【担当者必見】ISO規格の有効期限とは?取得から更新の流れを解説

- ISO規格の有効期限は取得から3年
- 認証を延長するには維持審査・更新審査を受ける必要がある
取引先や顧客からの要望でISO規格取得を目指している組織が注意しなければならない点に、有効期限があります。ISO規格は継続的改善を掲げているため、取得後も永続的に有効というわけではなく審査を受けることによる更新が必要となります。
取得後も変わらずにISO規格を運用するためにも、ISO担当者の方は、まず更新の仕組みを理解しておきましょう。
そこで、この記事では、ISO規格の有効期限や更新の方法、取得後~更新までの流れを解説します。
目次
ISO規格の有効期限は3年
ISO規格における認証登録の有効期限は、通常3年と定められています。
そのため、ISO規格を取得したら完了するわけではなく、継続的に取り組み続けることが必要です。
認証登録を維持するには、維持審査や更新審査を受けなければなりません。審査を受けない場合や認証を得られない場合には、ISO規格の認証登録を失効することとなります。
維持審査や更新審査については、のちほど詳しく解説します。
ISO規格の認証登録に有効期限が設けられている理由
なぜISO規格の認証登録には、有効期限が設けられているのでしょうか。その理由について以下にまとめました。
- 構築・運用しているマネジメントシステムの継続的改善を促進するため
- ISO規格に適合しているかどうかを定期的に確認する必要があるため
- 法規制の変更や社会ニーズの変化、技術革新などに対応するために、ISO規格自体が改訂されるため、認証された組織においても再認証する必要があるため
ISO規格は、どのマネジメントシステム規格においても継続的改善を掲げています。継続的改善とは、組織がリスクの管理体制や業務プロセスを改善し続けることです。
もしも、ISO規格の認証登録に有効期限がなかったら、認証がはじめて与えられた時点では基準に適合していると認められますが、時間が経つにつれて企業の運営や環境が変化します。その結果、次第にマネジメントシステムが形骸化したり、ISO規格の要求事項に沿わない仕組みになったりする可能性があるのです。
そのため、3年という期間を定め、「企業がどれだけ改善を続けているか」「適切な管理を維持しているか」を定期的に確認することが重視されているのです。

