FAQISO9001の文書管理についてよくある質問

  • ISO9001でも文書管理って求められているの?

    ISO9001の要求事項には文書管理が含まれています。

    ISOプロ編集部

    月間10万PV越えの業界最大級ISO取得・運用情報サイト「ISOプロ」の編集部。ISO取得や運用に関する悩みや基礎知識を初心者の方にも分かりやすくお届けします。サイトユーザー様がISOに関わる業務を円滑に進められるよう、有益で信頼できる情報発信に努めて参ります。

  • 文書管理ってそんなに重要なの?

    品質マネジメントシステムを構築・運用するためには、適切な文書管理が必須です。

    ISOプロ編集部

    月間10万PV越えの業界最大級ISO取得・運用情報サイト「ISOプロ」の編集部。ISO取得や運用に関する悩みや基礎知識を初心者の方にも分かりやすくお届けします。サイトユーザー様がISOに関わる業務を円滑に進められるよう、有益で信頼できる情報発信に努めて参ります。

ISO9001とは、組織が提供する製品やサービスの品質マネジメントシステム規格です。
製品やサービスの品質管理のためのルールが定められており、その中には組織が扱う文書に関する管理方法が定められています。

品質管理マネジメントシステムを構築・運用するうえで、適切な文書管理は欠かせません。
ISO9001を取得・継続するためには、要求されている文書管理のルールを明確にし、組織として確実に実現することが求められます。

この記事では、ISO9001や文書管理の概要、ISO9001において求められている文書管理の条件について解説しています。

ISO9001に適合するための文書管理とは?

ISO9001に適合するための文書管理とは、品質マネジメントシステム(QMS)を正しく運用するために必要な文書を、適切な方法で作成・保管・更新・廃棄する仕組みを構築し、運用することです。

ここではISO9001に適合するために、まず知っておきたい文書管理の基本的な概要について解説します。

そもそも文書管理とは?

文書管理とは、組織が扱うすべての文書のライフサイクル(作成〜廃棄)を通して、適切に管理する活動です。ただ保存するだけでなく、文書を作成した日付や責任者、版数などを明確にし、関係者が必要なときに最新の情報を取り出せる状態を維持します。

文書管理の対象には、以下のようなものが含まれます。

  • 品質方針や手順書
  • 作業指示書やチェックリスト
  • 記録類(検査記録、監査結果など)
  • 外部からの要求仕様や法令関連文書など

文書管理は、単なる紙やファイルの保管ではなく、「いつ・誰が・どの内容を作成・変更したのか」が分かり、いつ見ても同じ内容を、迷わず使える状態にしておくための仕組みを含めた体制の構築が必要です。

ISO9001とは?

ISO9001とは、品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格です。製品やサービスの品質を継続的に改善する仕組みを構築・運用し、顧客満足度を高めることを目的としています。

認証を取得することで、国内外の取引先に対して「組織が国際的な品質基準に従って管理している」という客観的な証明になることから、製造業・建築業・IT業などを中心に多くの企業が取得している規格です。

なお、ISO9001:2015では「文書化した情報」という文書管理に関する規定があります。のちほど詳しく解説しますが、文書管理は品質マネジメントシステムの有効性を支える重要な活動として位置づけられているのです。

ISO9001の詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:【基本】ISO9001とは?概要や認証方法をわかりやすく解説

ISO9001における文書管理の必要性

ISO9001の要求事項は、以下のようにPDCAサイクルに当てはめることが可能です。

  • Plan:「4.組織の状況」~「7.支援」
  • Do:「8.運用」
  • Check:「9.パフォーマンス評価」
  • Action:「10.改善」

そしてISO9001における文書管理は要求事項「7.支援」に記載されている項目の一つです。「7.支援」はPlanの位置に含まれますが、PDCAすべての段階で行う取り組みを支援するものとして考えられます。
例えば、内部監査マネジメントレビューの結果を文書化して記録しないと、トップマネジメントからの指示がスムーズに伝わらず、継続的発展を妨げられる可能性があります。

