HACCP導入で食品工場はどのように変わるべきか

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HACCPとは、宇宙食の安全性を確保するために考案された食品衛生管理の手法であり、その後世界各国で様々な食品に適応されてきました。1993年には、国連の機関である食品企画委員会からガイドラインが示され、今やHACCPは食品衛生管理の国際基準になっているのです。

こうして先進国を中心にHACCPの義務化が進む中、日本における全食品製造業者のHACCP導入率は3割程度と少ない状況のため、2020年を目途に全業者を対象として導入義務化を目指しているところです。食品工場も例外ではなく、資本の少ない小規模な工場でも導入が義務付けられることになりますが、ここでは食品工場はHACCP導入の義務化へ向けてどのような対策を行えばよいのか、詳しく解説します。

食品工場がHACCPを導入する目的は?

HACCPの考え方が広く普及する前の食品製造業者の安全管理は、「抜き取り調査」に依存していました。抜き取り調査とは、最終的に出来上がった製造物をランダムに抜き取り、その品質を調査するものです。調査対象は、抜き取られた一部の製造物に限られていたため、汚染された製造物が調査をすり抜けて流通してしまう可能性がありました。また、調査で問題が生じても、どの製造工程でどのような問題が生じていたのかを後から追跡することは難しく、問題が生じても解決へ向けてのフィードバックを行えないことも多々ありました。

一方、HACCPは、原材料の搬入から製造、梱包、出荷の全ての工程で起こりうる食品汚染の危険を事前に予測し、その危険を回避するためにどのような対策を行えばよいのかを科学的に分析するという手法が取られます。また、形式化された衛生管理方法は、的確に行われているかどうかが記録されるため、管理方法から外れた製造が行われた製造物に対して汚染の危険性を予期することが可能となります。そのため、汚染食品の出荷を未然に防ぐことができるのです。

食品工場にとって、汚染食品の出荷は大規模な食中毒などの健康被害を広げることにもつながりかねません。その経済損失も多大なものになるばかりでなく、一度失った信頼は回復するのに並々ならぬ努力が必要となります。これらの損害を防ぐためにも、HACCP導入は食品工場に大きな利益をもたらすのです。

また、近年ではHACCPの考え方が広く普及しているため、HACCPに基づく衛生管理を行っている製品は信頼度が高く、ブランディングやアピールポイントにもなります。

HACCP導入に求められる設備条件は?

食品工場がHACCPの認証を受けるには、施設が適切な要件を満たしている必要があります。項目は、工場の建物内部だけではなく、工場の周辺や建物の外側など外部にも及びます。また、建物内部に関しては、手洗い設備や各工程が交叉しないようなゾーニング、換気、排水などに関する様々な項目が設定されており、それらを満たす必要があります。しかし、古い工場でも、食品が汚染されないように留意した管理やビニールカーテンによるゾーニングなどを行えば、大掛かりな修繕を行う必要はありません。

HACCP導入が求められるようになった背景は?

国連機関からHACCPのガイドラインが示されてから20年以上が経過していますが、今では先進国を中心に、全食品製造業者に導入を義務付けている国が増えてきました。日本でのHACCP導入率は3割程度であり、特に資本が少ない小規模な業者の導入率は2割に満たないのが現状です。

しかし、近年食品の国際取引の場では、HACCPに基づく衛生管理が行われていることが求められつつあり、HACCPは国際取引にも必須となることが予想されています。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、国内外に日本の食品安全をアピールする絶好の機会にもなるため、政府は2020年までに導入義務化を目指しています。

日本は超高齢化社会に突入し、些細な食品汚染でも大規模な食中毒を引き起こす可能性が高くなり、食の安全性が以前よりも重要視されるようになってきました。そのため、従来の衛生管理ではなく国際基準に則った衛生管理手法であるHACCPの導入が求められる社会になっているのです。

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