全てのマネジメントシステムの基本!「MSS共通テキスト」とは
- MSS共通テキストとは、ISOのマネジメントシステム規格に共通する規格構造を取りまとめた文書のこと
- MSS共通テキストは、合同技術調整グループ(JTCG)とISO/TMB(技術管理評議会)によって開発された
- ISO9001やISO14001など各々個別に発行されているマネジメントシステムの基本構造となっている
MSS共通テキスト とは、合同技術調整グループ(JTCG)とISO /TMB(技術管理評議会)によって開発された、ISOのマネジメントシステム 規格 に共通する規格構造を取りまとめた文書です。
品質マネジメントシステムの規格であるISO9001 や 環境 マネジメントシステムの規格であるISO14001など各々個別に発行されているマネジメントシステムの共通要素を集約したもので、マネジメントシステムの基本構造となっています。
この記事ではMSS共通テキストの項目とその中から「適用範囲」「組織の状況」「リーダーシップ」「計画」「パフォーマンス評価 」「改善」を抜粋して解説していきます。
MSS共通テキストの内容
MSS共通テキストは、以下のような構成になっています。
- 1.適用範囲
- 2.引用規格
- 3.用語及び定義
- 4.組織の状況
- 4.1 組織及びその状況の理解
- 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
- 4.3 XXX マネジメントシステムの適用範囲の決定
- 4.4 XXX マネジメントシステム
- 5.リーダーシップ
- 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
- 5.2 方針
- 5.3 組織の役割,責任及び権限
- 6.計画
- 6.1 リスク及び機会への取り組み
- 6.2 XXX 目的及びそれを達成するための計画策定
- 7.支援
- 7.1 資源
- 7.2 力量
- 7.3 認識
- 7.4 コミュニケーション
- 7.5 文書化された情報
- 7.5.1 一般
- 7.5.2 作成及び更新
- 7.5.3 文書化された情報の管理
- 8.運用
- 8.1 運用の計画及び管理
- 9.パフオーマンス評価
- 9.1 監視,測定,分析及び評価
- 9.2 内部監査
- 9.3 マネジメントレビュー
- 10. 改善
- 10.1 不適合及び是正措置
- 10.2 継続的改善
これらの項目どれも、ISOのマネジメントシステム要求事項を一読したことがある方なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
今回は、これらの中からいくつかの重要な項目を抜粋して、各項目がISO規格のマネジメントシステムに対してどのような役割を持っているのかということについて簡単に解説していきたいと思います。
適用範囲
適用範囲とは、そのマネジメントシステムによって管理される範囲のことを指します。Pマークのようなマネジメントシステム規格では、全社を適用範囲とすることが求められますが、ISOはその組織の体制に応じて適切な適用範囲を決定することができます。
適用範囲を明確にすることは、マネジメントシステム構築においてスタートラインに立つことでもあります。
組織の状況
有効なマネジメントシステムを構築するためには、その組織の状況に合わせたマネジメントシステムを構築する必要があります。
リーダーシップ
マネジメントシステムにおけるリーダーシップとは、軽視されがちですが非常に重要な役割を持っています。組織はリーダー(トップマネジメント)によって管理されるべきで、組織のリーダーは率先してマネジメントシステムの構築に積極的に参加していく必要があります。これは品質という分野においても、環境という分野においても、情報セキュリティと言う分野においても共通です。
計画
どのようなマネジメントシステムにおいても、そのマネジメントシステムの目的とするものに対するリスクというのは必ずあります。品質を脅かすリスクは機械の整備不良など、環境の場合は騒音や汚染、情報セキュリティにおいてはサイバー攻撃や従業員のミスによるインシデントなどがリスクとして挙げられます。
ISOのマネジメントシステムでは、リスクや機会というものに対して適切な措置を講じられる体制を整える必要があり、これはどのようなマネジメントシステムであっても共通の考え方であります。
パフォーマンス評価
パフォーマンス評価とは、マネジメントシステムの有効性 やISO規格への適合性 を評価するものです。この評価方法としては、内部監査 やマネジメントレビューというものがありますが、これはどのような規格であっても共通して「実施すべき」とされるものです。――もちろん、この評価を行わなければ 認証 を取得することはできませんし、組織にとって有効なマネジメントシステムを構築するためにはこのパフォーマンス評価を厳密に行う必要があります。
改善
ISOが求めるマネジメントシステムとは、「現時点でどの程度の水準に到達しているか」という評価ではありません。もちろん、最低限法的要求事項という形で法律で定められたことは守る必要がありますが、重要なことは、「マネジメントシステムによって継続的・持続的な改善を行っていくことができるか」ということです。
つまり、PDCAサイクルを回せる状態にあるかということが評価されるのです。これはどの規格でも共通していることで、ISO規格が最も重要視している要素の一つです。
まとめ
今回は、各マネジメントシステムに共通する考え方であるMSS共通テキストについてご紹介してきました。こういった普遍的な概念や考え方を理解することは、いたずらに規格をなぞるよりも効率が良いことかもしれません。
ISO規格が難しくてわからないという方は、MSS共通テキストを参考にして、マネジメントシステム構築の参考にしてみてはいかがでしょうか?
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