ISO規格の維持に欠かせない維持審査と更新審査とは
ここでは、ISO規格における認証登録の維持に欠かせない維持審査と更新審査について解説します。
維持審査
維持審査とは、1年毎に行われる「マネジメントシステムの運用状況を確認する審査」です。定期審査やサーベイランス審査とも呼ばれています。
マネジメントシステムに関するすべての項目を審査するのではなく、一部を確認する審査であるため、かかる費用や工数は取得審査時の50%~60%程度になることが一般的です。
維持審査では、主に以下のような点が確認の対象となります。
- パフォーマンスや目標の達成状況や取り組みの進捗
- 前回の不適合事項への指摘部分の改善策や是正処置が行われているかどうかの確認
- 自社で定めたルールの運用状況の確認
- 定期的に内部監査・マネジメントレビューを実施しているかどうかの確認
- 継続的改善を行うための仕組みの維持や運用ができているかどうかの確認
- ISO登録証やロゴマークなどの使用状況の確認
- 法律や規制、条例などを順守できているかどうかの確認
- 緊急事態の発生時もしくはテストの結果
過去1年分の運用状況がわかるように、以下のような記録を準備する必要があります。
- 目的・目標管理に関する記録
- 環境側面に関する記録
- 緊急事態訓練の記録
- 内部監査の記録
- マネジメントレビューの記録
- 適宜必要な記録
更新審査
更新審査とは、3年に一度行われる「ISO規格の認証登録を更新するための審査」です。再認証審査と呼ばれることもあります。
維持審査とは異なり、マネジメントシステムに関するすべての項目が審査対象です。さらに、前回の更新審査から3年間の運用状況がすべて審査対象であるため、かかる費用や工数は取得審査時と同程度もしくはそれ以上にかかる可能性があります。
更新審査では、主に以下のような点が確認の対象となります。
- パフォーマンスや目標の達成状況や取り組みの進捗
- 前回の不適合事項への指摘部分の改善策や是正処置が行われているかどうかの確認
- 自社で定めたルールの運用状況の確認
- 定期的に内部監査・マネジメントレビューを実施しているかどうかの確認
- 継続的改善を行うための仕組みの維持や運用ができているかどうかの確認
- ISO登録証やロゴマークなどの使用状況の確認
- 法律や規制、条例などを順守できているかどうかの確認
- 緊急事態の発生時もしくはテストの結果
こうした内容に関する書類や運用記録を3年分準備する必要があります。そのため、更新審査を受ける際は、余裕をもって準備に取りかかること大切です。
ISO規格の取得~更新までの流れ
ここでは、ISO規格の取得~更新までの流れをまとめました。ここまで解説したポイントも再度解説しているため、全体の流れを把握する際に活用してください。
1年目:認証取得
ISO規格の認証を取得すると、正式に登録証が発行されます。
登録証の発行をもって、企業はISO規格に準拠していることを証明できます。
認証取得後に行うこと
- 認証取得したことを掲載
- 認証取得したら、ISO規格を取得したことをホームページやパンフレットなどに記載し、対外的にアピールしましょう。取引先や顧客からの信頼獲得につながります。
- マネジメントシステムの運用
- 多くの企業は認証取得までに3か月間程度、マネジメントシステムを運用しますが、取得直後は「まだ従業員にISO規格の考え方が浸透していない」という場合も少なくありません。
そのため、日常的に運用を続けることで、徐々に企業文化として根付いていくため、長期的な視点で取り組むことが大切です。
- 内部監査・マネジメントレビュー・是正処置
- 定期的にISO規格に基づく内部監査を実施しましょう。内部監査で問題が発生した場合には、その都度是正措置を講じて改善を図ります。
このようにISO規格を認証取得後もPDCAサイクルを回し、継続的改善を目指しましょう。
2年目:維持審査を受ける
ISO規格を取得して1年後に、認証機関による維持審査を受けることが必要です。
維持審査では、この1年間における運用状況を確認し「ISO規格の要求事項に適合しているか」「適切にマネジメントシステムを運用しているか」を確認します。
維持審査に合格することで、次回の維持審査までの1年間、ISO認証を維持できます。
3年目:維持審査を受ける
ISO規格を取得した2年後も同様に、認証機関による維持審査を受けることが必要です。
3年目の維持審査も同様に、ISO規格との適合性や1年間の運用状況が審査されます。また前回の維持審査の際に指摘された是正箇所があれば、是正処置が実施されたかどうかも確認されます。
4年目:有効期限前に更新審査を受ける
ISO規格の有効期限である3年が過ぎる前に、更新審査を受ける必要があります。
更新審査では、ISO規格との適合性や取得審査を受けたときから3年分の運用状況が審査されます。事前に3年分の運用記録の準備や内部監査を実施して自社の改善点や課題などを整理しておきましょう。
更新審査によって適合と認められれば、新たに3年間の認証が付与され、再び3年間の認証機関が開始されます。

まとめ
この記事では、ISO規格の有効期限や認証維持に必要な維持審査・更新審査の概要、取得~更新までの流れを解説しました。
ISO規格における認証登録の有効期限は3年です。有効期限を設けた理由には、ISO規格が継続的な改善を掲げていることや、ISO規格への適合性を確認する機会を設けるためであることが挙げられます。
そのため、ISO規格の認証登録を継続するには、維持審査や更新審査を受ける必要があるのです。
「審査にかかる工数が多く、人手が取られる」「審査をスムーズに進めたい」という企業の方は、取得後の運用サポートをISOコンサルに依頼することもおすすめです。

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