ISO22000とHACCPおよび総合衛生管理製造過程とは?

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この記事は2018年5月17日に更新されました。

HACCPの義務化に伴い廃止される総合衛生管理製造過程承認制度(マル総)

平成28年12月「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」の最終とりまとめが公表されました。食品の安全性の向上を目的に、すべての食品事業者を対象に、HACCPの導入を義務づける方針を明確にした一方、承認制度である現行の総合衛生管理製造過程承認制度は廃止されます。

総合衛生管理製造過程承認制度とは、HACCPを基礎とした食品管理の方法をわが国で初めて法律に位置づけたものです。総合衛生管理製造過程の承認は、厚生労働大臣が承認基準に適合することを承認する仕組みです。

承認の対象となる食品は乳、乳製品、清涼飲料水、食肉製品、魚肉練り製品、容器包装詰加熱殺菌食品(レトルト食品)のみでした。

すべての食品事業者を対象に、HACCPの導入を義務づける方針であるため、総合衛生管理製造過程承認制度は一定の役割を終えることになります。

総合衛生管理製造過程は日本版HACCPと言われていますが、世界標準であるコーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則の要件と異なる部分も多く、施設や設備の基準の要求が高い傾向であったため、日本でHACCPはコストがかかり、複雑で難しい思われている要因の一つでもありました。

現在は、ISO22000(食品安全マネジメントシステム)やFSSC22000など世界標準のHACCPを取り入れた国際規格を取得する企業が増加しています。

今回の法改正により、世界標準のHACCPシステムがすべての食品事業者を対象に制度化されることになります。

HACCPが一部の商品ではなくすべての食品に制度化されることによって食中毒の発生抑制につながると考えられます。

 

ISO22000とは

2005年9月に発行されたHACCPの食品衛生管理手法をベースにした国際規格で、食品安全のマネジメントシステムになります。

この規格はISOの1つで、フードチェーンに属するあらゆる組織に適用が可能な規格であり、食品製造業だけでなく、食品の輸送や保管業者、小売業者、装置・包装資材の業者など様々な業種の企業で取得されている規格です。

ISO22000は食の安全を守るための仕組みとして、ISO9001(マネジメントシステム)とHACCPの2つの概念を融合し開発された規格です。

食品製造だけでは安全な製品を消費者に届けることは出来ません。

相互コミュニケーションという考え方で、原料の生産から食卓にあがるまでの各段階で互いに情報を共有し、食品の安全をはかる仕組みです。

また、組織内におけるコミュニケーションも大切で、製造現場だけでなく、営業、事務、経営者といった組織内のすべての部署で情報を共有化することが求められます。

また、ISO22000は食品安全の国際規格であり、世界中すべての食品に対して通用する内容となっており、審査の基準も世界共通です。

食品事故は、それを製造するメーカーだけでなく、輸送、保管、販売する段階で起こるケースも少なくありません。ISO22000では、食品安全は「フードチェーンに関与するすべての関係者の共同責任」と考え、確実な情報に基づいて行動することが求められます。

消費者が取り扱いを間違わないようにわかりやすく表示を書く、取引業者に取り扱い方法や基準を明確に伝えることも大切です。

ISO22000では「食品安全ハザード」を管理する仕組みです。食品工場が衛生的で安全な状態を維持するために必要な手順を決め、活動することが前提条件プログラムです。正社員やバイトなどの垣根関係なく、食品を直接的、間接的に扱う全ての人に対し、「工場入隊時の手洗い」や「従業員の健康管理」など基本的な手順をISO22000のなかで管理することが求められます

さまざまな人が関わり、多くの作業工程のある食品製造では、すべての工程を何らかの形で管理することで食の安全を守るという考え方です。

そのために危害要因分析を行い、危害の発生する可能性や、発生した場合の影響などを考慮し管理レベルを選択します。

管理レベルは前提条件プログラム、OPRP、CCP(HACCPプラン)に分けられます。

OPRPは基本的な管理を行う工程で衛生上特に管理が必要なポイント

CCPは重点的な管理を行う工程で、必ずハザードを食い止めるために管理が必要なポイントになり、モニタリングの手順や記録が必要になります。

 

HACCPプランとハザード分析とは

ハザード分析を行った結果、最も重点的な管理が必要な工程は、HACCPプランに基づいた管理を行います

HACCPプランの手順とは、

1.HACCPチームの編成

2.製品説明書の作成

3.意図する用途及び対象となる消費者の確認

4.製造工程図の作成

5.製造工程図の現場検証

6.危害要因分析の実施

7.重要管理点の決定

8.管理基準の設定

9.モニタリング方法の設定

10.改善処置の設定

11.検証手順の設定

12.記録と保存方法保存の設定

など12の手順が用意されています。

「ハザード分析」はISO22000を構築する上で最大のポイントです。

ハザード分析による管理手段の決定にはさまざまな状況を考慮して行います。

製品の製造工程の中で、どこでリスクを止めることができるのかというのを考えることが重要のため、HACCPプランで考えるすべての手順を守る必要はありません。

食品安全ハザードを予防、除去し、許容水準まで低減できるよう「HACCPプラン」、「OPRP」、「前提条件プログラム」のどれかで管理を行います。

食品工場の危害原因物質とは

HACCPで管理すべき危害原因物質は、以下の3つに分類されます。これらの危害物質の混入を排除する手法を構築していく事が手順作成の目的になります。

生物的危害原因物質・・・病原細菌、寄生虫、ウイルスなど

物理的危害原因物質・・・ガラスや木片、昆虫の死骸など

科学的危害原因物質・・・カビやキノコの生物毒、人工的な物質(殺虫剤、防腐剤等)など

ISO22000の元であるHACCPとは

HACCPとは、食品を製造する際に安全を確保するための管理手法を指します。

原料の受入れから最終製品までの工程ごとに微生物による汚染や金属混入などの危害要因を分析し、危害の防止つながる特に重要な工程を特定し、管理する工程管理システムです。

しかし、HACCPでは食品製造業だけに範囲を限定しているのが一般的です。また、HACCPの導入においては認証団体がいくつか存在し、認証団体によって認証の基準も違います。

各制度には特徴や認証を受けるための期間、費用に違いがあるため各企業にあった制度を導入することが重要です。

HACCPへの取組や認証取得については、各組織の任意とされています。しかし、今後は「HACCP手法に基づく衛生管理」が法制化され、すべての食品等事業者を対象に『HACCP手法に基づく衛生管理計画』の作成が義務化されるとされています。

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。
今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

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