HACCPとは何か?初めての人向けに分かりやすく解説

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年11月07日

2018年の6月に全ての食品関連事業者に導入が義務付けられたHACCP。このHACCPとは、一体何なのでしょうか? 今回は、HACCPとは一体何なのか? 義務化が開始する2020年までに何をしなければならないのか? ということについて、初めての方でも分かるように解説していきたいと思います。

HACCPとは

HACCPとは、食の安全を脅かす様々な危害を取り除くための、衛生管理の手法です。Hazard Analysis Critical Control Pointの頭文字をとったもので、これは直訳すると「危害分析重要管理点」となります。

この衛生管理手法の大きな特徴は、食の安全を保つ上で特に重要な管理点を発見し、それを取り除くために必要なことがしっかり実行されているか管理するという点にあります。この手法は現在では多くの食品安全衛生マネジメントシステムの規格に取り入れられており、世界中でも義務化が進んでいます。

HACCPの衛生管理手法を分かりやすく

さて、これだけでは何のことかさっぱり分からない方もいらっしゃると思います。以下では、HACCPの衛生管理手法が具体的にどのようなものなのかということについて、具体例を出しながら分かりやすく解説していきます。なお、ここでは基本的なHACCPの考え方を理解していただくために、細かい作業手順や管理の方法については省略しておりますので、以下で紹介することをすれば「HACCPを導入した」といえるわけではありませんのでご注意ください。

例えば、カレーライスを提供する飲食店の場合で考えてみましょう。

危害要因を分析する

冒頭でもご紹介させていただいた通り、HACCPのHAは危害要因の分析です。それぞれ、

  • Hazard:危険
  • Analysis:分析

という意味を持つ英単語です。これはつまり、食品の衛生上危険なものを分析しましょうということなのです。

例えば、カレーライスをお客様に提供するまでには、以下のような危害要因があると考えられます。

  • ガラス片が混入する
  • じゃがいもの芽が入ってしまう
  • 食中毒ウイルスが混入する
  • 食中毒菌が混入する

こういった危害を、搬入し、保存し、調理し、お客様に提供し、さらにお客様の口に入るまでの間にどのような危害があるかを予め予測していくのです。

危害要因を取り除く方法を検討する

次に危害要因を分析できたら、その危害を取り除く方法を検討します。例えば以下のようなことをすれば危害要因は除去することができるでしょう。

  • じゃがいもの芽は切り落とす
  • ガラス片が入らないように調理場周辺は整理整頓する
  • ウイルスを殺すために加熱処理を行う
  • 食材に触れるときには殺菌、消毒を行う

これらは管理点と呼ばれるもので、意味はそのまま「管理すべき工程」です。つまり、食品の安全を脅かす危害要因を除去・低減するために管理すべき工程やポイントのことを指します。

重要管理点を決定する

さて、食の安全を脅かす危害は多数ありますし、その危害の分だけ管理点も存在します。——しかし、それらを全てコントロールできるほど日々の業務に余裕はないでしょう。例えば、ガラス片が入っていないかどうかを逐一確認して…みたいなことはできないはずです。

もちろん、それらを管理できるに越したことはないのですが、HACCPでは、上述の管理点の中から特に重要であるとされる管理点(CCP)を決定します。このCCPは、「これを守らなければ著しく衛生上の問題が生じる」というものです。

管理基準を決定する

次に、危害を取り除く方法をしっかり実行するために、管理基準というものを決定していきます。管理基準はHACCPではCL(Critical Limit)と呼ばれています。

管理基準は、「逸脱すると製品の安全性が確保できなくなる値」のことを指します。この値は科学的で迅速なモニタリングが可能で、具体的な数値を設定するのが望ましいとされています。

例えば、ノロウイルスを死滅させるためには、90度で90秒間の加熱を行えば良いと言われています。また、食品に付着する細菌も熱に弱いものが多く、加熱を行えばほとんど殺菌することができると言われています。

つまり、「90度で90秒加熱する」という管理基準が望ましく、「いい感じに火を通す」という管理基準は望ましくないということです。

記録し、改善する

HACCPでは、上記のような衛生管理を行いながら、「管理基準が満たされているか」「他の危害はないか」ということを定期的にモニタリングし、記録していく必要があります。こうすることで、衛生上の問題が発生したときにも「何が問題であったか」「どこを改善すればよいか」ということをあとから振り返ることができるのです。

この振り返りをもとに、衛生管理を強化していく…これがHACCPによる衛生管理手法です。

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。
今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

人気記事( HACCP(ハサップ))

1
2
3

OPRPとは?PRPと何が違うの?

2019年05月01日

19,175 Views

4
5
6
7
8

関連するおすすめ記事


ISOプロ講座
HACCPプロ講座