「お客様のため」を突き詰めて。4規格を運用する給食コンサル会社

クライアントプロフィール

株式会社 菜友
金澤宏樹 様古川巖秋 様
課題
先にISO27001を取得していたが顧客が増え始めてきたため、弊社をより安心して利用していただくために、新たなるルール作りが必要になった
業種
コンサルタント業
規模
20名以下
規格
ISO9001,ISO14001,Pマーク

今回のISOプロが訊くは、三重県に本社がある『株式会社菜友』様にリモートインタビューでお話を伺いました。菜友様は学校給食関連のシステムの開発、販売、業務請負を行っている会社で、自治体様向けの学校給食関連サービスの提供や学校給食メディアを発信しています。
生徒様、保護者様などの個人情報を取り扱うということで、10年以上前からISO27001を取得し情報管理を徹底してきました。今回ISOプロを活用し、ISO27001のスリム化に加え、新たにPマーク、ISO9001、ISO14001の取得をされています。
菜友様が今回追加で3つの規格を取得した背景や想い、どのように活用しているかを詳しく伺いました。

取得前課題
先にISO27001を取得していたが顧客が増え始めてきたため、弊社をより安心して利用していただくために、新たなるルール作りが必要になった
取得後
肥大化していたISO27001のスリム化に加え、Pマーク、ISO9001、ISO14001を取得することでお客様が安心できる環境を整えた

学校給食のコンサルティングを行う菜友様

--まずは、菜友様がどのようなことを行っている企業なのか教えて下さい。

古川様:
弊社は学校給食に関するコンサルティング業務を行っております。主に学校給食関連の予約・集金管理システム、献立作成システムなどをご提案することで自治体様の学校給食のトータルサポートを行っています。
また、学校給食の栄養士向けの情報サイト「給食ひろば」を運営し、衛生管理アドバイザーとしてのサポート業務も行っております。

--ソフトウェア開発を行っていて、ISO27001やPマークなども取得されているので、最初はシステム会社様なのかと思っていました。

金澤様:
システム自体の制作はしていません。弊社で企画をして制作は外注したり、パートナー会社のサービスを利用したり、お客様にとって最適な製品を必要に応じて調達するようにしています。お客様のニーズが多岐にわたってくる中で、取り扱う製品が増えてきたこともあり、より良いものを提案するという考え方のもとで、販売する商品の品質に対しての第三者的な視点を加えたいと思いISO9001を取得しました。

--企業の沿革を拝見させていただきますと佐賀県や東京都などさまざまなエリアで展開しているようですが、全国で展開されているのでしょうか。

古川様:
はい、全国を対象に展開を行っております。現在は関東、中部、関西、九州にお客さまがいらっしゃいます。お客さまのほとんどが自治体(教育委員会)で、その他は食品メーカーになります。

4規格の取得はお客様のニーズに応えるために

--4つの規格を取得されていますが、各規格どのような理由で取得されたのかお伺いできますでしょうか。

金澤様:
弊社は学校給食のコンサルティング業務や業務請負を行っておりますので、生徒様や保護者様の大切な個人情報をお預かりしているという立場にございます。そのため、弊社内の情報を取り扱う意識の向上と意識作り、お客さまが弊社に個人情報を安心して預けられる仕組みづくりとして、10年以上前にISO27001の認証を取得しました。

--10年以上もISO27001を運用されてきたということですが、運用をする中で課題と感じたことはありましたでしょうか。

古川様:
ISO27001は過去に審査員の方に指摘をいただいた際に、ドキュメントなどが増えて、当社の業務では不要なものが出ている状態でした。ISOプロさんに要求事項や当社の業務に本当に必要なもの、そうでもないものを判断していただき、ドキュメントのスリム化をすることができたので非常に助かりました。

--情報セキュリティのマネジメントシステムであるISO27001を取得している中で、さらにPマークを取得されていますがどういった背景があったのでしょうか。

金澤様:
ISO27001を運用していく中で、お客様の増加に伴い請負業務の要望において多岐にわたる個人情報を取り扱う機会が増えてきました。そこでより安全な個人情報の取り扱いの体制を構築する必要性を感じ、個人情報に特化したPマークを取得することにしました。今まで以上にお客さまには安心して業務を任せていただきたいと思っています。

