HACCP導入の対象業種は?

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HACCPは元来、アポロ計画の中で宇宙へ持ち込む食品の絶対的な安全性を維持するために考案された食品衛生管理の手法であり、1970年代にアメリカで一般的な食品を対象に導入されました。

1993年には、全世界へ向けてコーデックス委員会がHACCPのガイドラインを示し、現在では多くの国で採用される国際基準となっています。

先進国を中心にHACCPを義務化する国が増えている中、日本では2020年を目標に食品を扱う全業種にHACCPを義務化する取り組みがなされているところです。

ここでは、HACCP導入の対象業種と、なぜHACCPが必要とされてきたのかについて詳しく解説します。

HACCP導入の対象業種について

HACCPは、食品を製造する業者が行うべき衛生管理手法の一種です。原材料の搬入から、製造、梱包、出荷まで全ての工程で起こりうる食品汚染の危険因子を分析し、その危険を回避するための衛生管理を科学的根拠に基づいて行うものです。

また、形式化した衛生管理が正確に行われているかを随時記録し、問題が生じた時に「どの工程でどのような危険因子が生じたのか」という点をスムーズに事後分析できる仕組みになっています。

HACCPの導入には、専門的知識を持つ人材が必要であり、コストもかかるため、日本では危険因子の管理レベルに合わせて全業種の段階的な導入を行っています。

コーデックス委員会が示した国際基準を順守したHACCPを行うものは「基準A」、一般的な衛生管理を基に、可能な限りHACCPの考え方を取り入れて危険因子と衛生管理を行うものは「基準B」とされています。

当然ながら、基準Aでは人材もコストもかかるため、資本力のある大企業や、より厳密な衛生管理が必要となる屠畜場、食肉解体施設などが対象となります。

その他一般的な食品業者は基準Bが対象とされており、食品衛生法で定められている許可業種の34業種以外にも、フードチェーンを構成する全ての業種が対象となっています。

将来的にはあらゆる食品が対象に

現在、厚生労働省が認定しているHACCPの考え方を基にした衛生管理手法である「総合衛生管理製造過程」では、対象食品は缶詰、レトルト食品などの容器包装詰加圧加熱殺菌食品、かまぼこ・はんぺんなどの魚肉練り製品、乳・乳製品、清涼飲料水、食肉製品が対象となっています。

しかし、HACCPはこれらの限定された食品だけでなく、世に流通している全ての食品が対象となります。

2020年には、HACCPの導入が義務化される予定ですが、あらゆる食品とそれに関わる業種が対象とされると考えられており、来るべき義務化へ向けて全ての食品に関わる業者がHACCP導入のための準備を始めなければならなくなっているのです。

HACCPが必要とされてきた理由は?

HACCPのガイドラインが示されてから20年以上が経過しましたが、今ではHACCPを義務化する国が増えており、食品の国際取引の場においてもHACCPに則った衛生管理が求められる機会が増えています。

今やHACCPは食品衛生管理の国際基準であり、国際取引に必須となりつつあるのです。

また、日本は超高齢化社会に突入し、食の外注化が進んだ上に、些細な食品汚染でも健康被害を受ける高齢者の増加によって、より一層食の安全性が求められるようになりました。さらに、インターネットの普及によって様々な口コミが広がるようになり、食品の汚染問題は企業にかつてないダメージを与えます。

そのため、食品を扱う業者は従来の未熟な衛生管理方法ではなく、国際基準に合致した高度なHACCPの導入が求められるようになったのです。

このような背景もあり、日本では2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに合わせて国内外に食の安全性をアピールするため、同年までの全業種のHACCP導入を目指して、段階的に義務化を行う計画を立てているところなのです。

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今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

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