HACCP導入にかかる費用はどれくらい?わかりやすく解説
2020年の6月からHACCPの義務化が開始しましたが、まだ準備できていない食品関連の事業者の方も多いのではないでしょうか?実はHACCPの構築にはそれなりに時間を要するため、義務化開始から1年間の猶予期間があるとはいえそれほど悠長なことは言っていられません。
さて、HACCPの導入に対してまだ進められていない多くの企業が気になっているのは、「HACCPの構築にどれくらいの費用がかかるのか?」ということではないでしょうか?ーーということで、今回はHACCPの構築・導入にはどれくらいの費用がかかってくるのかということについて解説していきたいと思います。
HACCP(ハサップ)導入にかかる費用について
HACCPにどれくらいの費用がかかるのかは、その規模によって変わってくると考えたほうが良いです。ーーというのも、2020年6月から開始した義務化は、基準A(HACCPに基づく衛生管理 )と、 基準B (HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)に分けられているためです。これは「どの程度HACCPを厳密に実施する必要があるか」ということを業種や規模によって隔てた基準のことであり、多くの食品関連事業者の場合は従業員数が50名以上か50名以下かをおおよその基準としてどちらに該当するかが異なってきます。
従業員を50名以上かかえる比較的大きな規模の食品関連事業者は基準A(HACCPに基づく衛生管理)を行う必要があり、HACCPの7原則12手順に従って厳密に衛生管理システムを構築していく必要があります。ーーもちろんインハウスで構築することは不可能ではありませんが、まだHACCPを構築できていない基準Aに該当する企業の場合、速やかに対応する必要があるため外部のコンサルタントを招いて構築していくことになります。ーーそうすると、必要となってくる経費は50万円~100万円程度になるでしょう。
一方で従業員が50名以下の基準Bに該当する企業は、家族経営の飲食店のような事業者でも実施しやすい内容のHACCPになります。基準Bは従来型の一般衛生管理にHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行えば良いため、厚生労働省が公開しているガイドラインに従って構築することが可能です。このため、必要なものは「HACCPを構築するための時間」のみということになります。ーー日常の業務が忙しくて、そのような時間が取れないという場合は、外部のコンサルタントを招き入れる必要があるかもしれませんが、その場合でも30万円程度のライトプランによるHACCPの導入で十分であるため、20万円~30万円程度の費用で構築することが可能でしょう。
認証を取得するなら別途費用が発生する
ーーさて、基準Aなら50万円~、基準Bなら20万円~というご紹介をさせていただきましたが、HACCPには認証というものが存在します。認証とは、第三者機関によって「HACCPの基準に適合している」ということを認めてもらった証のことで、「資格」のようなものです。こういった認証を取得することで、「食品の安全性を確保している」ということを対外的にアピールすることができるため、マーケティング的なメリットを受けることができるのですが、2020年から開始する義務化に伴って「どうせなら認証も取得しよう」と決断する企業様も多いようです。
この認証には、「審査」が必要になります。簡単に言えば資格試験の受験料みたいなものです。この審査はどのような審査を受けるかということによって費用が変わってきますが、場合によっては数10万円の費用が発生することもあるのです。
HACCPの認証には様々な種類がありますが、認証の取得を目指すなら「どのような審査機関からの認証を受けるのか」ということについて吟味するのが良いでしょう。
マネジメントシステム認証を受けるならさらに費用がかかる
実は衛生管理の手法として有名なHACCPの認証はあまりメジャーなものではなく、マーケティング的なメリットはそれほど多くはありません。なぜなら、諸外国ではHACCPによる衛生管理は当たり前のように行われているためです。
このため、一部の企業ではISO 22000やSQF、FSSC22000といった食品安全マネジメントシステムの認証取得を目指しています。これらはHACCPに基づく衛生管理を行いながら、さらに食品や製品の品質 を高めていくためのマネジメントシステム 規格 ーーつまり製造工程や企業の取り組みを強化していくための枠組みです。こういったより高度なマネジメントシステム認証を取得しようとする場合、マネジメントシステムの構築にさらなる時間を要しますし、高いレベルの専門知識が必要になってくるため、ISOコンサルタントが必要となります。ーーまた、認証取得時には審査が必要になってきますし、定期的に「構築したマネジメントシステムが有効に機能しているか」ということを審査する維持審査・更新審査というものも行う必要があります。
こういった世界的に一目置かれているマネジメントシステム認証を受けようとすると、規模にもよりますが100万円~200万円程度の費用が必要になってくるのです。
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