HACCPとは、1970年代にアメリカで導入された食品衛生管理の手法であり、今では衛生管理の国際基準として広く普及しています。

HACCPは、食品の原材料から製造、出荷段階までを含めたすべての工程で起こりうる食品汚染の危険因子を予測し、その危険を回避するための管理方法を科学的根拠に基づいた方法を分析して実行するという考え方です。

従来の抜き取り検査による衛生管理に比べ、全工程での汚染の危険を監視することが可能であり、先進国を中心にHACCP導入を義務化する国が増えています。

日本でのHACCP導入率は3割弱であり、国際基準に則った食の安全を確保すべく、2020年までに段階的に全ての食品製造業者に導入を義務化する予定となっています。

そんなHACCPの導入には、7つの原則と12の手順に沿った計画が必要です。

ここでは、7原則12手順とはどのようなものかを詳しく解説していきます。

HACCP(ハサップ)導入のための7原則12手順とは

HACCPの認証を受けるには、自社の食品衛生管理指針を作成する必要があります。HACCPは責任者などの数名で行うものではなく、業者全体で行う必要があり、衛生管理の知識がある人員や各工程の責任者などがチームを編成し、各工程での危険因子と管理方法を話し合うことが導入の第一歩です。

そこで重要となるのが7原則12手順なのですが、これは1993年に国連の機関であるコーデックス委員会が示したガイドラインによるもので、国際基準となっている食品衛生管理の一連の流れです。ここでは、危険因子を分析するための準備段階を手順1~6とし、HACCPチームの編成、自社製品の分析、製造工程の一覧図作成などが含まれます。

そして、手順1~6の順序を経て準備が整ったら、手順6~12の段階へ進むわけですが、これは危険因子を分析し、HACCPプランを練るための手順です。

これらの手順6~12は、それぞれ原則1~7であり、危険因子の分析(手順6)を行い、管理方法の模索(手順7)、管理基準の設定(手順8)を行います。

そして、設定した管理方法が正確に行われているかをモニタリングする方法を決め(手順9)、問題点があった場合に管理法を改善するための方法(手順10)、検証方法(手順11)、それらの記録の残し方(手順12)を決定します。

つまり、HACCPを進めていくには、手順1~6に従って準備を整え、手順6~12(原則1~7)に則ったプランを立てる必要があるということです。

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導入レベルの「基準A」「基準B」とは?

日本では、2020年を目標に全食品製造業者にHACCP導入の義務化を目指していますが、現時点での導入率は3割弱であり、資本力の強い大企業ほど導入率が高く、小規模な業者ほど導入率が低いというデータがあります。

そのため、全ての業者に対して完成されたHACCPを導入するのではなく、行う安全管理のレベルを2段階に分け、段階的にHACCPを浸透させる試みが行われています。

この安全管理のレベルは2段階に分けられ、それぞれ基準A基準B とされています。基準Aは、コーデックス委員会が示した7原則12手順が厳密に行われていることが条件となり、大企業や畜産場、食肉処理所が対象となります。

一方、基準BはHACCPの考え方を基にして、一般的な衛生管理を中心として可能な限りで危険要因の分析とその危険に特化した衛生管理を行うものです。

一般衛生管理の対応を行うことで、食品汚染の危険がほとんどなくなる小規模な業者が対象とされています。

HACCP(ハサップ)導入のために求められる組織としての取り組み

HACCPは、各業者の責任者だけが行えば良いものではなく、より多くの人員が携わる必要があります。そのため、HACCPの考え方や一般的な衛生管理に関しての知識が豊富な人員の育成が重要となるでしょう。

地域での講習会やe-ランニングなどで人員の教育の場を持ち、全ての職員が安全管理に対する意識を高めることが求められます。

また、各工程での安全管理に問題が生じた場合には、改善策をその工程に属する人員が中心となって議論することも、HACCPを正しく遂行するための必須事項となるでしょう。

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