ISO 認証を取得する際に最も気になるポイントの1つは『費用はいくら掛かるのか』ではないでしょうか。認証取得に必要な費用は大きく『人件費』、『審査費用』、『コンサルタント費用』の3つに分類することができます。
各費用の目安として、『人件費』が年間約100万円~500万円、『審査費用』が約40万円~100万円、『コンサルタント費用』が約60万円程度となります。この費用の幅はISOを自社のリソースだけで取得するのか、コンサルタントを活用するのかでも変わりますし、従業員数や取得する 規格 でも異なるものです。

今回はISO認証取得に必要な3つの費用を徹底的に解説します。これからISO認証取得をする場合、どのくらいの金額がどこで発生するのかチェックしていきましょう。

ISO取得に必要な3つの費用

ISO認証取得の費用イメージ

ISO認証取得に必要な費用は主に「人件費」「審査費用」「コンサルタント費用」の3種類です。
最初の選択で重要になるのが、 “マネジメントシステムをどのように構築するのか”です。自社だけでマネジメントシステムを構築し審査を受ける『自社取得』は、担当者がISOを勉強しながらマネジメントシステムの構築を行います。そのためISOコンサルタントに依頼するよりも時間がかかり人件費が膨大になることも少なくありません。
マネジメントシステムの構築を専門家に依頼する「コンサルタント活用」を選んだ場合、担当者のISO業務の時間を減らすことができ、かつマネジメントシステムの構築を短期間で作ることができます。

ではこれから3つの費用について具体的にどのような費用がかかるかを解説していきます。

人件費

兼任で大変な人

ISOを取得するための費用の中で多くの割合を占めるのが『人件費』です。企業や組織がISO認証を取得する場合、自社内にISO事務局を立ち上げISO担当者を任命します。
『自社取得』の場合は、ISO担当者の人数が増え人件費がかさんでしまう場合もあります。約14ヶ月でISO認証を取得する場合の人件費は約400万円がひとつ目安(※担当者1名の場合)となります。人件費はコストの見える化がしにくいため、結果的に想定以上の人件費が発生することもあるため注意が必要です。
『コンサルタント活用』を選んだ場合にはコンサルタント費用が別途発生しますが、自社の人件費を約100万円程度に抑えることも可能です。トータルコストで考えると全体的にコンサルタント活用の方がお得といえます。またコストの見える化ができる点も経営層・管理層の方には嬉しい点ではないでしょうか。

審査費用

審査費用の種類
審査費用にも「取得審査」「定期審査」「更新審査」の3種類があります。
ISOを取得するには構築したマネジメントシステムがISOに適合しているか、ISO審査機関による審査を受けなければなりません。この初回の取得時に受けるのが「取得審査」です。
また審査は1回だけでなく、ISO取得後も定期的に受ける必要があります。ISO認証を継続するのに必要な審査が「定期審査」と「更新審査」の2種類です。

ISO認証は“取得”したからと言って終わりではありません。認証を維持するためにも費用がかかることを把握しておきましょう。では、各審査費用を解説していきます。

取得審査

取得審査はISO認証取得のため審査機関に審査をしてもらう際にかかる費用です。3種類ある審査費用の中で最も大きい費用が発生する審査であり、『ISOの登録料』、『第一段階審査料』、『第二段階審査料』などのISO認証取得に必要な費用が含まれます。審査機関にもよりますが約30万から100万円ほどの費用が掛かります。。
審査機関の場所や審査対象の企業、工場の場所によって「審査員の交通費と宿泊費」も発生する場合があるので注意が必要です。

関連記事:STEP3:ISOに掛かる費用を知る

定期審査

定期審査とはサーベイランス審査、維持審査とも呼ばれているISO認証を継続するための審査です。ISO認証を取得してから1年目、2年目に行われます。費用の目安としては取得審査の2/3ほどの金額であり、取得したISOが有効に運用できているのかが見られます。

関連記事:ISOにおけるサーベイランス審査(定期審査)とは

更新審査

ISO認証の登録証には3年という有効期限が設定されていて、1、2年目の定期審査の次に受ける審査が3年目の更新審査となります。更新審査では構築をしたISOが有効に機能しているのかをチェックし、この3年間で発生したさまざまな改善点などがも審査されます。しっかりとPDCAサイクルが回せているのかを見られ、問題がなければ有効期限が3年間延長されるという仕組みになっています。

関連記事:ISO更新審査と維持審査の違い!更新審査の流れを簡単に解説

コンサルタント費用

ISO認証取得のもう一つの手段である『コンサルタント活用』。ISOの専門家であるコンサルタントに依頼をすることでスムーズなISO認証取得が可能となります。
コンサルタントのタイプやサポート内容で金額は異なり、支払いのタイプも月額料金制や一括支払いなどのパターンがあります。

コンサルタント費用の種類

料金形態
ISOコンサルタントの費用は主に下記の2パターンがあります。

・月額料金制:毎月一定の金額を支払ってISO取得サポートを受ける料金体制です。ISO認証取得後も継続してサポートを行います。費用の目安としては12ヶ月で60万円ぐらいです

・一括払い制:ISO認証取得までこの金額でサポートをしますという料金体制です。取得後のサポートなどはオプション形式で追加することになります。費用の目安としては45万円から150万円前後です。

ISOコンサルタント業者によって極端に安く請け負っている企業、逆に高い料金で請け負っている企業などがあります。しっかり見極めてコンサルタントを選ぶことが重要です。

