ISO9001とHACCPの両方を取得しないと効果は上がらない?

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この記事は2018年5月17日に更新されました。

今では数々の企業が、国際標準規格であるISOの導入を進めています。

日本でもどんどん国際化の波が押し寄せており、中小企業や下請けの食品製造業などにおいても、スムーズに取引を行うためにISOの認証を進める時代です。

食品製造業で導入が進むHACCPの考え方とは

食品製造業において、安全な食品を製造・流通し、消費者に届けることが大切です。

食品の安全性を向上させるためには、「食品事故の未然防止」の考え方が必要です。

最終製品の製品検査と比較し、HACCPの考え方である全工程を管理することで、効果的に問題のある製品の出荷を未然に防止することができます。

またHACCPによる工程管理を行っていれば、仮に事故が起きた場合でも記録等をもとに原因の追究を行い、衛生管理のどこに弱点があったかを分析でき、その結果をもとに改善に取り組むことが可能です。

そのためにHACCPやISO22000の仕組みを自社に取り入れることが望まれています。

ISO22000は食品工場だけの規格ではありません。フードチェーンに属するあらゆる組織が導入できる規格になっています。

飼料や野菜などを生産する一次生産業に従事する人や、食料品の輸送に関わる業者、食品販売や包装、添加物などあらゆる業種の方が認証の対象です。

ISO22000は、HACCPとISO900のマネジメントシステムを組み合わせたもので、食品安全の基本である一般衛生管理とHACCPの考えを取り入れた規格であり、世界標準の食品安全のマネジメントシステムです。

食品の安全を仕組みで保証することが、マネジメントシステムであり、会社全体での取り組みが必要です。食品を安心して家庭まで提供することを目指しています。

ISO22000の認証を得るためには、ISOが要求する食品安全マネジメントシステムの要求事項を満たすことで導入することができます。

食品安全マネジメントシステムの要求事項には、HACCPによる食の安全と食品安全の確保を会社の仕組みで請け負うシステムマネジメント、適正に管理するために相互連絡を取り合う相互コミュニケーション、衛生的で安全な状態を維持管理するための基本事項をまとめた前提条件プログラムの4つの要素を組み合わせて構築されています。

食品安全マネジメントシステムの要求事項が求めるのは、会社の施設や作る食品自体を変えるのではなくて、その商品の安全を守るためのプロセスです。

これは、プロセスを重視することで商品の安全性を守れるような会社へと体質を変えるための要求事項で、まさにマネジメントシステムを構築するための規格となっています。

 

ISO22000とISO9001の両方を取得する必要は?

ISO22000は食品安全に特化したマネジメントシステムの国際規格です。別にISO9001という規格も独立して存在しています。こちらは品質マネジメントシステムと呼ばれており、商品の品質や顧客満足の向上を要求事項に含む国際規格となっています。

ISO9001では食品関連ではなくて、主に製造業を対象にして作られたものになっており、よい製品を生み出すためのシステムを作り出すことに軸をおいています。

では、ISO9001が考える良い商品とは何なのか。それは、顧客の満足度が高くなる商品を指します。自分の会社が作った商品を、自分たちで「これは欠陥のない素晴らしい商品です」と言っても、顧客は簡単にそれを信じるとは考えづらいです。

そこで、あくまで商品の良しあしを考えるのはお客様と考えた上で、そのお客様に満足して貰えるような商品作りのプロセスを考えることをISO9001は求めます。

ISO9001を取得する際にも要求事項を満たす必要があり、その内容には商品を作るための方向性や計画書の作成、運用するための手順やコミュニケーションに関する事項について決めていきます。それらを文書化し、実際に社内でその決めたことを実行します。その実行したことをさらに記録し保管管理します。

ISOの審査を行う審査機関に書類を提出することに加え、審査機関の訪問審査にも合格することで、初めて認証されます。

このISO9001ですが、ISO22000にはHACCPとISO9001のマネジメントシステムの考え方が入っています。両方同時に認証されるメリットはないと考えがちですが、実は両方とっても十分な効果を発揮するのです。

ISO22000はHACCPの管理手法を取り入れた食品の安全性を保証する規格です。

それ以外の内容については規格内で求めることはないので、ISO22000の認証をしてもあくまで食の安全を守る保証について認証されたことを意味します。

これに対してISO9001では、顧客満足度を満たす品質が規格の内容になっています。食品に関して顧客の満足度を上げるとなれば、食の安全だけでなく、おいしさや納期など品質についてもマネジメントする必要が出てきます。

ISO9001は、その品質の要項についても考えることが可能です。

この2つは同じように見えますが、ゴールがまったく違うので規格としても認証されるものも違うものになります。そのため、両方のマネジメントシステムを構築することで、自社が提供する食品のクオリティーをより上げることが可能です。

今では食品製造業でもISOの認証を目指す会社も多く、ISO22000(食品安全)だけでなくISO9001(品質)との併用を考えてマネジメントすることがあります。

生産する食品についてISO22000を取得すれば、HACCPの考え方や管理方法を取り入れ安全な製品を作る仕組みを持つ会社として、消費者や関係会社から信頼を高めることが可能です。また、ISO9001を取得すれば顧客から満足されるような食品を生産するために、製品開発や継続的改善をおこなうことができます。

これら各ISOによって強化できるものを考えながら、社内マネジメントを進めていくのが理想です。

 

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。
今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

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