【図解】GFSI承認スキームとは?種類・違い・取得メリットを解説

FAQGFSI承認スキームに関するよくある質問
GFSI認証とは、一般にGFSI(国際食品安全イニシアチブ)が定める要求事項に基づいて承認した食品安全認証スキームの認証を指します。
最近では、食品関連業者が食品安全に関するリスクへの対策を行うことは、社会的責任として消費者から求められており、取引先からの要求への対応や国内外での取引につながる場合があります。
そのため、食品関連業者にとって「食品安全マネジメントシステムの構築・運用」は事業を継続するうえで欠かせない仕組みです。
そこで、この記事ではGFSI承認スキームの概要や種類、違いをわかりやすく解説します。さらに、自社に適したスキームの選び方や取得するメリット、認証取得までの流れも紹介します。
目次
GFSI(国際食品安全イニシアチブ)とは?わかりやすく解説
GFSIとは、食品業界における安全性向上を目指す国際食品安全イニシアチブ(Global Food Safety Initiative)という非営利団体の略称です。世界中の食品関連企業や流通業界が参加し、食品安全マネジメントの標準化・効率化・透明性向上を推進しています。
GFSIは、世界的な消費財流通業界の組織体であるTCGF(The Consumer Goods Forum)の取り組みの一環として設立され、世界70か国以上の約400社が加盟しています。
日本からもイオンやキリンホールディングス、日清フーズなどの大手食品企業がTCGFの会員となっています。
GFSIの目的

GFSIは、食品安全に関する認証スキームの共通化や食品安全管理の向上を通じて、食品サプライチェーン全体の安全性と効率性を高めることを目的としています。
主な目的は以下のとおりです。
- 食品安全に関する認証スキームの収束と同等性の確保
- 業務の重複を減らし、食品安全管理の効率化を図る
- 食品安全に関する知識や能力の向上を促進する
- 食品業界の関係者が知識や情報を共有できる場を提供する
GFSIでは、こうした目的のもと、食品安全に関するベンチマーク要求事項を定めています。認証スキームがこの要求事項を満たしていると評価されることで、GFSI承認スキームとして位置づけられます。
GFSI発足の背景
GFSI(国際食品安全イニシアチブ)が設立された背景には、以下のような食品業界を取り巻くグローバルな課題があります。
- 食品安全事故やリコールが多発したこと
- 原料の調達・加工・生産がグローバル化したこと
- 監査の重複によるコスト増や現場の疲弊があったこと
- 食品安全規格が多様化していたこと
こうした事態を受けて、世界の主要食品企業が食品安全の国際的な統一規格の必要性で合意し、GFSIの設立が決定しました。GFSIは、業界全体の安全性向上と効率化を目指し、各企業が協力して取り組む団体として活動を開始したのです。
GFSI承認スキームとは?

GFSI承認スキームとは、GFSIが定める食品安全に関する要求事項との同等性が認められた食品安全認証スキームのことです。GFSI自体が企業を認証するのではなく、FSSC22000やJFS-C、SQFなどの食品安全認証スキームを評価し、一定の要件を満たしたスキームを承認しています。
GFSI承認スキームとGFSIの関係
GFSIとGFSI承認スキームは、「評価する側」と「評価される側」という関係にあります。
GFSIは、食品安全マネジメントシステムやHACCP、適正製造規範(GMP)、適正農業規範(GAP)などに関する要求事項を定め、認証スキームを評価するためのベンチマークの枠組みを設けています。
この要求事項に対して認証スキームが適合しているかをGFSIが評価し、同等性が認められるとGFSI承認スキームとして位置づけられます。
GFSI承認スキームが求められる理由
GFSI承認スキームが求められる主な理由は、自社の食品安全管理の取り組みが国際的な基準に満たしていることを、第三者認証によって示しやすくなるためです。
食品メーカーや流通事業者などの取引では、納入先から食品安全に関する監査や認証取得を求められることがあります。GFSI承認スキームを取得していれば、客観的に食品安全性を示せるため、取引先からの食品安全管理に関する要求に対応しやすくなります。
また、取引先ごとに異なる監査を受ける代わりに、GFSI承認スキームの認証を共通の基準として活用できる場合があり、監査対応の負担軽減につながることもあります。
代表的なGFSI承認スキーム一覧

