FSSC22000の取得を検討し、調べている方はISO /TS22002という言葉を目にした方が多いのではないでしょうか。ISO/TS22002は前提条件プログラムの国際規格のことで、FSSC22000を取得するのに必要なものです。
この記事ではISO/TS22002について、FSSC22000との関係性、規格の種類などを解説します。

ISO/TS22002

ISO/TS22002とは

ISO/TS22002とは、食品に関わる事業向けの前提条件プログラム(PRP)の国際規格のことです。シリーズ化されていて、カテゴリ(分野)別に現在6種類の仕様書があります。

もともとは前提条件プログラムの詳細な記載がないISO22000と併せて利用できるように開発された規格です。ISO22000と比べより具体的に前提条件プログラムについて記述されています。FSSC22000では取得にあたって必須事項となっていますが、ISO22000では「できれば参考にしてPRPを確立しましょう」という扱いとなっています。

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前提条件プログラムとは

前提条件プログラム(PRP)とは、食品安全衛生上におけるハザードを減少させるために前提となるルールのことです。
どんなにハイレベルでハザード管理に取り組んでいても、細菌などが食材に付着したり、付着した細菌が増えたり、細菌を除去できない 環境 であれば、管理が意味をなさない管理以前の問題となります。ハザード管理が機能するように、取り組む前に大前提としてやっておかなくてはいけないものが前提条件プログラムなのです。

代表的なルールは5S活動 (整理、整頓、清潔、清掃、躾)や7S活動(5S活動に加え、洗浄、殺菌)、低温保存や加熱調理などがあります。

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FSSC22000との関係

FSSC22000では、①ISO22000規格、②前提条件プログラム(PRP)のための分野固有の仕様書、③追加要求事項に沿ったマネジメントシステム の構築と運用を求めています。このうちの②前提条件プログラムのための分野固有の仕様書がISO/TS22002に当たります。

FSSC22000を取得するには、ISO/TS22002の要求事項も満たさなければいけません。自社のサービスが当てはまるカテゴリ(分野)の前提条件プログラムに取り組む必要があります。

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ISO/TS22002の種類

食品を扱う食品製造と食品を扱わない食品容器包装の製造で同じ前提条件とするには無理があります。そこでカテゴリ(分野)別に6種類の前提条件プログラムを用意しています。

ISO/TS22002で用意されているカテゴリは食品製造、ケータリング、農業、食品容器包装の製造、輸送・保管、資料及び動物用食品製造の6種類です。FSSC22000の業種カテゴリ(分野)は大きい括りで8種類あるため、該当しないカテゴリは違うカテゴリ用のISO/TS22002を併用したり、PAS221などの前提条件プログラムを用いることとなります。

ISO/TS22002-1(食品製造)

食品製造向けに2009年に発行された前提条件プログラムの国際規格。4-18章で構成されています。BSIが発行したPAS220(食品製造のための食品安全に関する前提条件プログラム)をベースに作られました。
4-13章まではISO22000の8.2.4項にも記載されていますが、14-18章は新たに追加されたISO/TS22002-1独自の内容となっています。

4.建物の構造と配置
5.施設及び作業区域の配置
6.ユーティリティ~空気、水、エネルギー
7.廃棄物処理
8.装置の適切性、清掃・清浄、及び保守
9.購入材料の管理(マネジメント)
10.交差汚染の予防手段
11.清掃・洗浄及び殺菌・消毒
12.有害性生物の防除(ペストコントロール)
13.要員の衛生及び従業員のための施設
14.手直し
15.製品リコール手順
16.倉庫保管
17.製品情報及び消費者の認識
18.食品防御、バイオビジランス及びバイオテロリズム

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ISO/TS22002-2(ケータリング)

ケータリング業向けに2013年に発行された前提条件プログラムの国際規格。宴会場での食事提供、学校給食、ホテルの食事提供、セントラルキッチンなどがケータリング業に該当します。4-5章で構成されています。

4.一般的前提条件プログラム(4.1-4.12項)
施設の配置、水の供給、設備及び器具、要員の衛生管理 、購買管理、倉庫保管及び配送、清掃・洗浄及び殺菌・消毒、廃棄物管理、有害生物及び家畜の管理、責任者及び監督者、文書化及び記録、製品リコール手順

5.特定前提条件プログラム(5.1-5.10項)
解凍、前処理、加熱処理、取り分け、冷却及び保管、冷凍・保管及び解凍、配送、食品の再加熱、フードサービス、識別及び衛生管理システム

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ISO/TS22002-3(農業)

農業向けに2011年に発行された前提条件プログラムの国際規格。農業だけでなく、畜産、水産業もこの規格に該当する。4-7章で構成されています。
4.一般要求事項

5.共通の前提条件プログラム(5.1-5.13項)
一般、立地、構内の建設及び配置、装置の適切性及び保守、要員の衛生、作業動物、購買管理、農業での保管及び輸送、清掃・洗浄、廃棄物・排泄物の管理、農業構内における有害生物の防除、安全ではないと疑われる生産物の管理、外部委託された活動

6.作物生産特有の前提条件プログラム(6.1-6.5項)
一般、灌漑、施肥、植物保護製品、収穫及び収穫後の活動

7.動物生産特有の前提条件プログラム(7.1-7.7項)
一般、動物のための飼料と水、衛生管理、搾乳、殻付き卵の採卵、とさつのための準備、水産動物の育成・捕獲及び取扱い

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ISO/TS22002-4(食品容器包装の製造)

食品容器包装の製造向けに2013年に発行された前提条件プログラムの国際規格。食品包装や包装材の製造を行う業種(木材及び木材製品、パルプ・紙及び紙製品、ゴム及びプラスチック製品など)が該当します。4章のみで構成されています。

4.包括的前提条件プログラム(4.1-4.15項)
施設、配置及び作業空間、ユーティリティ、廃棄物処理、装置の適切性・清掃・清浄及び保守、購入材料及びサービスの管理、汚染の予防手段、清掃・洗浄、有害生物の防除、要員の衛生及び設備、手直し品、回収て順、保管及び輸送、食品容器包装に関する情報及び顧客とのコミュニケーション、食品防御及びバイオテロリズム

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ISO/TS22002-5(転送・保管)

輸送及び保管向けに2019年に発行された前提条件プログラムの国際規格。4章のみで構成されている。

4.輸送及び保管のための前提条件プログラム(4.1-4.9項)
一般的要求事項、施設、設備機器、購入した資材及びサービスの管理、輸送及び保管作業、衛生、物品の識別、製品の回収/リコール、物品の保護

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ISO/TS22002-6(飼料及び動物用の食品の製造)

飼料及び動物用の食品の製造向けに2016年に発行された前提条件プログラムの国際規格。飼料、ペットフードなどの製造が該当する。4章のみで構成されている。

4.包括的前提条件プログラム(4.1-4.14項)
施設、レイアウト及び作業スペース、ユーティリティ、廃棄物処理、設備・機器の適合性・洗浄及び保守、購入した資材・サービスの管理、交差汚染の予防手段、洗浄及び消毒、有害生物の防除、要員の衛生、手直し品、回収手順、保管及び輸送、包材情報及び消費者の認識

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