中清涼剤、殺虫剤(忌避剤を除く)、殺鼠剤、衛生用綿類
対象外医薬品、新指定・新範囲医薬部外品

【プロセスにおける適用範囲

区分内容
対象化粧品の生産・管理・保管・出荷に関する業務
対象外研究開発、最終製品の営業・物流、従業員の労働安全、環境保全
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ISO22716が注目される背景

ISO22716が近年注目を集めている背景には、化粧品業界のグローバル化の加速と、品質・安全性への意識の高まりがあります。
日本を含む多くの国や地域で、ISO22716の内容が国内基準や法規制に反映されており、もはや一部の企業だけが意識する規格ではなくなっています。

日本を含め、世界各国のISO22716への対応を以下にまとめました。

世界のISO22716の対応状況


日本を含め、世界各国のISO22716への対応をご紹介します。

日本ISO22716を、日本化粧品工業連合会が「適正製造規範(化粧品GMP)」の自主基準に採用
EUISO22716をCEN(EU規格)として採用
アメリカISO22716の内容に考慮して、FDAガイダンス(化粧品GMP)を改訂
ASEANASEAN Cosmetic GMPとISO22716が同等であると認定
韓国大韓化粧品協会は、CGMP(優秀化粧品製造および品質管理基準)を改定し、ISO22716基準との単一化を目標としている
中国ISO22716は考慮されておらず、独自の規範がある

では、なぜここまでISO22716が注目されるようになったのでしょうか。主な背景を3つの観点から解説します。

海外輸出で求められるケースが増えているため

ISO22716が注目される最大の理由が、海外輸出の場面でISO22716への適合証明を求められるケースが増えていることです。

特にEUやASEAN諸国への化粧品輸出においては、GMP基準への適合が実質的な要件となってきています。

日本の化粧品ブランドへの海外需要が高まる中、ISO22716の取得は「輸出できる企業」であることを証明する重要な条件になりつつあります。

取引先から要求されるケースがあるため

国内においても、大手化粧品メーカーや製造販売業者からOEM・ODMメーカーに対して、ISO22716(化粧品GMP)への適合を取引条件として求めるケースが増えています。

取引先から「GMP認証を取得していることが前提」と求められた場合、認証がなければ商談の機会そのものを失いかねません。サプライチェーン全体の品質水準を一定以上に保つという観点から、今後こうした要求はさらに広がっていくことが予想されます。

自社の取引機会を守るうえでも、ISO22716の取得は有効な手段といえます。

消費者の安全意識が高まっているため

近年、化粧品の成分や製造環境に対する消費者の関心は急速に高まっています。
SNSの普及により製品の品質問題が瞬時に拡散される時代となり、一度でも品質トラブルが発生すれば、ブランドへの信頼回復は容易ではありません。

こうした背景から、「どのような環境・基準のもとで製造されているか」を消費者に対して客観的に示す手段として、ISO22716の認証取得が有効です。第三者機関による認証という形で品質管理の実態を証明できるため、消費者との信頼関係の構築にもつながります。

GMPとは?

GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)とは、製造工程に関わるすべての要素(従業員・設備・機器・原材料・製品)の取り扱いや実施方法を標準化した「ルールブック」のことです。作業者や作業するタイミングが変わっても、常に一定水準の品質を維持できる製造体制を構築することを目的としています。

GMPは化粧品に限らず、医薬品・食品・医療機器など幅広い業界で適用されています。そのうち化粧品の製造・品質管理に特化したものが「化粧品GMP」です。

化粧品GMPの詳細については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:化粧品GMPとは何か?概要や取得メリットを解説!

ISO22716と化粧品GMPの関係

ISO22716と化粧品GMPは、実質的にはほぼ同一のものを指しています。化粧品GMPは日本化粧品工業連合会が定める業界の自主基準であり、ISO22716はその自主基準の根拠となる国際規格です。
つまり、「化粧品GMPに準拠している=ISO22716の基準を満たしている」と理解しても構いません。

ISO22716を取得することで、化粧品GMPへの適合を第三者機関によって客観的に証明できるという点が、最大のポイントです。
なお、ISO22716は認定機関に認められた認証機関はなく、認証機関が自主的な審査を行うプライベート認証となっており、日本では一般社団法人日本能率協会審査登録センター(JMAQA)などが認証を実施しています。