--個人情報の管理を徹底するためだったんですね。先ほど少し伺ったISO9001の認証取得のご理由ももう少し詳しく伺えますでしょうか。

金澤様:
ISO9001は弊社が提供しているシステムの品質向上を目的に取得しています。今まではパートナー会社と共同でサービスの提供を行うことで、品質の担保をしておりました。しかしお客様のニーズが多様化する中、他社の製品を販売する機会も増え始めてきました。より良いものをお客さまに提案するために品質を担保できるマネジメントシステムとしてISO9001の導入に踏み切ることにしました。

--ISO14001も取得されていますが、学校給食のコンサルティング業を行っている御社でどういった理由で取得されたのでしょうか。

金澤様:
実はISO14001に関しては、お客様から取得を求められたことがキッカケで今回新たに取得することになりました。以前は自然環境へ与える影響を深く考える機会がなかったのですが、昨今の情勢から見ても持続可能な社会の実現に向けて環境に対して寄与する責任があると感じております。
私たち学校給食のコンサルティング業に携わるものとして、社の方針で『汚染の予防に努め、事業を通じて学校給食の残食低減に貢献することで環境保護に寄与します』を掲げております。これを実現するために、学校給食関連のシステム提供はもちろん、学校給食の情報共有ができる場所として「給食ひろば」というコミュニティサイトを立ち上げたり、無料情報誌の「給食のミカタ」を発行したりして啓蒙活動を行っております。ISO14001の取得は良いキッカケになったと思っています。

マネジメントシステムの活用で食品業界の発展に貢献へ

--今回のISO認証取得で実感している効果などはありますでしょうか。

古川様:
今回のISO9001、ISO14001の取得で社内ルールをより整備しましたので、以前と比べてお客様により安心して利用していただく商品・サービスの提供ができるようになったと思います。従業員もお客さまに「どのようなに提供するのが良いか」というのをより意識するようになり、品質に対する責任感が増してきました。

--すでにISO27001を取得している中で、さらに個人情報に特化したPマークを取得されていますが取得前後で何か変化はありましたでしょうか。

古川様:
今までお客さまの個人情報の取り扱いはISO27001のルールのもとで行ってきました。Pマークを新たに取得してからはISO27001と異なる個人情報に特化したルールを設けたことで、従業員一同が個人情報の取扱に対する意識がより向上しました。

--最後に菜友様の将来の展望についてお聞かせください。

金澤様:
私たちの展望としまして、給食に携わる民間事業者向けのサービスの展開を行い、食に関わる事業を通じて、食品業界の発展に貢献していきたいと考えています。
弊社はISO27001とPマークを取得しておりますので、個人情報などを取り扱うアンケートなどもお客さまに安心して書いてもらいたいと思っています。そういったアンケートをサービスの品質向上に繋げていくサイクルを築ければと考えています。

--本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

まとめ

ISOプロが訊くでは、リモートインタビューは初めての取り組みで、4つの規格を取得している企業様も初めてでした。不慣れな中、快くご協力してくださいました。

今回インタビューさせていただき「対外的アピールのための取得」ではなく、「お客様のための取得」だと感じました。お客様の大切な情報をしっかり守りたい、安心してご利用いただきたいという想い。お客様へ提供するサービスの品質をしっかり整え、品質向上を目指したいという想い。菜友様は自社を取り巻く環境に合わせ、お客様のために変化し続けてきました。
「お客様のために」という目的が明確で、常に改善し続けようとする菜友様には改善のPDCAを回すISOのマネジメントシステム規格の考えと非常にマッチしています。だからこそ、ISOを手段として上手く活用し、事業の発展に繋げることができているのだと思います。
ISOの取得だけが目的では、菜友様のように上手く活用できず、業務にかかる負荷からISO返上に至るという話も珍しくありません。ISOの取得を検討されている方は菜友様の取り組み方は良い参考になるかもしれません。

会社情報

社名 株式会社 菜友
設立 2002年12月4日
資本金 800万円
所在地 三重県桑名市大字蓮花寺字惣作396番5(桑名オフィス)
URL https://www.saiyu-sls.jp

記事掲載日:2023年08月24日

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