HACCPとISO22000の中身の違い

ISOプロ担当者

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この記事は2018年1月9日に更新されました。

消費者は食品に対して何より安全性を求めています。これまでにも食品に異物が混入したことで大きなトラブルに発展するケースは度々ありました。
そのため、消費者は常に敏感になっているのです。食品メーカーも安全性に過敏になっており、HACCPやISO22000などの取得を考えるケースが増えています。
これらはどういった違いがあるのでしょうか。

HACCP規格の中身

HACCPとはハサップやハセップと呼ばれており、食品の製造・加工工程などで発生する恐れのある微生物汚染や物理汚染などを分析して、汚染のリスクを防ぐガイドラインです。そして、連続的に監視することで安全性の確保された製造を行なうことが出来ます。

このHACCPはアメリカのNASAで開発されたもので、衛生管理のガイドラインとして世界中で採用されています。NASAでは宇宙食の開発も行っており、そういった食品は高い安全性が求められているのです。

ハサップ導入のメリット

それでは、ハサップを取り入れることでどういったメリットがあるのでしょうか。最も大きいメリットは安全で衛生的な食品の製造が出来るということでしょう。

食品に異物が混入することで大きな事件に発展するケースがあるため、消費者は食品に対する安全性に敏感になっています。

そのため、ハサップにしたがって食品を製造することで、そういったリスクを回避することが出来るのです。ハサップを取り入れていることは消費者に対して、安全性の大きなアピールになるでしょう。

また、ハサップでは食品の製造工程を見直すことになりますので、作業効率をアップさせることが出来るのです。作業工程の見直しは不良品の発生を防ぐことにも繋がります。不良品の発生はコストの無駄になってしまいますので、コスト削減にもなるでしょう。そして、製造工程を改善させることで検査工程を減らすことも出来るので、検査費用を抑えることも出来ます。ハサップは多くのメリットがあると言えるでしょう。

ISO22000の中身

ハサップと同様にISO22000取得を目指す食品の製造業は少なくありません。これは食品の安全を保つための国際規格で、ハサップは食品の製造や加工業種を対象にしていますが、こちらはさらに幅広い対象となっています。

具体的には農業、肥料や動物用医療品製造業、材料や添加物製造業、食品製造機械メーカー、食品運送業などが対象になっているのです。

ハサップと比較して対象の幅が異なりますが、それ以外にも特徴があります。ハサップはアメリカのNASAによって考案されましたが、厚生労働省の定めるハサップや都道府県の定めるハサップ、食品業界が定めるハサップなどがあり、それぞれ基準が異なります。

もちろん、それぞれが安全性を高める意味を持っていますが、明確な基準はありませんでした。しかしISO22000は国際標準化機構が定めたもので、国際的に認められています。
こちらの国際規格はハサップの内容を含んでいることから、これまでハサップにしたがっていた食品メーカーが国際規格に移行すると考えられます。

そして、どういった食品メーカーも安全性への取り組みを行っていますが、それを明確にアピールすることが出来ませんでした。しかし、こういった国際規格を取得することで明確にアピールすることが出来るのです。そのため、国際規格を取得することで消費者に安心感を与えることが出来るでしょう。

知っておきたいそれぞれの違い

国際規格であるISO22000とHACCPはこれからの食品にとって欠かせないものですが、これらには明確な違いがあります。最も大きい点はその対象でしょう。

ハサップは食品製造や食品加工に限られていますが、国際規格はそれらの食品製造だけでなく農業や肥料、動物用医薬品製造業や食品運送業も含まれます。

また、ハサップは食品の安全性を保つためのガイドラインであり、明確な基準が設けられていませんでした。そのため、いくらハサップにしたがって安全に食品の製造をしていたとしても、明確な安全の証明とはならなかったのです。

しかし、国際規格であれば明確な基準が設けられているので、安全性の証明になります。食の安全が叫ばれている現代にとって、国際規格の取得は非常に重要なポイントです。

取得をするには工場の製造工程を見直して、食品が汚染されない環境を作る必要があります。そして、具体的にどういった管理が必要なのか、食品安全チームを編成しなければなりません。

取得には大きな手間がありますがそれだけのメリットがあります。食品に異物の混入することで大きな問題になることがあります。そのため、食品メーカーは安全に製造を行なうためにハサップや国際規格であるISO22000の取得を目指しているのです。

HACCPは明確な基準がありませんが、国際規格であればそういった問題がありません。さらに、国際規格は食品メーカーだけでなく農業や食品運送業なども対象になっています。

農業と食品安全GAP(Good Agricultural Plactice:農業生産工程管理)

食品産業においては衛生環境の管理・対策としてHACCPなどの制度を導入する企業や事業体が増えております。農林水産省の政策としてもHACCP支援法などが実施されております。

HACCPによる衛生管理・検査は、アイテムごとのガイドラインに示されている重要管理項目(CCP)を中心に管理・検査していくものでありますが、製造工程を介さない農業においては、天候環境などの不確定な要因が介在するためそれらの検査・管理基準では衛生対策ができない領域もあり、それを補填するものとしてGAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)という認証制度が農業従事者へ推進されております。

おおまかには農業作物の衛生検査、環境保全、農業従事者の労働安全検査などを確保するための取り組みを取り決めるものであり、これを多くの農業従事者や事業体が導入することにより、事業は継続の可能性が確保され、また衛生対策環境、労働安全環境、品質などの向上も期待できるようになります。

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出典:食料産業局:農林水産省 - 平成28年度 食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査

食品製造業におけるHACCP導入による効果(調査・統計)

農林水産省の調査した統計によると、HACCPを導入した大多数の企業において、企業イメージだけでなく、品質・安全性や従業員の意識の向上にも認証取得が役に立ったことを読み取ることが出来ます。

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出典:食料産業局:農林水産省 - 平成28年度 食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査

また導入予定のHACCP方式を調査した統計においては、国際的な第三者認証であるFSSC22000やISO22000を取得する企業や、地方公共団体や業界団体によるHACCPを取得する企業など企業によって選択が分かれていることを知ることが出来ます。

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。
今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

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