EMS(環境マネジメントシステム)とは? 分かりやすく解説

監修残田康平
著者:ISOプロ担当者
投稿日:
更新日:2020年05月18日

EMSとも呼ばれる環境 マネジメントシステム とは、組織を取り巻く人やモノに対して、組織が与えている 環境影響 を明確化し、リスク及び機会に対応するためのマネジメントシステムのことを言います。
では、組織に関連する「リスク及び機会」とは何なのか、またリスク及び機会に対応するマネジメントシステムとはどのようなものなのでしょうか? 今回は、環境マネジメントシステムについて初めての方でもわかりやすいように解説していきたいと思います。

環境マネジメントシステムとは

環境マネジメントシステムとは、英語ではEnvironmental Management Systemと言います。これを略してEMSと呼ばれることがありますが、要するに環境に対するマネジメントシステムのことを指します。

企業は顧客に対してサービスを提供したり、製品を製造したりする際に様々な影響を人やモノ―—つまり環境に対して与えています。それは良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあるはずです。例えばガソリンを販売しようとした場合、それによって人々は自動車などを動かすことができるという良い影響を与えることになりますが、同時に排気ガスによって地球に悪影響を与えることになってしまうかもしれません。

環境マネジメントシステムは、このような環境へのリスク及び機会に対して、「企業や組織がどのような取り組みを行い、環境に対する良い影響を増大させ、悪い影響を減少させるか」ということを計画し、実行し、成果を検証し、改善していくための仕組みのことを指します。

環境に悪影響を与えない仕組みとは

「環境に悪影響を与えない仕組み」とは、「ゴミを分別する」とか「リサイクル製品を多く利用する」といったものではありません。マネジメントシステムとは、ある目標を達成するために、何をして、それを実行に移し、実行結果を検証し、改善していくために「組織を動かす仕組み」のことを指します。

つまり環境マネジメントシステムとは、「環境に対する良い影響を増大させ、悪い影響を減少させる」という目的のもと、その環境目標を達成するために計画→実行→評価→改善をしていく一連のプロセスのことを言うのです。
例えば、「紙の使用量を5%減らす」という環境目標があったとして、その目標を達成するために「会議用の資料はメールにて配布する」という計画を立て、それを全社で実行していきます。その計画を実行した結果、紙の使用量が前年比でどれくらい減ったのかを検証し、もし減っていなかった場合は「何が原因で紙が使用されていたのか」ということを究明し、それを次回の施策に反映していく必要があります。

こういった一連の流れをうまく回すためには、「紙の使用量を記録する」とか「実際にメールで配布されているかどうかを監視する」ということが必要になってきますが、これこそが仕組み―—つまり環境マネジメントシステムというわけです。

環境への配慮は製造業に限った話ではない

「環境への悪影響」という言葉を聞くと、日本の高度経済成長時代に発生した公害問題や地球温暖化などの環境破壊問題をイメージしてしまいがちですが、環境マネジメントシステムは製造業以外の企業組織も対象としています。

例えば、IT企業であったとしても電力を消費し、紙を消費し、廃棄物を出すことがあると思います。こういった企業は製造業に比べれば環境へ与えている影響は小さいかもしれませんが、環境マネジメントシステムは「どの程度環境へ影響を与えたか」という結果よりもむしろ、過程を重視します。

このため、環境マネジメントシステムは製造業や建設業のみを対象としたものではないのです。

環境マネジメントシステムに対する規格とは

環境マネジメントシステムには、品質マネジメントシステムや情報セキュリティマネジメントシステム同様にそのマネジメントシステムを評価する規格が存在します。

こういった規格を取得する企業は、第三者から「環境への影響を管理する取り組みを行っている」とみなされるため、様々なメリットを受けることができます。企業の中には、サプライヤーに対してEMS認証の取得を求めるところもあるくらいです。

では、EMS規格にはどのようなものがあるのでしょうか。

ISO14001

ISO14001は国際標準化機構(ISO)による環境マネジメントシステムの国際規格です。主に官公庁の入札などで評価基準となるため、製造業や建設業でISO9001とセットで取得されることが多いですが、商社など、一見関係なさそうに見える企業での取得も非常に多いです。

エコアクション21

エコアクション21は、日本独自のEMS認証規格です。日本独自ということもあり、日本の環境関連の法令に則った形で規格が構成されています。自治体によってはエコアクション21の認証取得を行う場合にその費用の一部を負担する補助金制度もあるため、国内では徐々に広がりを見せています。

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この記事の監修者情報
残田康平 (ISOコンサルタント)
約5年間ISOコンサルティング会社で累計200社以上のISO構築に携わってきました。現在はISOプロのISOコンサルタントとして活動中。企業の得意・不得意を引き出しつつ、自社にピッタリなISOを構築することが得意です。これからISOに携わる人々にわかりやすい言葉で情報発信をしています。
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