ISO成功のカギ「部門認証」でコンパクトに取得!公共事業参入に向けて

クライアントプロフィール

豊ハイテック株式会社
システム事業部ITソリューション部 部長 佐野佳範 様システム事業部ITソリューション部ITソリューション室第2グループ GM 庄井洋介 様
課題
事業拡大に伴い、公共事業へ参入するためにISOの取得が必要になった。
業種
製造業
規模
301~400名以下
規格
ISO9001,ISO27001

今回お話を伺ったのは、機械設計や制御、ITシステムやデジタル化支援など幅広い分野にわたり事業展開している、豊ハイテック株式会社様です。トヨタ・ジェイテクトグループの一員として、工作機械事業やプレス金型事業など、自動車産業に関係の深い事業を中心に展開されています。この記事では、豊ハイテック株式会社様がISO9001、27001認証(以下、ISO)の取得を目指したきっかけや、ISOプロをお選びいただいた理由、ISO取得後の変化などをご紹介します。

取得前課題
事業拡大に伴い、公共事業へ参入するためにISOの取得が必要になった。
取得後
取得に伴い、入札できる公共事業の幅が広がった。また、もともと高かった社員間のセキュリティ意識も、取得をきっかけにさらに高まった。

事業拡大に向け、公共事業参入に役立つISOを取得

--まず豊ハイテック様について、会社概要や具体的な事業内容などをお聞かせください。

庄井様:
弊社は工作機械事業部・システム事業部という3部署に分かれておりまして、我々の所属するシステム事業部が、ISO取得を担当しました。従業員は全体で380人ほどが所属しております。事業規模・売上としましては、全体で40億弱となっております。

--続いて、貴社の強みや、大事にしていることを教えてください。

庄井様:
弊社が大事にしていることは、お客様との信頼関係をしっかりと築くことです。弊社には営業部署がなく、社員一人ひとりが営業マンとして、先方にお仕事を受注しに行くからです。ですので、それぞれの社員がしっかりと信頼と仕事を得ており、そこが弊社の強みでもあります。

--そんな貴社がISO9001とISO27001を導入したきっかけは、なんだったのでしょうか?

庄井様:
公共事業に参入していくためです。弊社は営業職がいないため、新規開拓がなかなか進まないという問題がありました。解決方法を模索した結果、これまで多数携わってきた公共事業のシステム開発経験を生かそうと、公共事業への参入を考えました。そして、公共事業はISO 9001と27001の取得を条件としているものが半数以上であることを知り、ISOの取得を決めたのです。

--全社ではなく、部門を絞ってISOを取得した理由は何ですか?

庄井様:
まずは公共事業にかかわっている部門のみで、ミニマムスタートをしようと判断したからです。弊社は4拠点に分かれていまして、全社で取得しようとすると、約380名の社員全員がISOの知識を身につけなければならず、4拠点間での連携も必要となります。そうした課題を受けて、まずは関係部門のみの取得から着手しました。

--「工数を最小限に抑える」ことは、ISO取得を成功させる秘訣のひとつです。貴社のようにISOと一番関係の深い部署から取得し、毎年の審査で範囲を拡大していくという方法も効率的ですね。

Pマークも取得済。ISOも認証範囲の拡大を視野に

--各種ISOのほかにPマークも取得されているということで、その経緯も教えていただけますか?

佐野様:
Pマークは、主要顧客のセキュリティ監査をスムーズにクリアするため、私の方から経営陣に申し入れて、取得へと踏み切りました。当時は、IT技術の進歩に伴い、情報漏洩やハッキングといったリスクが可視化されてきた時代でした。Pマークは個人情報の取り扱いに関する制度ですが、法人単位で取得し全社に影響が及ぶものですので、ハード面のIT化とあわせて進めていたんです。

--おっしゃる通り、PマークはISOと違い、部門認証ができない規格です。規模の大きい御社にとって、苦労した点はありますか?

佐野様:
さまざまな部門への説明、特に機械設計部門の役員を説得する際に苦戦しました。「図面のデータが流出したところで、誰も読めないだろう」という主張に対し、「流出してしまうこと自体が問題なのだ」という点を納得いただいたり、「USBメモリーを不要に抜き差しするのはリスクが高い」といった細かい点まで気を付けていただいたり。取得計画が通ってからは割とスムーズでしたが、セキュリティ意識を広く浸透させることが一番大変でしたね。

--今回ISO27001を取得されたことにより、社員様のセキュリティに対する意識に変化はありましたか?

庄井様:
例えば、これまでキャビネットで保管している情報資産は自由に出し入れしていましたが、ISO取得後は、台帳記入をしてから情報資産を扱うようになりました。品質に関しても、弊社で使用しているマネジメントシステムの運用手順をしっかり意識しながら、事業を進めていけるようになりましたね。

佐野様:
今後は機械設計の部署にも認証取得を促しつつ、セキュリティ意識の向上をより促していければと思っています。役員会でも、「今後一丸となってISO取得に取り組んでいこう」と呼び掛けているところです。

コンサルを通じて得た気付き。満を持して入札へ

--そのほか、弊社のサポートを受けてみた感想を教えてください。

庄井様:
認証内容としては普段から気を付けていた点も多かったのですが、そのうえでISOプロさんには「ここも気を付けるべきだったのか」と気付きを頂き、とても勉強になりました。既存の帳票・文書の量を増やさないようにサポートいただけたのも、よかった点のひとつです。

--ISO取得の目的であった「公共事業への参入」が可能になったとのことですが、実際に入札はされましたか?

庄井様:
準備は進めておりますが、実際の入札はこれからです。業務の集中する年度末を乗り切り、2022年度から本格的に参入したいと考えています。

--今後の展望や想い、4規格の活用の見通しについて教えてください。

庄井様:
ISO9001と27001につきましては、現在東京本社の関係部署のみ認証を受けております。今後は名古屋や大阪・刈谷にもあるソフトウェア事業部にも、部分認証の範囲を広げていきたいです。

佐野様:
ISO取得の目的である「公共事業への参入」を実現するため、繁忙期が落ち着くであろう来年度には、さっそく入札に参加していきたいですね。収益性を高めてそれを従業員に還元し、品質や環境への意識をさらに高めていきたいと思っております。

まとめ

公共事業への参入を実現するため、ISOの取得を行った豊ハイテック株式会社様。ISOを取得した結果、公共入札への道が開かれました。また、もともと高かった社員様のセキュリティ意識も、ISOを取り入れることでより向上しています。今後の事業拡大に、ISOは大きな役割を果たしてくれることでしょう。ISOプロでは、お客様に合わせた柔軟な対応を心がけております。ISO取得をご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。

会社情報

社名 豊ハイテック株式会社
設立 1960年4月
資本金 3800万円
所在地 東京都台東区柳橋1-11-11 浅草橋豊ハイテックビル
URL https://www.yutaka-ht.co.jp/

記事掲載日:2023年06月21日

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