関連記事:ISOコンサルタントのタイプと5つの選定ポイントを把握しよう

費用を決定する要因

費用を決定する要因
ISOコンサルタントの費用を決める要因は「適用範囲 」、「該当規格」、「業務内容」、「実施内容」などISOコンサルタントが行うサポート内容の範囲はもちろん、取得する規格等によって決められます。
ISOコンサルタントが行う業務内容は、文書作成業務や内部監査マネジメントレビュー、審査の立ち会いなど自社取得の際にISO担当者が行う業務のサポートです。また「この部分はこうした方が良い」などの指摘を貰える場合があります。
もちろん数多くのISOコンサルタントがいるので、サポートの質や金額の差異なども存在します。料金とサポート内容などはしっかり見極めておきたいところです。

サポート手法にも違いがあります。ISOコンサルタントがISO事務局の一員としてISO業務の殆どを行ってくれる『事務局型サポート(フルサポート)』やISOコンサルタントが予め用意したテンプレートに沿って進行を進める『事務局型サポート(テンプレート)』、自社のISO担当者が自分たちでISO認証取得ができるように指導する『指導型サポート』などがあります。
サポート手法によって費用も異なり、『事務局型サポート(テンプレート)』であれば、テンプレートに沿ってISO構築を行うのでコンサルタントの工数が少ないので比較的に安いのですが、『事務局型サポート(フルサポート)』であれば、コンサルタントが自社に合わせたISO構築を行ってくれるので、テンプレート型と比べると割高になります。

ISOコンサルタントを活用するメリット

ISOコンサルタントを活用するメリットは、自社リソースを抑えながら早く取得できる点です。自社取得のISO担当者の人件費と比較するとISOコンサルタントに頼った方が“安く”抑えられるケースが多いです。
自社取得の場合はどうしても社内工数(人件費)が多くかかります。またISO担当者は通常業務とISO業務を兼務することが多く、ISO認証取得までにかかる時間もISOコンサルタントへ依頼した場合よりも長くなるため、単純に取得時期が遅くなる傾向にあります。
社内工数(人件費)とコンサル費用を天秤にかけて、自社の状況に合わせて『自社取得』もしくは『コンサルタント活用』のどちらかを選択しましょう。

関連ページ:ISOプロのサービス内容・実施内容を参考にする

ISO取得にかかる費用の相場

審査機関の費用の相場

金額表(規模・規格)

※ISOプロ調べ(審査見積もりした際の相場感で、事業規模や人数で金額が変わる場合があります)

構築したマネジメントシステムを審査するISO審査機関の取得審査では、審査を行うISO審査機関による工数単価の違いだけではなく、企業や組織の規模、審査範囲、従業員の人数、業種、審査を受ける規格によって金額はバラバラです。例えば約30人の企業であれば、約40万円前後、50名であれば約60万円~約80万円前後、100名であれば約70万円から約120万円前後が相場になっています。
ISO認証取得する際のご参考にしてください。

ISOコンサルタントの費用の相場

ISO料金相場
ISOコンサルタント業者の料金は業種や事業規模、認証取得を目指す規格など、どの範囲をISOコンサルタント会社に業務委託するのかで大きく変動します。ISO9001ISO27001 、ISO14001といったメジャー規格の取得費用の相場はだいたい年間で100万円程度です。

※年間100万円は従業員数が30~50名程度の場合のコンサル料金の相場です。

コンサルタント活用で効率の良いISO取得がオススメ

自社取得を選んだ時に生じる「見えない損失」とは

ISOコンサルタントの活用がなぜISO取得の効率を上げるのかを解説していきます。『自社取得』を行った場合、ISO事務局に選ばれた担当者は本来行うべき業務とISOの業務を兼務することが多い傾向にあります。ISO担当者が従来通り営業活動のみ行っていれば生まれていたであろう売上や利益を、ISO業務と兼務することで失う恐れがあるのです。

ISO担当者に選ばれる人の多くは人件費の高い主要人材であることが多く、人件費と売上・利益のつり合いが取れなくなります。またISOの勉強をしながらマネジメントシステムの構築を行うため、ISO認証取得までに長い期間を要するため、損失は大きくなる一方です。これが「見えない損失」です。

コンサルタント活用で「安く、早く、確実」に取得しよう

「コンサルタント活用」を行うことで、「安く、早く、確実」なISO認証を行うことが出来ます。
ISOの専門家がISO認証取得の作業をサポートしてくれるので、ISO担当者は本来の業務に集中できるというメリットが生まれ、「見えない損失」を最小限に抑えることができます。コストを見える化した上で、人件費を抑え、的確なスケジューリングができ、ISOを取得できるため事業計画も立てやすくなります。

まとめ

今回は、ISO認証取得に必要な3つの費用『人件費』、『審査費用』、『コンサルタント費用』について解説しました。これからISO認証取得を行う企業様はどれくらいの費用が必要なのかイメージが掴めましたでしょうか。
特に『人件費』はISO認証取得を行う上で金額の振り幅が大きいため注意したいポイントです。自社取得で複数人の担当者がISO業務を行った場合のトータルコストのことを考えると、ISOコンサルタントを活用したほうがコストを安く済む可能性が高い点は抑えておきましょう。
ISOコンサルタントのサポートを利用する場合もISOコンサルタント業者の選び方によって金額が左右されます。ISOコンサルタントが提示しているサポート内容や料金プランなどもしっかり精査しましょう。