• ISOの審査の目的は、組織のマネジメントシステムがISO規格に適合しているかどうかの確認
  • ISOの審査は認証機関によって実施される
  • 認証機関によって審査可能な規格、費用などの条件が異なる

ISOを取得し、運用を続けるためには取得審査や維持審査などのさまざまな審査を受ける必要があります。取得後にも審査が設けられている理由は、ISOが継続的改善を掲げているためです。ISOを有効に運用するために、審査についての理解を深めましょう。

この記事では、ISOの審査の概要や種類、審査を行う認証機関や審査に落ちる場合の条件などを分かりやすく解説します。

ISOの審査とは

ISOでは、第三者審査認証というシステムを採用しています。
国際的なルールに基づいた審査機関からの認証を得ることで、社会的信頼を獲得できるのです。

ISOの認証を取得するためには、組織の構築・運用しているマネジメントシステム規格要求事項に適合しているかを審査することが必要となります。

ISOの審査の種類

ISOの審査は、審査機関に依頼して受ける審査と、組織内の人員によって受ける審査の2つに分けられます。

審査機関による審査

審査機関による審査には、取得時の登録審査と、継続・維持のためのサーベイランス審査、さらに更新時の審査の3種類があります。

・登録審査
登録審査とは、ISO規格のマネジメントシステム認証を取得するための審査です。一次審査と二次審査を経て、登録証が発行されます。構築・運用しているマネジメントシステムが有効に機能しているかを確認します。

・サーベイランス審査(維持審査、定期審査)
サーベイランス審査とは、ISO取得後に行われる審査です。
基本的に、年に1~2回程度の頻度で行われます。構築・運用しているマネジメントシステムの中でもメインとなる部分を確認するため、審査する分量は登録審査の半分程度になるイメージです。

・更新審査
更新審査とは、ISOマネジメントシステムの登録証の有効期限が切れる3年ごとに行われる審査です。構築・運用しているマネジメントシステムが有効に機能しているか、形骸化していないかを確認します。
更新審査では3年間の運用実績をすべて確認されるため、登録審査よりも分量が多くなる場合もあります。

組織内での審査

内部監査
内部監査とは、組織内の他部署の人員や外部のコンサルタントに依頼して行う監査のことです。通常、外部審査の1~2ヶ月前に実施します。マネジメントシステムの要求事項への適合性有効性 を確認し、運用状況が適切かを判断することが目的です。
また、現状の問題点や課題を洗い出し、改善していくためのきっかけとして活用されることもあります。

審査の種類については、以下の記事で詳細を紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:知っておきたいISOの審査で何が行われるのか!?
関連記事: ISO内部監査の基本を抑えよう!概要まとめ
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ISOの審査機関(認証機関)とは


ISOの審査機関とは、ISOの審査を行う第三者機関を指します。
原則として各国に1つは存在する認定 機関から、審査を行えるだけの力量 や公平性などを認められることが必要です。

なぜ審査機関を選ぶ必要があるのか

日本には審査機関が70社ほどありますが、審査機関ごとに、審査可能な規格や業種、審査費用などが異なるためです。
また、審査での改善点の指摘の仕方も審査機関によって異なります。実務的に有効な指摘をするところもあれば、要求事項を満たすためだけに実務と乖離した指摘をするところもあるのです。

こうした違いがあるため、ISO認証の審査を受ける際には、自社に適した審査機関を選ぶ必要があります。

審査機関を選ぶポイント

自社に適した審査機関を選ぶポイントを解説します。

価格

同じISO規格を受ける場合でも、審査機関ごとに価格は変わってきます。そのため、見積もりを依頼し、相場や内訳について確認したうえで選択しましょう。

審査の質

審査の質は、自社のISO認証の活用方法に適した指摘をもらえるかで判断します。そのためには、取得したいISO規格だけでなく、自社の業種における知見や実績があるかを確認してください。

スピード

ISOの取得にはリソースがかかっているため、対応のスピードも大切なポイントのひとつです。また、自社の都合に合ったスケジュールを押さえられるか、見積もりの返答が早いかなどを確認するのもおすすめです。

ISOの審査機関を選定する準備や、選定を失敗したときのリスクについては、以下の記事で詳細を紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:ISO審査機関の選び方と押さえるべき3つのポイント

審査機関の変更は可能?

審査機関の変更は、契約中であっても、いつでもすることが可能です。再認証時やサーベイランス審査(維持審査、定期審査)においても変更できます。また、審査機関の移転に費用がかかることはありません。

審査の時期でなくとも、変更することができます。その際は、前年の審査報告書などを確認されます。移転完了後に、新しい証書とロゴマークが発行されます。

日本には現在、60前後の審査機関がありますが、審査機関によって以下のような点が異なります。

  • 審査費用や工数
  • 審査方法
  • 審査の方向性

そのため、現状の契約している審査機関に何らかの不満があったり、より自社に適した審査機関が見つかったりした場合には、申請を行うことで変更できるということを覚えておくとよいでしょう。

ISOの審査にかかる費用とは

ISOの審査にかかる費用を左右する要因に、審査機関・従業員数・拠点数・業種があります。同じ規格を取得する場合でも、審査にかかる工数が多くなるほど費用が高くなるためです。

その他、各審査にかかる費用について解説します。

登録審査

登録審査では、一次と二次で段階的に審査が行われます。
その過程で発生する費用は、認定登録料・一次審査料・二次審査料・審査員の交通費と宿泊費です。

サーベイランス審査(維持審査、定期審査)

サーベイランス審査では、審査基本料金・審査員の交通費と宿泊費がかかります。

更新審査

更新審査では、審査基本料金・審査員の交通費と宿泊費がかかります。初回の登録審査の3分の2程度が目安の金額です。

ISOの審査にかかる費用の詳細や具体例については、以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事: 審査機関による審査内容とコスト
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ISOの審査で不適合になる場合とは


ISOの審査で、マネジメントシステムが規格の要求事項に適合していない、もしくはマネジメントシステムが有効に機能していないと判断された場合に不適合となります。

不適合になるケースは「軽微な不適合」と「重大な不適合」の2つに分類されます。

軽微な不適合

軽微な不適合は、審査員がISOの要求事項の一部を満たしていないと判断した状態です。マネジメントシステムを根本的に改善する必要はなく、条件を満たしていない部分を是正することが求められます。

軽微な不適合と判断されても、認証審査が中断されるわけではありません。不適合な箇所を期日以内に是正処置し、改善内容についての報告書を審査機関に提出してください。

重大な不適合

重大な不適合は、マネジメントシステムに大きな欠陥があると判断された状態です。軽微な不適合と違い、マネジメントシステムの再構築を行って審査を受け直す必要があります。

重大な不適合と判断されても、取得不可になるわけではありません。再審査を受け、要求事項を満たしたと判断されれば認証を得られます。ただし、重大な法令違反の場合は、違反個所をクリアにしなければ審査を受けることができません。

不適合=取得不可ではない

不適合と判断された場合でも、指摘に対応すれば認証取得は可能です。実務的な有効性を高めるためにも、早急に是正処置を行いましょう。

不適合となる条件の詳細を以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事: ISO審査で不適合と指摘!不適合の定義について知ろう

ISOの審査は継続的改善のために実施される

ISOの審査を定期的に実施するのは、マネジメントシステムの継続的改善を実行するためです。

ISOを取得後もPDCAサイクルを続けていくことで、企業のマネジメントシステムはより強化されていき、ISO規格に付随するメリットを受けられるようになります。

審査は、自社の経営をより良くするための手段のひとつであると理解して臨みましょう。

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