FSSC22000とISO22000の違いとHACCPとの関係性

ISO 22000と言えば食品安全衛生マネジメントシステム に関する国際規格 で、この規格をベースとしたより確実な食品衛生のマネジメントシステムの国際規格がFSSC22000です。
一方でHACCPは衛生管理の手法であって、ISO22000やFSSC22000のようにマネジメントシステムの規格ではありません。

しかし、ISO22000やFSSC22000でもHACCPに則った衛生管理手法が求められるためHACCP義務化に際しISO22000やFSSC22000を認証取得することは合理的な選択でしょう。

この記事はISO22000とFSSC22000の違いとHACCPとこれらのマネジメントシステム規格がどのような関係にあるのかを解説していきます。

ISO22000とは

ISO22000は、国際標準化機構であるISOが発行した食品安全衛生マネジメントシステムに関する規格です。規格はHACCPとISO9001 を基礎として構築されており、規格に沿ってマネジメントシステムを構築することで、食品安全衛生だけでなく食品の 品質 の改善にも役立てることが可能になっています。

ISO22000は食品安全衛生マネジメントシステムの規格の中でも最も知名度が高く、標準的な規格として世界中で認識されています。日本国内でもHACCPの義務化に伴ってISO22000を取得しようという動きも見られています。

FSSC22000とは

FSSC22000はISO22000をベースとしたより確実な食品安全管理を実践するためのマネジメントシステムです。ISO22000の規格で求められる要求事項に加えてより具体的な安全衛生管理の手法が追加されており、GFSI (Global Food Safety Initiative)から認証を受けた規格でもあることから、取得することでより高い信頼を得ることができるようになるでしょう。

FSSC22000もISO22000同様に国際規格であるため、海外を相手に事業展開していくような場合にもマーケティング的な観点からメリットを得ることができます。

ISO22000とFSSC22000の違い

ISO22000とFSSC22000の大きな違いは、規格の要求事項にあります。FSSC22000はISO22000よりも求められる項目が多くなるため、規格を取得しようとしたときの難易度は高いでしょう。——一方で、その分確実な衛生管理を実現することができるようになる点や社会的信用度の高さからFSSC22000の規格取得を目指す企業も多いようです。

それぞれの規格とHACCP（ハサップ）の違い

さて、それでは2020年の6月から日本でも義務化が開始するHACCPとこれらの食品安全衛生マネジメントシステム規格はどのように異なるのでしょうか。

そもそもですが、HACCPはマネジメントシステム規格ではないという点で根本的にISO22000やFSSC22000はHACCPとは異なります。——どういうことかというと、HACCPは単に衛生管理の手法であって、あくまで方法です。ISO22000やFSSC22000はマネジメントシステムの規格であり、手法ではありません。

マネジメントシステムの規格とは？

これを理解するためには、マネジメントシステム規格というものを理解する必要があります。マネジメントシステム規格というのは、マネジメントシステムが一定基準を満たしていることを認めるといういわば資格のようなものです。

HACCPはこういった規格ではなく、衛生管理の方法を記したフレームワークのようなものです。HACCPは7原則12手順という手順に従って衛生管理を行いますが、それを実践したからといって資格が与えられるわけではありません。

日本国内でも、「HACCP認証」という形で市区町村や自治体、一般企業などが認証を与えている場合もありますが、これは国際的に、あるいは全国的に認知されているものではありませんので、取得したからといって大きなマーケティング的なメリットを得られるものではありません。

2020年の6月から開始するHACCPの義務化というものも、「何かしらの認証を取得する必要がある」というものではなく、あくまで「HACCPという衛生管理手法に則って衛生管理を実施してくださいね」というものなのです。

この点で、HACCPはISO22000やFSSC22000とは大きく異なります。

なぜ今ISO22000の認証を取得するのか

しかし、冒頭でも解説した通り、ISO22000などの食品安全衛生マネジメントシステム認証規格を取得する企業は増加しています。——なぜなら、2020年のHACCP義務化に際して、「どうせマネジメントシステムを構築するなら認証を取得してしまおう」という企業が増えているからです。

HACCPは世界各国でも食品関連事業者に義務化されている優れた衛生管理手法であり、ISO22000やFSSC22000でもHACCPに則った衛生管理というものが求められるのです。このため、より効率的に衛生管理を実践し、業務効率化を行おうとした際にISO22000やFSSC22000の規格を活用することは合理的な選択であるといえるでしょう。

まとめ

今回は、ISO22000とFSSC22000の違いを解説するとともに、HACCPとこれらのマネジメントシステム規格がどのような関係にあるのかということについて解説してきました。

これらからHACCPを構築しようと考えている事業者の方もぜひ一度ISOなどのマネジメントシステム認証の取得を検討してみてはいかがでしょうか？

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