GFSI承認スキームには、食品製造を対象とするFSSC22000やSQF、農業生産を対象とする認証スキームなど、さまざまな種類があります。
自社の業種や食品カテゴリーによって適用できるスキームが異なるため、取得を検討する際は対象範囲や取引先の要求を確認することが重要です。
代表的なスキームの特徴を以下にまとめます。
| スキーム | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| FSSC22000 | 食品製造、食品包装、保管・輸送など | ISO22000を基盤とした食品安全マネジメントシステム認証 |
| SQF | 一次生産、食品製造、保管・流通など | HACCPを基盤とした食品安全認証で、食品業界の幅広い分野に対応 |
| ASIAGAP | 農業生産 | 食品安全や農場管理などを対象とした日本発のGAP認証。GFSI承認は2025年6月に終了 |
| JFS-C | 食品製造など | 日本発の食品安全マネジメント規格。2026年8月にVersion 3.2がGFSI承認を取得 |
※GFSIの承認状況や対象範囲は変更される場合があるため、取得時は各スキームの最新情報を確認してください。
FSSC22000(Food Safety System Certification)
FSSC22000とは、「CIAA(EU食品・飲食産業連合)の支援を受け、食品安全認証財団が開発した食品安全認証システムに関する国際規格」です。
※CIAA(現:FoodDrinkEurope)
HACCPやISO22000をベースに、前提条件プログラム、追加要求事項を加え、より確実な食品安全を実現するために策定されました。
FSSC22000の詳細は、以下の記事をご覧ください。
SQF(Safe Quality Food)
SQFとは、「オーストラリアの政府機関により策定された食品の製造過程・製品認証基準」のことです。
3段階のレベル別、モジュール化による産業分野別の要求事項が特徴です。レベル3では食品安全だけでなく、品質管理の仕組みも要求されているため、より高度な食品安全を実現します。
SQFの詳細は、以下の記事をご覧ください。
ASIAGAP
ASIAGAPとは、「アジア共通の認証制度を目指している食品安全・農場管理・環境保全などの管理基準とその取り組みに関する認証制度」のことです。
HACCPをベースとした考え方や食品防御・食品偽装防止などの要素が含まれており、ASIAGAP認証は、青果物、穀物、茶の3つの分類ごとに行われます。
JFS-C規格(食品カテゴリ:EI、EIII)
JFS規格とは、「一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が策定した食品安全マネジメントシステム規格」です。日本で開発された制度ではじめて認証されたGFSI承認スキームであり、日本の企業文化や食文化に適した内容になっています。
衛生管理のレベルによって3段階に分けられており、GFSI認証を受けているのはJFS-Cのみです。JFS-AやJFS-Bは承認を受けていないため、注意が必要です。
自社に適したGFSI承認スキームの選び方

GFSI承認スキームを選ぶ際は、自社の業種や食品カテゴリーだけでなく、取引先から求められている認証や国内外の取引状況まで確認することが重要です。
同じGFSI承認スキームでも対象範囲や要求事項が異なるため、自社の事業内容と取引上の条件を照らし合わせて選びましょう。
取引先から指定されているスキームを確認する
GFSI承認スキームを選ぶ際は、まず取引先から特定の認証スキームを指定されていないか確認しましょう。
取引先によっては「FSSC22000」「JFS-C」など、取得する認証を具体的に指定している場合があります。
GFSI承認スキームであればどれでも取引条件を満たせるとは限らないため、取得前に取引先へ必要な認証や取得条件を確認しておくことが大切です。
対象となる業種・食品カテゴリーから選ぶ
自社の業種や取り扱う食品が、検討しているGFSI承認スキームの認証対象に含まれているか確認することも重要です。
GFSI承認スキームには、食品製造、一次生産、食品包装、保管・輸送など、それぞれ対象となる業種や食品カテゴリーが設定されています。
例えば、食品製造事業者と農業生産者では適用できるスキームが異なるため、自社の事業内容に対応しているかを確認してから候補を絞り込みましょう。
国内取引と海外取引のどちらを重視するかで選ぶ
国内取引を中心とするのか、海外企業との取引や輸出を重視するのかによっても、適したスキームは変わる場合があります。
海外の取引先から特定のGFSI承認スキームを求められている場合は、その要求に対応できるスキームを優先する必要があります。
一方、国内取引が中心の場合は、取引先からの要求に加えて、自社の食品安全管理体制や取得後の運用負担なども比較するとよいでしょう。
GFSI承認スキームを取得するメリット
GFSI承認スキームを取得するメリットは、事業経営や組織経営において、リスク軽減や機会創出につながる点です。
- 食品安全性を高め、リスクを低減する
- 業務効率化につながる
- 取引先の拡大
以下では、GFSI承認スキームを取得するメリットについて、より具体的な効果とその理由について解説します。
食品安全性を高め、リスクを低減する
GFSI承認スキームを取得するには、食品安全マネジメントシステムを構築・運用することが必要です。
食品安全マネジメントシステムでは、自社の食品に潜む食品危害リスクを洗い出してリスク対応を実施するため、食品に関する事故のリスク発生を低減できます。
そうした食品リスクの低減に取り組むGFSI承認スキームの水準は、ISO22000よりも厳格であることから、高いレベルの食品安全性の確保につながります。
業務効率化につながる
食品安全マネジメントシステムを構築する際に、原材料の調達~食品の提供までの一連の業務を「見える化」したうえで、各工程における作業の合理化を図ります。
そのため、ムダな工程や非効率的な人材配置などを見直すきっかけにもなるため、業務効率化につながります。
またGFSI承認スキームを取得することで、サプライヤーと顧客の間で行われる二者監査を省略できる可能性があります。監査にかかる業務を低減できるうえ、コストの削減も期待できるでしょう。
取引先の拡大
GFSI承認スキームを取得することで、「自社の食品安全に関する取り組みが国際水準を満たすもの」としてアピールできるため、取引先や顧客からの信用の向上や取引先の拡大につながります。
特に日本国内での知名度はあっても、海外進出をする際には新たに信頼を獲得しなければなりません。
そのため、グローバル市場での取引先拡大を狙いたい場合には、GFSI承認スキームの取得は、自社の食品安全における信頼性を高め、取引先の拡大に有効な手段といえるでしょう。
GFSI認証取得の流れ

