従業員の想いが一つに。社内ルール統一に踏み切った野崎造園の決意

クライアントプロフィール

株式会社野崎造園
代表取締役 野崎隆之様営業部 大西晋太郎様

課題:
元請けとして会社が変わっていく中で内部統制が統一できなくなってきた
業種:
造園業
規模:
20名以下
規格:
ISO9001

「現場第一主義」という考えのもと東久留米市に拠点を構え、事業を行う『株式会社野崎造園』様。会社設立時は二次下請けとして造園業を営んでいました。ここ最近では元請けへ方向転換し、公園や街路樹の設計などに一から関わる成長を見せています。元請けとして業態が変化し書類などの統一が難しくなる中で、一度立ち止まり内部統制を図るべくISO9001を取得しています。現在では、ISO9001に則って構築したマネジメントシステムを運用し内部統制を強化しています。

今回のISOプロが訊くでは、株式会社野崎造園の代表取締役の野崎隆之様と営業部の大西晋太郎様に、元請けへの転換後になぜISO9001が必要となり、結果社内でどのように活かしているかを詳しく伺ってきました。

取得前課題

  • 元請けとして会社が変わっていく中で内部統制が統一できなくなってきた

取得後

  • ISO9001を取得したことで社内のルールづくりができ、内部統制の統一に向けて進むことができた

緑の品質にこだわる野崎造園

ISOプロ:最初に野崎造園さんはどのような事業を行っている会社なのか、将来の展望なども含めて教えて下さい。

野崎様:野崎造園は社名の通り“緑”を扱う会社です。私の親の代から続いており、街中にある公園や緑道、マンション、大学、事業所などにある“緑”に関する仕事をしています。元々は大手建築会社の二次下請けとして始まりました。最近では元請けとして、公園などをイチから作る仕事や既存の公園や街路樹などを管理する仕事を取り扱っています。
企業理念としては「地域密着」を掲げており、その地域に対してかゆいところに手が届くような事業展開をしております。将来的にはお客様と長い付き合いができる会社にしていきたいと考えており、お客様の方から特命受注でお仕事をいただけるような会社でありたいと思います。

※特命受注:建設業(土木工事業)の受注方式の一種。入札とは異なり、発注者が特定の業者に直接依頼をすること

ISOプロ:元請けと二次下請けでは価格面で大きく違うかと思いますが、元請けとして会社運営を切り替えた理由にも関係しているのでしょうか?

野崎様:私たちの業界は樹木の管理ですので、価格というものがあってないようなものです。競合他社と価格競争に陥ってしまうこともあるので、価格競争に勝ち残り仕事を獲得できたとしても望ましい利益を生み出すことが難しくなります。また、元請けと二次下請けとでは、業務内容・知識・責任感等の質が異なるため、社員のやる気や技術力の向上を実現できます。会社と共に、社員の成長を促すためには、二次下請けのままではいけないと思い、元請けとして方向性を切り替えました。
方向性を切り替えた初年度は、少しずつですが元請けとして仕事が取れ始め今では元請け会社としてパートナー企業と一緒に事業を行っています。

会社全体のレベル向上のために取り入れたISO9001

ISOプロ:ISO9001を取得した理由について伺いたいと思いますが、ISO9001の取得以前にはどのような課題があったのでしょうか。

野崎様:弊社が二次下請けから元請けとして動き始め、元請け比率が上がってきたタイミングで2つの課題が出てきました。
1つ目の課題は現場によって進行具合にバラツキが発生し、結果的に社員の離職につながっていたことです。私たちの仕事は10月に仕事の発注を受け、翌年の3月(年度末)に終了します。特に1月から3月にかけては現場や書類に検査が入るので、現場監督からしてみれば毎年忙しい時期になります。現場によって手法が異なりますので、“上手に回すことができる現場”と“上手に回せない現場”がどうしても出てきてしまい、“上手に回せない現場”を担当する現場監督や従業員は疲弊してしまい、会社を辞めてしまう流れができてしまっていました。