「文書化は作業が増えるから面倒」と感じている方もいるかもしれませんが、文書化はその他のプロセスを円滑化するために重要であることを意識して取り組みましょう。

累計ダウンロード10,000件突破!ISO9001丸わかり説明資料

ISO9001に則った文書管理を行うメリット

ISO9001に則った文書管理を行うメリット

ISO9001規格に則った文書管理を実施することで、企業には以下のようなメリットがあります。

ナレッジの共有・蓄積が進む
個人に依存しがちな業務ノウハウを文書として残すことで、属人化を防げます。人材の入れ替わりがあっても知識が引き継がれやすく、新入社員の教育にも活用できます。
リスクマネジメントを強化できる
文書の作成者や改訂履歴が明確になるため、誤った情報の使用や改ざんリスクを低減できます。トラブル発生時も、原因の把握や再発防止につなげやすくなります。
業務効率が向上する
必要な文書を必要なときにすぐ確認できるようになり、探す手間や管理工数が削減されます。その結果、日常業務の効率化につながります。

このように、ISO9001に則った文書管理は、情報の信頼性を高めながら、業務の効率化とリスク低減を同時に実現できる仕組みといえます。

ISO9001の文書管理に関する要求事項

ISO9001では要求事項の以下の部分に、文書管理に関する内容が規定されています。

7.5 文書化した情報
  • 7.5.1 一般
  • 7.5.2 作成及び更新
  • 7.5.3 文書化した情報の管理

ここでは、ISO9001の文書管理に関連する要求事項の各項目について解説します。

文書化すべき情報一覧

ISO9001の要求事項「7.5.1一般」において、文書化の対象となる情報について定義しています。

7.5.1一般
組織の品質マネジメントシステムは、次の事項を含まなければならない。

a)この規格が要求する文書化した情報
b)品質マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した、文書化した情報

※ISO90017.5.1一般より抜粋

上記のa)b)の2点について、以下に解説します。

a)ISO9001が要求する文書化した情報

品質マネジメントシステムの土台となる文書で、業種を問わずに作成することが必須の情報です。
例えば、品質方針品質目標、業務に関わる人の力量 の証拠、設計開発のインプットアウトプット・変更などの文書が挙げられます。

b)ISO9001の有効性のために必要であると組織が決定した、文書化した情報

組織は業務の実情にあわせて、文書の要否を判断することが認められている情報です。
「文書化は不要」という判断を部分的に組織に委ねている理由は、手順書を作成することが有効な職種もあれば、品質向上につながらない職種もあるためです。
例えば、仕様書や生産計画書、指示書などが挙げられます。

求められる文書の作成・更新

文書の作成・更新

ISO9001の要求事項「7.5.2:作成および更新」において、適切な文書作成・更新につながるように取り組むべき要件を示しています。

7.5.2作成及び更新
文書化した情報を作成及び更新する際、組織は、次の事項を確実にしなければならない。

a)適切な識別及び記述(例えば、タイトル、日付、作成者、参照番号)
b)適切な形式(例えば、言語、ソフトウェアの版、図表)及び媒体(例えば、紙、電子媒体)
c)適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認(内容の評価、承認)

※ISO90017.5.2作成及び更新より抜粋

以下に、取り組むべき内容についてまとめました。

適切な識別及び記述文書にタイトルや日付、作成者、参照番号などを記載し、その文書を識別できるようにする。
適切な形式・媒体現場の状況に適した形式・媒体で文書を作成する。例えば、紙・電子データの選択や言語や図表など。
適切性及び妥当性を評価・承認する文書の内容が適切かどうかを評価し、適切かつ妥当であった場合、承認を経て共有、配布、公開する。

求められる文書の管理方法

ISO9001の要求事項「7.5.3文書化した情報の管理」において、文書化した情報を適切に利用でき、かつ十分なセキュリティ管理で保護することを求めています。

7.5.3文書化した情報の管理
7.5.3.1
品質マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理しなければならない。

a)文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
b)文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)。

7.5.3.2
文書化した情報の管理に当たって、組織は、該当する場合には、必ず、次の行動に取り組まなければならない。

a)配付、アクセス、検索及び利用
b)読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
c)変更の管理(例えば、版の管理)
d)保持及び廃棄

※ISO90017.5.3文書化した情報の管理より抜粋

要求事項の内容を、7.5.3.1「文書管理にあたり、求められる状態」と7.5.3.2「文書管理に求められる対応」に分けて解説します。

7.5.3.1「文書管理にあたり、求められる状態」

  • 必要なタイミング・場所で、利用に適した状態で管理すること
  • 漏えいや紛失のリスクから守られた安全な状態

上記を満たすため管理方法として、紙・電子データにおける文書管理の例をまとめました。

媒体a)必要なタイミング・場所で利用するための文書管理例b)適切なセキュリティ管理で保護するための文書管理例
適切な配布方法やファイルなどの保管場所を定める。鍵のかかるキャビネットやそれに準ずる環境で保管する。
電子データ適切な保管環境の用意と、必要なときにアクセスできる経路を構築する。セキュリティ対策ソフトなどを利用し、適切なアクセス権限を設定する。

