大企業はもちろん中小企業でも組織として環境影響問題へどう取り組んでいるか、どう活動し改善をしているか、その企業の資質を考慮するうえで重要な鍵となっています。

大手の企業では大々的に環境影響問題への取り組みを開始し、メリットとして企業や組織の対外的アピール、イメージ戦略ともなっていますし、実際に現代社会のモラルやニーズに適応した取り組み方であり、経営の一部であると言えます。

そこで、この記事ではISO14001(環境マネジメントシステム)の必要性について、コンサルタントに依頼しても取得すべき理由について解説します。

ISO14001をコンサルティングに依頼してまで取得する必要性

ISO14001をコンサルティングに依頼してまで取得する必要性について解説します。

「環境」への取り組みの証明となる

ISO14001を取得するには、第三者機関による審査を受け、認証されることが必要です。
つまり、ISO14001を取得することは「外部機関によって、自社の環境への取り組みが国際的な基準を満たしていることが証明される」ことになります。

自分たちだけで、ホームページで環境への配慮を謳うだけでは「本当に取り組みを行っているのか」「本当に効果的な取り組みなのか」など疑問に残る部分が多く、客観性や信用性に欠けてしまうでしょう。そのため、信頼のおける外部機関からのお墨付きがもらえることで、取引先や消費者が安心して仕事を依頼できる企業であるというアピールにつながります。

世界的な動向

ISO本部のホームページで公表されている調査データによると、2023年3月31日最新の情報によると、世界中で約30万件以上の組織がISO14001を取得しています。

そのため、特に事業を海外展開したい場合には、ISO14001を取得することで自社の体制の信頼性を担保できるでしょう。

ISO14001の取得企業数の詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:ISO14001の取得企業数は?取得した有名企業や取得が多い業種一覧
参考:ISO本部調査データ(外部リンク)

社会からの要求の高まり

SDGsや地球温暖化問題などの問題が注目されるようになったことで、自然への配慮を求める社会的なニーズは高まっています。そのため、これからは環境に対する活動が疎かになっている企業の商品・サービスを敬遠する消費者が増える可能性もあります。

こうしたリスクを社会の声に応えて企業や組織イメージをクリーンに保ち、社会的信用度を勝ち取るには、ISO14001の取得が非常に有効なのです。

行政による認証取得の動き

実は、ISO14001は民間企業だけでなく地方自治体においても認証取得する動きが高まっています。事業活動における環境への影響を低減することは、国や地方自治体といった行政においても定着しつつあるのです。

また公共工事などの入札において、ISO14001が加点対象となる地方自治体もあるなど、ISO14001の取得は行政からの評価を高めるためにも役立つ可能性があります。

以下に、地方自治体ではじめてISO14001を取得した千葉県白井町の事例を紹介しています。

関連記事:地方自治体でISO14001を初取得!「千葉県白井町」の環境共生のこだわりとは
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ISO14001取得にコンサルタントが必要な理由

多くの企業にとって、ISO14001の取得はコンサルタントによるサポートが必要です。ここでは、ISO14001取得にコンサルタントが必要な理由を解説します。

多大な労力がかかるため

ISO14001に関する知識や能力、経験を有した人材がいない場合、ISO14001を勉強しなければなりません。
さらに、6か月~1年以上かかる取得に向けた道のりの中で、ルールやマニュアルの見直しや文書作成、内部監査の実施などさまざまな工程を行う必要があるため、多大な労力がかかります。

ISOコンサルタントに依頼することで、工数を大幅に削減できる場合もあるため、負担や労力を減らし、本業に集中できるようになります。

自社に適したマネジメントシステムを構築するため

ISO14001を取得するには、要求事項を満たす環境マネジメントシステムを構築・運用することが必要です。

しかし、要求事項を満たすことだけに注力した場合、自社の実情に合っていないマネジメントシステムを構築してしまうことがよくあります。この原因は、ISO規格における知識や経験が少ないことや「経営活動の継続的な発展のため」ではなく「審査に通過し、認証すること」を命題とすることなどが挙げられます。

ISOコンサルタントに依頼することで、要求事項を満たしつつ、自社の実情に合ったマネジメントシステムを構築・運用するためのアドバイスやサポートを受けられます。

確実に取得するため

ISO規格の取得には、およそ6か月~1年程度の時間がかかります。自社取得の場合には、1年~数年程度とより長い期間、ISO14001に関する作業を行う必要があります。
また審査費用は、適用範囲や審査機関によって異なるものの、約50万~100万円が相場です。

このように、ISO14001を取得するには多くの時間や労力、費用がかかるため、確実に取得したいと考える企業が多いでしょう。その場合にはISOコンサルタントに取得サポートを依頼することで、確実な取得につながります。

ISO14001コンサルタントで失敗しない選び方

ここでは、ISO14001コンサルタントで失敗しない選び方について解説します。

サポート内容

ISO14001の取得サポートができるといっても、サポート内容はコンサルティング業者によって異なります。主なサポート内容を以下にまとめました。

  • 取得にかかる作業代行
  • 環境マネジメントシステムの構築・運用サポート
  • 審査機関とのやり取り代行、審査対応の代行
  • 取得後の運用サポート

トラブルを避けるためにも、サポート内容は事前に確認しましょう。

経験・実績の豊富さ

ISOコンサルティングの質を大きく左右するのが、経験・実績の豊富さです。
ISO14001の要求事項は、幅広い業種や企業規模、事業内容などに対応できるように柔軟性をもたせているため、どのような環境マネジメントシステムを構築するかはある程度ISOコンサルタントの力量によって異なります。
その際に、自社と似た業種や企業規模などのサポート経験があるコンサルタントであれば、その経験を活かした提案やサポートが可能であるため、より有効なマネジメントシステムの構築・運用につながります。

そのため、コンサルタント企業のホームページを確認して、経験・実績について確認しましょう。

費用相場

コンサルティングの費用相場は、従業員数によって異なりますが年間約45万~150万円程度です。

あまりにも高額な場合や安価すぎる場合には、その理由を必ず確認しましょう。特に安価な場合には、サポートの質やサポート内容が不足している可能性があります。

担当者の価値観やコミュニケーション力

ISOコンサルタントの担当者とは、ISO14001取得にかかる6か月~1年程度という長期間にわたって、コミュニケーションを図りながら業務に取り組むことが必要です。

そのため、担当者と価値観の相違がある場合やコミュニケーションがうまく取れない場合には、進捗状況に支障が出たり、ストレスが溜まったりと良い関係性を構築できない可能性があります。

担当者と打ち合わせをする際には、担当者の価値観やコミュニケーション力についても確認すると良いでしょう。

ISOコンサルタントの概要や役割、必要性については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:ISOコンサルタントは必要?サービス内容や選び方、費用相場を解説
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まとめ

この記事では、コンサルタントを利用してもISO14001を取得すべき理由や、コンサルタントを利用すべき理由、コンサルタントの選び方について解説しました。

自然への配慮が社会的に求められるようになっている昨今では、ISO14001は自社の自然に対する取り組みや体制を証明できる規格です。そのため、信頼できるコンサルタントを見極めたうえで、ISO14001を取得することがおすすめです。

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