• OPRPとPRPの違いは、モニタリングの有無
  • CCPはOPRPよりもさらに厳しく管理を行う

ISO 22000では、HACCPでも出てくるPRPと共にOPRP という用語が定義されています。このOPRPとはどのようなものなのでしょうか?また、似たような言葉であるCCPやPRPとは何が異なるのでしょうか?

今回はOPRPという用語についてわかりやすく解説していきたいと思います。

OPRP(オペレーションPRP)とは

OPRPとは、オペレーション一般衛生管理 (Operation Prerequisite Program)の略称で、その場でモニタリングすることが可能な科学的管理手段を用いてハザードを減少させるために衛生管理を行うという意味を持っています。

この概念を理解するためには、PRPについて理解しておく必要がありますので、まずはPRPについておさらいしていきましょう。

PRPとは

PRP(Prerequisite Program)とは、食品安全衛生上におけるハザードを減少させるために前提となるルールをつくり、管理する手段のことです。前提となるルールの代表的なものには、例えば5S活動 (整理・整頓・清潔・清掃・躾)と呼ばれるものがあります。あるいは、7S活動(5S活動に洗浄、殺菌を加えたもの)もPRPに当てはまるでしょう。

例えば、工場で何かしらの衛生管理手法を保とうとしたときに、いかに作業工程でハザードが発生しないように努力したとしても、そもそも工場の掃除が行き届いておらず、清潔が保たれていなければ意味がありませんよね? このため、衛生管理を行う上では「前提 」というものが必要になるのです。つまり、PRPは環境からハザードを減少させるための取り組みであると言えます。

PRPを実施したかどうかをチェックする検証は必要ですが、HACCPにおいてPRPに関する定めはありません。つまり、「消毒液は2プッシュする」といった管理基準を必ず設定したりする必要はないのです。

CCPとは

CCP
一方、CCP(重要管理点)については、HACCPでも具体的な管理基準を決めてしっかり管理する必要があるとされています。この「管理基準を設定すること」がCCPとPRPの最も大きな違いと言えるでしょう。

例えば「消毒の管理」というものを例に挙げると、CCPとPRPは以下のような違いがあります。

PRP:消毒をしたことを記録する必要もなければ、何mlの消毒液で食毒を行うなどといった管理基準も存在しない
CCP:何ml以上の消毒液で消毒を行ったかということをしっかり管理する
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OPRPとPRPは何が違うのか

さて、それではOPRPとPRPは何が異なるのでしょうか。先程もご紹介したことの繰り返しになりますが、OPRPとはPRPにオペレーション(Operation)がついたOperation Prerequisite Programの略です。「オペレーション」の意味とは、「その場でわかる科学的管理手段が存在している」ということになります。

例えば、生菌検査で検査した細菌の量が500以下、またはノロウイルスや大腸菌のは陰性なら出荷を開始しても良いというのがOPRPになります。OPRPは特にその場で処置を実施することが重要になります。例えばノロウイルスがないかどうかの検査をして、お客様の体内に入ってからノロウイルスの汚染が確認されても意味がないですよね? このため、先程の例のように「陰性」といったように出荷前にわかる管理方法であり、その場で実施する具体的な処置の決定の必要があるのです。

さて、話を戻しますが、OPRPは、PRPとは異なりモニタリングというものが必要になっています。先程の例でも汚染された食品をお客様に提供しないために、「細菌の量が500以下である」ということを担保するための処置の実施をモニタリングします。一方のPRPは先程もご紹介した通り、「5S活動を行ったか」といったことをチェックするのは、その場でのモニタリングではなく定期的な検証です。

つまり、PRPとOPRPの最も大きな違いは「モニタリングの有無」という点にあるのです。

オペレーションPRP

OPRPとCCPの違い

次に、OPRPとCCPで何が違うのかということですが、これはOPRPがPRPと同様に作業環境からハザードを低減していく衛生管理の手段であるのに対して、CCPは食品からハザードを除去する手段であるという点です。

CCPもOPRPも科学的な手段でモニタリングを行いますが、例えば90℃以上で90秒間加熱したことを監視して食品から食中毒菌を死滅させようとするのがCCPで、汚染防止の処置実施を監視して一般生菌数500以下及び大腸菌等陰性なら出荷を開始して良いというアプローチになるのです。

このため、CCPはしばしば「とどめ」という表現をされることもあります。

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OPRP、PRP、CCPのそれぞれの違い

さて、OPRPとPRPとCCPのそれぞれの違いをまとめると以下のようになります。

PRP OPRP CCP
モニタリング なし あり あり
管理基準 不要 処置基準 許容限界
管理方法 検証 処置の実施 除去、低減の実施
ハザードの低減方法 環境から低減 環境から低減 食品から除去、低減
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