食中毒と聞くと、なんとなく高温多湿の夏場に発生しやすいイメージを持ってしまいますが、実は冬場のほうが食中毒の発生リスクは高いと言われています。その原因の一つがノロウイルスなのです。

一度食中毒が発生してしまうと、顧客への損害賠償などによる経済的なリスクだけでなく、顧客からの信用力の低下による打撃を受けることになります。

ということで、今回は飲食店がとっておきたいノロウイルスの対策方法について下記でご紹介していきましょう。

ノロウイルスのリスクはどこにある?

ノロウイルスによる食中毒は12月〜1月頃にピークに達します。これは、空気が乾燥する冬場は、ノロウイルスにとって過ごしやすい環境になるためです。——では、高温多湿にしていればノロウイルスの感染を回避することができるのでしょうか? 答えはNOです。

ノロウイルスは感染力が非常に高く、ごく少量(10個〜100個)のウイルスを体内に入れただけで食中毒を発症します。また、ノロウイルスはアルコールや熱による消毒にも高い耐性を持ち、人から人にまたたく間に伝染していくのです。

そんなノロウイルスの主な感染経路は、以下のようなところにあります。

食品からの感染

そもそも食品がノロウイルスに汚染されていた場合、ノロウイルスに感染してしまいます。有名なものだと、牡蠣などの魚介類を生食することでノロウイルスに感染するというのはよく聞く話です。

また、魚介類以外だからといって安心はできません。ノロウイルスは先程ご紹介した通り、少量が体内に入っただけで食中毒を発症してしまいます。また、ウイルスの潜伏期間は12時間〜48時間と比較的長いことから、感染したことに本人が気づかないこともあります。要するに、食品取扱者(仕入先や従業員含む)がノロウイルスの潜伏期間に触れたりした食品は牡蠣のような食材でなくてもノロウイルスに汚染されている可能性があるのです。

人からの感染

飲食店で特に気をつけておきたいのは、トイレです。従業員がノロウイルスに感染していなかったとしても、お客様がノロウイルスに感染していた場合、トイレ掃除や排泄物や吐瀉物の処理によって手指にウイルスが付着することがあります。

また、水道の蛇口やウイルス感染者が使用した食器にもノロウイルスが付着しているケースもあります。

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ノロウイルスはどのように対策をすればいい?

残念ながら、不特定多数の人間が食材に触れるような飲食店では、100%ノロウイルスを排除することは不可能と言えます。しかし、対策をしておくことでリスクを低減し、感染があった場合も被害を最小限に抑えることが可能になります。

以下では、飲食店が対策しておきたいノロウイルスによるリスクの低減方法についてご紹介していきます。

とにかくこまめに手洗いをする

調理を行う前はもちろん、食器やテーブルに触れた場合にも手洗いをさせる習慣を従業員につけておくと良いでしょう。人から人に感染していく中で、手指というのは特に注意しておきたいポイントです。

石鹸を使って手洗いをすることは、ノロウイルスを減らす有効な手段の一つです。

有効な消毒液の利用

飲食店の中でも特に酒類を提供するような店舗では、お客様の吐瀉物の処理をしなければならないこともあると思います。そのような場合に次亜塩素酸ナトリウムという物質が含まれた消毒液を使用することで、感染力を弱めることができます。

酒類を提供しない飲食店であっても、調理器具や水道の蛇口のように多くの人が触れるような場所は消毒液を使用して清潔を保つようにしておきましょう。

また、吐瀉物処理に使ったタオルや手袋は、ビニール袋などで密閉してから廃棄するようにしておきましょう。

十分な加熱処理

提供する食品の種類によっては、十分に加熱処理ができないこともあるかもしれませんが、ノロウイルスは85℃〜90℃の温度で90秒以上加熱することで消毒することができます。

ノロウイルスが繁殖しやすい12月〜1月は、加熱処理を加えない食品の提供を停止するなどして、リスクに備えることも検討しておきましょう。

スタッフの健康管理は十分にしておく

食品や金銭の受け渡しを行うスタッフがノロウイルスに感染していた場合、お客様への感染リスクは非常に高くなってしまいます。人材不足に悩む店舗も多いかと思いますが、スタッフの健康管理には過剰なくらいがちょうど良いでしょう。

下痢、嘔吐、腹痛などの症状がある場合は食品に触れさせないようにして、出勤停止にして可及的速やかに医療機関に受診させましょう。また、従業員の自己申告による健康管理だけでは不十分かもしれません。日頃から健康状態を確認するようなスキームをとっておくと良いでしょう。

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