2つ目の課題はその流れを改善しようと、“上手に回すことができる現場”の手法を“上手に回せない現場”に水平展開できなかったことです。
いわゆるPDCAサイクルに則って、6月辺りに水平展開をしたプランを作り、行動をしていたのですが、P(計画)からD(行動)を繰り返すだけで、C(評価)やA(改善)などの次のステップに進めることができませんでした。それもそのはずで、軸となる柱がなかったので上手に回すことができなかったのです。

ISOプロ:この2つの課題点をクリアするためにISO9001を取得したのですね。

野崎様:2つの課題を抱えたまま仕事を行ったとしても属人的な力で仕事をしている状態です。このときは目標だった年商10億円を達成していましたが、これは本当の実力ではなく運が良かっただけです。長期的に見た場合、2つの課題を抱えたまま続けていくのは良くないと思っておりましたので、一度立ち止まって会社の仕組みを変える仕組みづくりに乗り出しました。
そのため、先程お話に出てきました『軸となる柱』をISO9001に定め、ISO9001の要求事項に則った内部統制づくりを行ったおかげで、現場が異なることでバラツキが発生していた品質を保つこと、事務側の書式を統一すること等を実現し、今まで抱えていた2つの課題をクリアすることができました。

ISO9001を取得したことで従業員の意識向上

ISOプロ:ISO9001を取得して社内ではどのような変化があったのか教えて下さい。

大西様:全体に展開しないといけないことを上手に展開する習慣づけができてきたと思います。例えば書類一つにしても今までは煩雑で各部署でバラバラに作成をしていましたが、書式を統一し会社全体で使うようになりました。
また報告書なども個人のデスクトップで管理するのではなく、共有ドライブの中から使うことで、常に最新のものを使うという流れにしています。

ISOプロ:ISO9001を取得したことで従業員の方の意識が変わったことや会社全体で変わったことなど教えて下さい。

大西様:徐々にですが従業員一人ひとりが現場の進め方や報告などISO9001をベースとした業務フローの動きに慣れてきました。大きな変化としては、従業員に業務フローについて議論する場ができたことは非常にプラスになったと思います。目の前の仕事をこなすことに精一杯でしたので。

ISOプロ:最後にISO9001を取得して「このように変わりたい」など将来の展望などございますか?

野崎様:現在のISO9001は事務的な部分で動かしている形ですが、将来的には現場用の品質管理システムを構築したいと考えています。1から10まで手順通りに行うのは難しいと思っています。ただISOに則った品質管理システムを構築できれば、新入社員が3年くらいで現場を任されるレベルのマニュアルになるのではないかと考えています。

まとめ

二次下請け競争の厳しさから、元請けに活路を見出し実現した野崎造園様。元請けとして軌道に乗り始めるも、今度は現場品質が安定していない問題にぶち当たりました。それでもめげずにISO9001を内部統制に活用するという方法を選択し、機能し始めています。

取引先の要求や対外的アピールのために取得されることが多いISO規格ですが、野崎造園様の内部統制づくりは「継続的な改善」を求めるISOの本質的な目的と言えると思います。
ISOは「無駄な業務が増える」とマイナス面を聞くことも少なくありませんが、目的をしっかり持ち、自社に合ったマネジメントシステムの構築と運用ができれば、とても有用なツールにもなりうるのだと感じました。

インタビューの最後に教えていただいたのですが、ISOプロのコンサルタントが野崎造園様に訪れた時、従業員がコンサルタントのもとに集まってきたそうです。従業員一人ひとりが現場の課題を解決しようという想いの強さが、ISOを積極的に学ぶ姿勢に出ているのだと思います。

何度も困難に立ち向かい解決していく姿に、ただただ素直に“かっこいい”と思うばかりです。

会社情報
社名 株式会社野崎造園
設立 1983年6月
資本金 5,000万円
所在地 東京都東久留米市柳窪4-14-22
URL http://www.nozaki-zoen.co.jp/