• 更新審査とは、ISO認証取得から3年毎に行われるマネジメンシステムの運用を全てチェックすること
  • 更新審査以外に部分的にチェックする定期審査が1年目、2年目に行われ、登録証の有効期限3年間を1サイクルとしている
  • 定期審査、更新審査の登録審査を行うISO審査機関は1サイクルの途中でも変更できる

ISOマネジメントシステム認証 は、一度取得したからといってそれで終わりではありません。マネジメントシステムが継続的に適合しているのか、有効に機能しているのかということを定期的にチェックされます。

そこで、この記事ではISO9001やISO14001などのISO認証を継続する方法について詳しく解説します。

ISOを継続する方法

ISO規格 では「継続的改善」を掲げており、PDCAサイクルを回すことが求められています。そのため、認証取得後も第三者機関が「取得後も要求事項 に適合しているか」「マネジメントシステムが有効か」といった点を確認するために、毎年、審査を受けなければなりません。この審査を維持審査といいます。

また有効期限は取得してから3年間と定められています。そのため、ISOを継続するには更新審査を受けなければならないのです。

そこで、ここからは「維持審査」と「更新審査」の概要や確認されるポイントを解説します。

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維持審査とは

この維持審査はサーベイランス審査、定期審査とも呼ばれるもので、1年に1回~2回程度の頻度で行われる審査です。

「維持審査を1年に1回行うのであれば、更新審査は不要ではないか?」と思われた方もいるかもしれませんが、維持審査ではマネジメントシステム運用に関するキーとなる部分の審査が主に行われます。

そのため、登録審査時のようにマネジメントシステムに関する全ての項目をチェックするわけではなく、部分的な審査となるのです。おおよそですが、全体の50%~60%程度の内容が確認されます。

維持審査で見られるポイント

ここでは、維持審査で見られるポイントを解説します。

維持審査の流れ

以下に、維持審査の流れをまとめました。なお、1年目と2年目で実施する内容は変わりません。

  1. オープニングミーティング
  2. トップインタビュー
  3. 各責任者へのヒアリング
  4. 現場の視察
  5. 部署ごとのヒアリング
  6. 維持審査の総括
  7. クロージングミーティング

維持審査で確認されるポイント

以下に、維持審査で確認されるポイントをまとめました。

  1. 目的や目標の達成状況
  2. 苦情の発生状況や内容とその対応の確認
  3. 前回審査での不適合・改善点における対応の確認
  4. ISOの登録証やロゴマークなどの使用状況の確認
  5. 環境法規制の順守の状況
  6. 緊急事態の発生時もしくはテストの結果
  7. 内部監査の結果とその対応の確認

他にも、審査対象によって確認される内容は異なります。不安があればコンサルに確認することがおすすめです。

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更新審査とは

更新審査とは、ISO9001などのマネジメントシステム認証を登録してから3年ごとに行われる審査のことです。3年間経過してもマネジメントシステムが有効に機能しているか、また規格に適合した状態を維持できているかということがチェックされます。

登録審査時には、3ヶ月程度マネジメントシステムが運用されている状態でチェックされますが、3年も経過すればさまざまな改善点が顕在化します。こういった改善点と向き合い、しっかりとPDCAサイクルを回してきたかということも更新審査ではチェックされます。

更新審査で見られるポイント

更新審査では、登録審査時と同じようにマネジメントシステムの適用範囲全体が審査されます。また、PDCAサイクルを回しているかという点も審査されるため、登録審査時よりも確認事項は多いかもしれません。

更新審査の流れ

以下に、更新審査の流れをまとめました。

  1. オープニングミーティング
  2. トップインタビュー
  3. 各責任者へのヒアリング
  4. 現場の視察
  5. 部署ごとのヒアリング
  6. 維持審査の総括
  7. クロージングミーティング

更新審査で確認されるポイント

以下に、更新審査で確認されるポイントをまとめました。

  1. 目的や目標の達成状況
  2. 前回の指摘事項を改善状況の確認
  3. 自社の定めたルールの運用状況の確認
  4. 定期的な内部監査マネジメントレビューの実施状況の確認
  5. 継続的改善を狙いとする計画的活動の進捗状況および継続的な運用管理の確認
  6. ISOの登録証やロゴマークなどの使用状況の確認
  7. 環境法規制の順守の状況
  8. 緊急事態の発生時もしくはテストの結果
  9. 内部監査の結果とその対応の確認

こうした確認に使用する運用記録についても、3年分準備することが必要です。
また更新審査では、登録審査時と同じように文書から適用範囲全体でマネジメントシステムが規格に適合し、有効に機能しているかどうかということがチェックされます。

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更新審査のときに審査機関は変更できる?

ISOのマネジメントシステムの認証を取得する際には、審査機関に登録審査を行ってもらう必要がありますが、維持審査や更新審査では審査機関を変更できます。

実はISOの審査機関には得意な分野と苦手な分野があり、また審査機関によってどの程度厳密にマネジメントシステムの審査を行うのか、外部コンサルタントの立ち会いが許されるのかということが異なります。

マネジメントシステム認証を取得する企業の中には、「前回の審査はなんとかなったけど、トンチンカンなことを言われてしまった」と不満を持つ企業も少なくはありません。更新審査時は、審査機関を見直す良いタイミングと考えても良いかもしれません。

ISO審査に必要な運用記録一覧

ここでは、ISO審査に必要な運用記録一覧を解説します。

ISOの審査では、「前回の審査からのマネジメントシステムの運用状況」を確認できる運用記録を事前に準備することが必要です。その際、現場で使用している記録すべてを準備できなくても問題ありません。

まずは、以下の運用記録を用意しましょう。

  • 目的目標の管理記録
  • 教育の記録
  • 内部監査の結果と対応における記録
  • マネジメントレビューの結果と対応における記録
  • 上記以外で適宜必要なもの
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まとめ

今回は、ISOを更新する方法として、維持審査・更新審査について解説しました。
ISOのマネジメントシステム認証を取得する際には、取得することに必死で、取得後のことは考えられないかもしれません。

そのため、取得後も審査があることを念頭に置いておくと、落ち着いて審査の準備ができるでしょう。また、維持審査や更新審査があることも考慮し、マネジメントシステムの構築初期段階からスリムな運用を心がけましょう。

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