医薬品GMPとの違い

化粧品GMPと混同されやすいのが「医薬品GMP」です。どちらも「製造品質の確保」を目的とする点は共通していますが、法的拘束力や管理の厳格さに大きな違いがあります。

比較項目化粧品GMP(ISO22716)医薬品GMP
法的位置づけ業界の自主基準薬機法に基づく省令(法的義務)
遵守しない場合取引・輸出上の不利益が生じる可能性製造許可・品目承認が得られない
管理の厳格さ化粧品製造に特化した基準極めて厳格なバリデーション・文書管理が必要
対象製品化粧品・医薬部外品など医薬品(化粧品・医薬部外品は含まない)
ベースとなっている基準ISO9001をベースに化粧品向けに特化薬事法・GMP省令

化粧品GMPは自主基準であるため、現時点では取得が法律で義務付けられているわけではありません。しかし、海外輸出や取引先からの要求を踏まえると、事実上の必須要件となりつつあります。
一方、医薬品GMPは法的義務であり、これを満たさなければ製造そのものができないため、その厳格さは化粧品GMPとは大きく異なります。

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ISO22716の要求事項一覧

ISO22716では、化粧品の製造品質を維持するための要求事項が定められています。
全17章で構成されており、製造に関わる人・モノ・環境・仕組みを幅広くカバーしています。

17の要求事項の概要を以下にまとめました。

要求事項概要
1適用範囲規格が適用される製品・プロセスの範囲を定義
2用語及び定義規格内で使用される用語の統一的な定義
3従業員製造に携わる人員の役割・責任・教育訓練
4構造設備製造施設の設計・建設・配置・維持管理
5機器製造機器の設計・保守・校正
6原材料及び包装材料原材料・包装材料の購入・受入・保管・出庫
7生産製造作業の手順・管理措置
8最終製品完成品の出荷・保管・品質基準
9品質管理試験室試験方法・機器・試験記録の管理
10規格外品の処理基準を逸脱した製品の識別・隔離・処置
11廃棄物廃棄物の識別・分類・処理方法
12委託外部委託先の管理・品質要求事項
13逸脱手順や規格からの逸脱の記録・原因調査・是正
14苦情及び回収顧客苦情への対応・市場回収の手順
15変更管理製品・プロセス・設備の変更時の評価・承認手順
16内部監査自社のGMP適合状況を定期的に確認する仕組み
17文書化手順書・記録類の作成・管理・保管ルール

品質管理で求められる要求事項

品質管理に関連する要求事項は、製造した化粧品が一定水準の品質・安全性を満たしていることを確認・保証するための仕組みを定めています。

特に重要なのが第14章の苦情・回収対応です。市場に出た製品に問題が発覚した場合の対応手順をあらかじめ整備しておくことで、被害の拡大を最小限に抑えることができます。

製造環境・設備管理で求められる要求事項

製造環境・設備管理に関連する要求事項は、安全で衛生的な製造環境を維持するための基準を定めています。

製造施設の設計や動線、機器の定期メンテナンス・校正、外部委託先への品質要求など、製品品質を左右する物理的な環境面の管理水準が問われます。「GMPハード」と呼ばれる領域であり、認証取得にあたって設備投資が必要になるケースもあります。

教育訓練・文書管理で求められる要求事項

教育訓練・文書管理に関連する要求事項は、組織的なGMP運用を支える「人と記録」の管理基準を定めています。

「GMPソフト」と呼ばれるこの領域は、整備した設備・手順が実際に機能しているかを継続的に確認・改善するためのPDCAサイクルを支えています。特に第17章の文書化は、要求事項を運用している証拠となるため、認証審査においても重点的に確認される項目です。

ISO22716取得のメリット


それでは、ISO22716を取得するメリットを紹介します。

取引先や消費者に自社の競争力をアピールできる

化粧品市場はグローバル化が進み、コロナ禍以降、市場規模は回復傾向にあります。そのため、非常に多くの新商品が出回っている中で、他社商品との差別化に悩んでいる化粧品会社も多いでしょう。
ISO22716を取得し、取引先や消費者にアピールすることで、自社商品の強みとして競争力を示せるのです。

