ISOコンサルタントと行政書士の違い~HACCP構築の外部依頼~
- 7原則12手順に沿って衛生管理手法の導入を行う必要がある
- 行政書士は法律に強いため、どの程度のことをすれば法律に適合するかアドバイスをもらえる
- ISOコンサルタントは業務のスリム化などの業務を日常的に行っているため、企業の状況や業務フローに合わせたHACCPを提案することが可能で日常業務の負担になりにくい
2020年に義務化が開始するHACCPですが、7原則12手順に沿って衛生管理 を行っていくのですが、法律に適合した衛生管理を行うためには、外部の人間の手を借りることもあるでしょう。
外部に依頼するパターンとしては、主に2種類あり「行政書士」か「ISO
コンサルタント」に依頼することが多いです。
行政書士は法律に特化しているため法務的観点から幅広いアドバイスをしてもらえるでしょう。
一方でISOコンサルタントは企業の状況や業務フローに合わせたHACCPを提案するため、日常業務の負担になりにくいのが特徴です。
この記事では行政書士かISOコンサルタントどちらにHACCP構築を依頼したらよいのか、それぞれの特徴を解説していますので参考にしていただければと思います。
そもそもHACCP義務化では何をするのか?
そもそもの話になりますが、2020年に義務化されるHACCPでは何を行わなければならないのでしょうか? 結論から申し上げると、「HACCPに基づいた衛生管理手法の導入」を行う必要があります。
HACCPに基づいた衛生管理には、2020年時点では基準Aと基準B に分けられており、規模によって「どこまで対応するか」が異なってきます。HACCPには7原則12手順というものが存在し、12の手順を正しく理解し衛生管理を実行していくことが重要であるとされていますが、小規模な飲食店などではこの12の手順を行うことは結構な負担となってしまいます。——そこで設けられたのが、基準Bという CCP ( 重要管理点 )を必要に応じて設けて管理するという基準になります。
HACCP導入の目的によってコンサルタントは使い分けよう
——さて、では本題に戻りましょう。HACCP構築においては、ISOコンサルタントのようなマネジメントシステムの構築を行うことに長けたコンサルタントと、行政書士のような法律に詳しいコンサルタントの2種類のコンサルタントのうち、どちらのコンサルタントを入れるべきなのでしょうか?
法律の適合を目指すなら行政書士
行政書士は行政手続きを行うことを専門とする法律家のことで、非常に広い業務範囲を持っています。許認可申請の代行を行ったり、法令遵守のためのビジネスコンサルタントを行ったりするのが行政書士です。
このため、2020年から開始する改正食品衛生法へ適合させるためのコンサルタントとして行政書士をコンサルタントとして迎え入れ、法律に適合した衛生管理手法の構築を行う企業もいくつか存在します。
行政書士はやはり「法律に強い」ということがメリットであり、法務的観点から幅広いアドバイスをしてもらうことが可能です。
「HACCPの義務化」とはいっても官公庁でもHACCPの認識が曖昧なまま進められてきています。このため、「どの程度のことをすれば法律に適合するか」という点についてアドバイスをもらうなら、行政書士のほうがそのあたりのニュアンスを理解しているでしょう。
つまり、「最低限の労力で法令遵守のためのHACCPを取り急ぎ構築したい」と考えるのであれば行政書士に依頼してみると良いかもしれません。
ただし、行政書士はマネジメントシステムのプロではないため、構築したHACCPが重荷になってしまうかもしれません。——もちろん、依頼する行政書士によってはマクロ的な観点から既存の衛生管理マネジメントシステムにうまくHACCPを組み込んでくれるかもしれませんが、その点においては後述のISOコンサルタントのほうが長けているといえるでしょう。
マネジメントシステムの一部として組み込むならISOコンサル
対してISOコンサルタントは、マネジメントシステムの構築に長けたコンサルタントです。業務の効率化・既存マネジメントシステムへの組み込み・衛生管理水準の継続的な向上などの観点からHACCPの導入を支援したもらうことができるのがISOコンサルタントの魅力です。
HACCPはISO22000や他の食品関連のマネジメントシステム規格にも採用されている優れた衛生管理手法であるため、こういった規格を後に取得することを検討しているのであれば、なおさらISOコンサルタントを入れるほうが良いといえるでしょう。
また、ISOコンサルタントは業務のスリム化や文書化などの業務を日常的に行っているため、企業の状況や業務フローに合わせたHACCPを提案することが可能です。
このため、ISOコンサルタントの力を借りてHACCPを構築した場合には、日常業務の負担になりにくく、マネジメントシステムの運用も楽になる傾向があると考えることができます。
まとめ
HACCP義務化は2020年から開始となります。2021年の6月までは猶予期間があるとはいえ、マネジメントシステムの構築には時間がかかるため、なるべく早めの対応が必要になるでしょう。
コンサルタントへの委託を検討している場合はなおさらなるべく早めに準備を進めるようにしましょう。
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