7.5.3.2「文書管理に求められる対応」

文書管理するうえで取り組むべき内容を、以下にまとめました。

文書管理に求められる対応
a)配付、アクセス、検索及び利用必要に応じて、文書の配布やアクセス権の設定・付与、検索・利用を行えるようにする。そのために、以下について整備する。
  • 配布方法
  • アクセス方法やアクセス権限の明確化
  • 検索・利用の簡易化
b)読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存破損、紛失などが発生しない状態での保管・保存を行う。そのためのルールを定めて実行する。
c)変更の管理(例えば、版の管理)文書を更新した際に、変更箇所の履歴を記録し、版数を記載する。
d)保持及び廃棄
  • 保管期間を定めて文書を保持する。
  • 保管期間を過ぎたら、ルールに則って廃棄する。

文書の保管期間

文書の保管期間

要求事項として、特定の期間は定められていません。
しかし、組織には、保管する期間とそのために用いる媒体を決定する責任があります。顧客や法的な要求、製品及びサービスの寿命に応じた保管期間を決定し、定められた期間文書を保持した後に、廃棄を行います。

また、以下のような保存期間が定められている法定保存文書については遵守しましょう。

法定保存文書保管期間
仕訳帳など取引に関する帳簿7年
従業員の身元保証書や誓約書など5年
健康診断個人票5年
監査報告・会計監査報告5年
労働者名簿や雇用・退職に関する書類3年
災害補償に関する書類3年
社会保険(健康保険・厚生年金保険)に関する書類2年
関連記事:ISO9001とはなにか?導入企業や他の規格との違いを徹底解説!
累計ダウンロード10,000件突破!ISO9001丸わかり説明資料

ISO9001に適合するための文書管理の6つのポイント

ISO9001文書管理ではどのような状態にすべきか

ISO9001が求める文書管理のポイントは、以下の6項目です。

  • 必要な文書を、必要なときに、必要な人がすぐ使える状態にする
  • 文書の内容や保存場所に応じた、適切なセキュリティ対策を行う
  • 誰が読んでも理解できるよう、読みやすさを保つ
  • 常に最新版を使い、変更した履歴はきちんと残す
  • 探しやすく、アクセスしやすい方法で管理する
  • 定めた保管期間を過ぎた文書は、適切な方法で廃棄する

これら6つのポイントを意識して文書を管理することで、
ISO9001の要求事項を満たすだけでなく、日常業務でも使いやすい文書管理体制を構築できます。

ISO9001要求事項を満たす文書管理の手順

ISO9001要求事項を満たす文書管理の手順

ISO9001要求事項を満たす文書管理の手順を解説します。

1.文書体系図を作成する

文書体系図とは、品質管理の向上において重要な文書かどうかという基準で、上位文書から下位文書までのカテゴリに分けた図のことです。
例えば、上位文書から順に「品質管理マニュアル→規程(ルール)→手順書、計画書や台帳、フォーマット→運用記録」といった具合に定義づけられます。

文書管理を行うメンバーで、文書の種類ごとの重要性を共通認識できるため、まずは体系図をつくることがおすすめです。

2.文書管理規程を定める

文書管理規程は、文書管理におけるルールのことです。ISO9001の要求事項に則って、文書管理規程を作成しましょう。

その際には、文書ごとに「番号・作成部署・承認者・保管場所・保管期間・更新頻度・廃棄方法・罰則」などのルールを定めましょう。

3.文書管理を実施する

文書管理規程に則り、文書管理を実施します。
文書管理規程を作成しても、従業員がきちんと運用できなければ意味がありません。ISO9001の審査においても、運用できているかどうかは問われることになるでしょう。そのため、従業員が一丸となり管理することが必要です。

ただし、現場の実情に適していない文書管理になっていると、従業員の業務効率を低下させ、文書管理が形骸化するリスクがあります。審査前に行う内部監査において、実施状況を確認するとともに是正点があれば改善するようにしましょう。