また、多くの国や地域においてISO22716の内容が考慮されていることが多いため、海外進出の際にも、自社商品の品質をアピールできます。

法令遵守が期待できる

化粧品業界にかかわる法令には、以下のようなものがあります。

  • 薬機法
  • 消防法(危険物)
  • 化粧品の表示に関する公正競争規約
  • 製造物責任法

こうした法令一つひとつに適合するようにしていると、法令対応を都度確認する必要があります。しかし、ISO22716を取得している場合には、規格の中でこうしたコンプライアンスへの対応が求められます。そのため、法定点検があった際にも、規格に適合する体制を整えることで、法令においてもスムーズに適合できるでしょう。

製品の製造における業務効率化

品質管理のマネジメントシステムを構築・運用する過程で、現状の業務プロセスや工程を見直す必要があります。
合理的な管理体制を築くうえで、無駄な業務が見つかった場合には是正することが求められるため、業務効率化につながるのです。

リコール・クレームの減少や予防

品質管理における方針やマニュアル・ルール、手順が明確になることで、製造における業務の標準化が進みます。属人的な場合には、従業員の経験やノウハウに左右されやすくなり、品質にムラが出やすい一方、標準化されることで、製品不良は低減するでしょう。

そのため、ISO22716を取得することで、リコール・クレームの減少や予防につながるのです。

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ISO22716認証取得の流れ

ISO22716の認証取得は、以下の流れで進める方法が一般的です。

  1. 現状分析・規格の理解
  2. マネジメントシステムの構築
  3. マネジメントシステムの運用
  4. 認証審査

ISO22716の認証取得は、計画的に進めることが重要です。一般的に取得完了までには1年〜1年半程度と長期にわたるため、スケジュールを逆算しながら各ステップを着実に進めていくことが求められます。

ここでは、全体の流れは大きく4つのステップに分けて解説します。

1.現状分析・規格の理解

認証取得に向けた最初のステップは、自社の現状を正確に把握し、ISO22716の要求事項との差異(ギャップ)を明確にすることです。
まず取得の目的や適用範囲(対象製品・製造拠点など)を社内で決定し、推進責任者と事務局を設置します。
次に、ISO22716の17の要求事項について社内研修などを通じて規格の内容を正しく理解したうえで、現状の製造管理体制との乖離を洗い出す「ギャップ分析」を実施します。

ギャップ分析はその後の文書整備の土台となる重要な工程であるため、はじめて取り組む場合にはコンサルタントを活用してギャップ分析の精度を高めるのも有効な手段です。

2.マネジメントシステムの構築

ギャップ分析の結果をもとに、ISO22716の要求事項を満たすためのマネジメントシステムを構築します。具体的には、以下の整備が必要です。

  • 品質方針・責任・権限の明確化
  • 製造手順書・品質管理手順書・衛生管理手順書などのマニュアル類の作成
  • 構造設備・機器の整備(GMPハードの対応)
  • 製造部門と品質部門の分離など、組織体制の見直し(GMPソフトの対応)

特に文書整備は審査においても重点的に確認される項目です。実際の現場運用に即した内容となるよう、各部門と連携しながら手順書を作成することが重要です。

3.マネジメントシステムの運用

構築したマネジメントシステムを実際の業務で運用し、その有効性を確認するステップです。運用にあたっては以下を実施します。

  • 従業員への教育訓練の実施
  • 構築したルール・手順に基づいた製造業務の遂行と記録の作成
  • 内部監査員によるGMP適合状況の内部監査
  • 不適合が発見された場合の是正処置の実施

認証審査の予定日から逆算して一定期間(目安として3か月以上)運用実績を積み、記録として証拠を残しておくことが求められます。

4.認証審査

運用実績が整ったら、認証機関による審査を受けます。
ISO22716はプライベート認証のため、国内ではJMAQA(日本能率協会審査登録センター)などの認証機関が審査を実施しています。

審査で指摘を受けた場合でも、適切な是正処置を行うことで認証を取得できる可能性があります。認証取得後は定期的なフォローアップ審査を通じて、継続的な運用改善が求められます。

まとめ

ISO22716とは、化粧品の製造における品質や安全性を維持するための規格です。品質管理を徹底するため、製造メーカーだけでなく製造から出荷まで、幅広いサプライチェーンが対象となります。
ISO22716を取得することで、国際的な基準を満たすことにつながることから、市場への競争力をアピール可能です。特に、海外進出を検討している企業には、大きな強みとなるでしょう。また、一度問題になると信用が失墜してしまうリコールやクレームの予防も期待できます。

自社の優位性を高めるために、ISO22716の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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