ここでは、GFSI認証の代表的スキームであるFSSC22000認証を取得する基本的な流れについて解説します。
1.取得に向けた準備
まず、取得に向けて社内体制や文書の準備を行います。 具体的には、認証を適用する工場や製品・サービスを明確にし、食品安全責任者や担当者を任命します。
またコンサルタントによる取得サポートを希望する場合には、早めに相談することがおすすめです。自社の希望や現状をヒアリングしたうえで、最適な提案を受けられます。
2.食品マネジメントシステムの構築・運用
FSSC22000の要求事項に沿った食品マネジメントシステム(FSMS)を構築したのち、実際に運用します。
具体的には、まず食品の安全性を確保するための手順や規則を整備します。制定した手順や規則は、従業員に教育・指導を行ったうえで、実際の業務に落とし込む必要があります。
また内部監査やマネジメントレビューも行い、マネジメントシステムが適切に機能していることを確認します。
3.取得審査を受ける
食品安全マネジメントシステムの構築・運用ができたら、認証機関に取得審査を申請します。 審査は主に以下の流れで進みます。
- 書類審査:マニュアルや記録が規格要求に適合しているかを確認
- 現地審査:現地にて、構築されたマネジメントシステムを適切に運用しているかを確認
- 不適合対応:審査で指摘された項目に対して是正措置を実施することで、再度評価を受けられる。
審査に合格すると、FSSC22000の認証が発行され、認証マークの使用が可能になります。
4.運用の継続
認証取得後も、食品安全マネジメントシステムは継続的に運用することが必須です。
定期的な維持審査・更新審査を受けて、取得時の基準が維持されているかを第三者機関に確認してもらう必要があります。
- 維持審査:通常年1回
- 更新審査:3年に1回
まとめ
この記事では、GFSI承認スキームの概要や種類、取得メリットについて解説しました。
GFSI承認スキームは、食品安全を脅かす事故やリコールへの対応や原料の調達・加工・生産がグローバル化への対応などのために開発された国際的な取り組みです。
FSSC22000やJFS-Cなどの規格を取得することで、より食品安全性を向上させられます。しかし、GFSI承認スキームである規格を取得するには、GFSIのベンチマーク要求事項に沿った基準を満たす必要があるため、高度なマネジメントシステムの構築・運用が求められます。
そのため、FSSC22000やJFS-Cなどの規格を取得する際には、プロのコンサルに相談することがおすすめです。
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ISOプロではHACCP、ISO22000、FSSC22000、JFSなどの各種食品安全規格の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。
また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。ぜひご相談ください。






















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取得後の運用負担や既存の食品安全管理の仕組みも考慮し、自社・自組織が継続して運用しやすいスキームを選ぶことをおすすめします。