HACCPは危害要因分析重要管理点を中心とした衛生管理の手法ですが、従来型の衛生管理である一般衛生管理プログラムとは異なるものです。HACCPはこの一般衛生管理プログラムを前提条件としており、2020年6月に義務化されたHACCPを構築するためには一般衛生管理の実施も必要になります。

一般衛生管理に関しては、多くの食品関連事業者が当たり前のように行っていることかと思いますが、今一度整理していきましょう。

一般衛生管理で整備しておくべき要件

一般衛生管理では、「製造環境の清潔を保つ」「異物・ゴミ・微生物を減らす」「5Sを徹底する」といった基本的な衛生管理を行っていきます。以下ではどのようなポイントをチェックすれば良いのかということを簡単にまとめていきたいと思います。

施設設備の衛生管理

施設内の衛生状態が良好に維持管理するため、施設内外の清掃を定期的に行い、また適切な管理がされているかということを定期的に点検します。

▼ポイント

  • 整理整頓を行っているか
  • 清掃がしやすいように機器や設備と壁の感覚が空いているか
  • 床の下まで清掃が行き届くように設備と床の間を空ける
  • 製品を床に直置きしないように適切な位置に作業台が設置されているか
  • 水が流れやすいように斜面形状にする
  • 更衣室や作業場、廃棄場などのゾーニングを行う

従業員の衛生教育

従業員一人ひとりが衛生意識を持ち、食品の汚染と劣化を防ぐ責務があることを自覚
させる教育を行います。

▼ポイント

  • 従業員は「するべきこと」と「してはいけないこと」を正しく認識しているか
  • 授業員は円滑に衛生管理のための行動を実現することができるか
  • 従業員は衛生管理を確実に行動する意欲があるか
  • 従業員は食品を汚染する微生物の種類やその微生物が及ぼす危害内容について知識があるか
  • 従業員は微生物によって食品が汚染されないように制御する知識を有しているか

施設設備や機械器具の保守点検

施設や設備、器具などが製造・調理に使用するにあたって望ましい状態を維持できているかどうかを管理します。

▼ポイント

  • チェックリストなどを用いて保守点検が行えるようにできているか
  • 洗浄、殺菌は確実な方法で実践されているか
  • 5Sは実行されているか

鼠族・昆虫などの防除

鼠族や昆虫の有無、それらが侵入してこないような対策がしっかり取られているかどうかを点検し、定期的に駆除を行います。

▼ポイント

  • 施設内に鼠族昆虫が侵入しているかどうかを定期的に点検できているか
  • 施設内あるいは施設周辺に鼠族昆虫を誘引する要因はないか
  • 侵入があった場合は侵入経路を特定し、対策することができるか
  • 敷地内に鼠族昆虫の発生源をなくす
  • 排水溝や換気扇など、侵入経路になりそうな場所の防鼠対策ができているか

使用水の衛生管理

原料として用いる水や製品に接触する作業用水は食品衛生法で定められた規定の水を使用するようにします。

▼ポイント

  • 作業用水と消防水、暖房用の水、冷凍機用の水などは混入しないように配管が分けられているか
  • 使用水を再利用する場合は、適切な処理を行っているか
  • 提供される、あるいは製品に使用する水は殺菌を行われたものであるか
  • 水道水以外を作業用水として使用する場合は、定期的に水質検査を行っているか

排水及び廃棄物の衛生管理

排水やゴミは作業場とは隔離して廃棄できているか、周辺の施設にも影響が及ばないように管理できているかをチェックします。

▼ポイント

  • 排水設備は逆流が発生しないよう定期的に整備・点検が行われているか
  • 作業場の排水の方法は適切かどうか
  • 水質汚染防止法を遵守しているか
  • 蓋付きのゴミ箱を使用しているか
  • 廃棄物処理法を遵守しているか
  • 廃棄場と作業場は明確に区分され、作業場が汚染されないように対策されているか

従業員の衛生管理

実作業を行う従業員が汚染源とならないよう、清潔で健康な状態を維持できるように支援します。

▼ポイント

  • 健康状態の管理を行っているか(検便、日常の健康チェック)
  • 手洗いなど、従業員の自発的な5Sを促す設備が整っているか(石鹸、消毒液の配置)
  • 汚染が発生する可能性を減らせるような設備になっているか(例えば、消毒したあとに靴を履き替えてしまっては汚染を防止できない)

食品の衛生的取り扱い

原材料や加工する食品の清潔が保たれるようにします。また、食品が汚染されても二次汚染が防げるような対策を取る必要もあります。

▼ポイント

  • 食品の受け入れ基準を設ける
  • 保管方法や保管場所の区分け、温度は適切で、二次汚染を防ぐことができるか
  • 食品とその他の備品は明確に区分けできているか
  • 衛生作業手順を遵守できているか
  • 交差汚染防止対策がなされているか

食品の回収プログラム

万が一事故が発生した場合、事故の被害が最小限に食い止めるために回収手順を定め、保健所に報告するまでの一連の手順を決定しておく

▼ポイント

  • 回収プログラムが迅速に発動できるように従業員に周知しておく
  • 回収プログラム発動後、速やかに保健所に報告し指示を受けられるように体制を整備する

製品など、試験検査に用いる設備等の保守管理

試験検査の信頼性を保証することができるように点検や定期的な校正を行い、適切に管理します。

▼ポイント

  • 検査機器、設備をリスト化し、管理する
  • 点検結果や校正結果は記録し、保管する
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