累計ダウンロード10,000件突破!ISO9001丸わかり説明資料

ISO9001における文書管理のポイント

ISO9001の要求事項にある文書管理のポイントを紹介します。

ISOコンサルに依頼する

実績のあるISOコンサルに取得サポートを依頼すれば、要求事項と照らし合わせて自社の不足部分を指摘してもらえます。また、文書作成や運用記録の作成など、文書管理に関する工程をサポートしてもらえるため、自社の社員が行う工数を大幅に低減できるでしょう。

「ISO認証取得企業に向けた取得の理由に関する調査」によると、58.5%と半数以上の企業がISO認証取得時に外部のコンサルタントに取得サポートを依頼しています。

また気になる文書管理における課題ですが、ISO認証を取得後の課題に「書類作成や記録に工数がかかる」ことを挙げている企業が39.5%と最も多くありました。

この課題の原因には、要求事項を満たすために、自社の実情に合わない文書管理やISOの要求事項を満たすためだけの文書を大量に作ることで、運用管理の工数がかかってしまうことが挙げられます。
そのため、実績豊富なコンサルに依頼することで、文書管理を最適化し、社員の負担を低減できるでしょう。

関連記事:【ISO認証取得企業への調査】外部コンサルに取得依頼をした方は6割程度。取得の理由や具体的な費用感とは?(外部リンク)

文書化する範囲を明確にする

ISO9001の要求事項には、文書作成すべき文書の分類や作成方法について明確に記載されていません。それは、業種や業務内容などの違いにより、作成すべき文書が組織によって異なるためです。

そのため、業務フローに沿って「何を文書化すべきか」を定めることが重要です。文書化する範囲が広すぎる場合には運用や管理が煩雑になり、従業員の負担となる可能性があります。
一方、文書化が足りない場合には、運用した際に個々の従業員のスキルやノウハウに頼る部分が出てくるなど問題点が発生するでしょう。

文書管理規程を定めて徹底する

文書管理規程とは、自社に適した文書管理を実施するためのルールのことです。契約書や請求書、各種申請書、各種資料、マニュアルといった文書の取り扱いを定めます。

しかし、ただ定めるだけでは意味がありません。従業員にきちんと周知し、ルールどおりの運用を徹底することで、はじめて「適切な文書管理」できている状態となるのです。そのため、どのように社内に周知するのかも重要なポイントといえるでしょう。

必要に応じて文書管理システムを導入する

文書管理システム導入のメリット

紙文書では、ISO9001の要求事項を満たした文書管理を実施するのは難しい可能性があります。というのも、企業が取り扱う情報は膨大であるため、適切に管理するには手間がかかるためです。

そのため、最近では文書管理システムを導入し、文書管理を電子化・一元化する企業も増えています。文書管理システムを導入すると、以下のようなメリットが考えられます。

  • アクセス権や更新権限の設定機能があるため、セキュリティ対策ができる
  • 文書の検索性に優れているため、可用性が向上する
  • 文書作成・更新の際に、スムーズな承認作業ができるため、業務効率化につながる

紙文書の管理に負担を感じている場合には、文書管理システムの導入により解決できる可能性があります。自社の状況に応じて、導入を検討すると良いでしょう。

まとめ

ISO9001取得においては、お客様が求める製品・サービスを提供して顧客満足度の向上につなげる仕組みづくりを構築・運用します。
そのためには、自社の事業活動に適した文書管理を行うことが重要です。文書化した情報を保護しつつ、社員が適切に使用できる形式や記述などで作成・更新しましょう。

より自社に適した文書管理を目指したい場合、プロのコンサルティング業者にサポートを依頼することがおすすめです。

累計ダウンロード10,000件突破!ISO9001丸わかり説明資料
  • 無料資料 | ISO9001導入 徹底解説
  • 『ISO9001を網羅的に分かりやすく』をコンセプトに、ISOコンサルタント監修のもとISO9001について図解などを交え詳細に解説しています。分かりやすいというお声も多くいただいていますので、ぜひ御社でご活用ください。
  • 必須ご担当者様名
  • 必須電話番号
  • 任意会社名
  • 任意メールアドレス
  • 必須個人情報の取り扱い
    (個人情報保護方針を読む)

ISOプロでは月額4万円から御社に合わせたISO運用を実施中

ISOプロではISO各種の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。

また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。

サポート料金においても新プランを用意し、業界最安級の月額4万円からご利用いただけます。

ISO9001、40,000円/月から作業工数ほぼ0実現!ISO新規取得・運用完全サポートならISOプロ