今回のテーマは「ISO の内部監査員 とは」です。

ISOの内部監査員は内部監査を実施する監査員であり、内部監査の目的・役割を達成するために求められる監査員の力量 を理解しなければなりません。まずは内部監査の役割(概要)について確認しましょう。

ISOの内部監査の役割

内部監査は「第一者監査」とも呼ばれ、自組織の社員やコンサルタントなどの代理人が内部監査員としてISO内部監査を実施します。

・マネジメントシステムの適合性の確認
ISO規格 要求事項 に自社で規定した要求事項(監査基準 )が適合している評価します。

・マネジメントシステムの有効性の確認
自社で規定した要求事項(監査基準)が、検査結果や作業記録・設備等の稼働記録などの客観的証拠と比較して確実に遵守されているか、運用面からその有効性について評価します。

・不適合に対する是正措置の効果確認
監査員が自組織の一員として内部からマネジメントシステム を評価し、その結果をトップマネジメントに報告するため、被監査部門は遅滞なく適切な是正措置を取らざるを得ず、内部監査で是正措置の効果・維持を確認しやすい。

・マネジメントレビューの活用
内部監査結果(改善案)をトップマネジメント(経営者や経営層)に報告する仕組みが機能しているか確認します。トップマネジメントは、マネジメントレビューによりマネジメントシステムの成果・問題点を見直し、製品・サービスの品質 向上、コンプライアンス順守など事業・組織活動の改善に取り組みます。
    

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ISO内部監査員に要求される力量

内部監査員の力量については、「JISQ19011:2019 (*1)マネジメントシステム監査のための指針」で「7.監査員の力量及び評価」の中で監査員の力量について触れています。
特に、「7.2.2 個人の行動」では「監査の原則」に従って活動するために必要な特質を備え、監査活動中は「専門家」としての行動を示すことが望ましいとされています。

≪専門家としての行動≫
論理的、心が広い、外交的、観察力、知覚が鋭い、適応性、粘り強さ/不屈の精神、決断力、自立的、改善に対して前向きである、文化に対して敏感、協力的

「監査の原則」のうち内部監査員の特質に関連する項目について以下に抜粋して解説します。また、監査員の力量管理は、定期的に、評価基準に基づいて適切に監査員として評価されなければなりません。監査員の力量評価については、また機会改めて解説いたしますので、本稿では割愛させていただきます。
*1 ISO 19011:2018のJIS規格はJIS Q 19011:2019

JISQ19011:2019 (*1)マネジメントシステム監査のための指針

4 監査の原則

  • a) 高潔さ:専門家であることの基礎
  • b) 公正な報告:ありのままに、かつ、正確に報告する義務
  • c) 専門家としての正当な注意:監査の際の広範な注意及び判断
  • d) 機密保持:情報のセキュリティ
  • e) 独立性:監査の公平性及び監査結論の客観性の基礎
  • f) 証拠に基づくアプローチ:体系的な監査プロセスにおいて、信頼性及び再現性のある監査結論に到達するための合理的な方法
  • g) リスクに基づくアプローチ:リスク及び機会を考慮する監査アプローチ

a) 高潔さ:専門家であることの基礎

  • ・自身の業務に対して正直に責任感を持つ。
  • ・監査活動は、監査に必要な知識および技能を適用する能力があること。伴わない場合は実施不可。
  • ・自身の業務、すなわち、全ての対応において公正に偏りのないこと。
  • ・監査では、自身の判断が与える影響に対して敏感であること。

b) 公正な報告:ありのままに、かつ、正確に報告する義務

  • ・監査所見、監査結論及び監査報告はありのままに、かつ正確に監査活動を反映すること。
  • ・監査中に遭遇した顕著な障害、及び監査チームと被監査者との間で解決に至らない意見の相違についてはトップマネジメントに報告すること。
  • ・監査中,監査チーム内,並びに被監査者,監査依頼者及び必要であれば外部の利害関係者とのコミュニケーションが必要になる場合に正式な取決めが必要となることがあるが、コミュニケーションはありのままに、正確で、客観的で、時宜を得て、明確かつ完全であること。

c) 専門家としての正当な注意:監査の際の広範な注意及び判断

監査員は、自らが行っている業務の重要性、並びに監査依頼者及びその他の利害関係者が監査員に対して抱いている信頼に見合う正当な注意を払うこと。

d) 機密保持:情報のセキュリティ

  • ・監査員は、その任務において得た情報の利用及び保護について慎重であること。
  • ・監査情報は、個人的利益のために、監査員又は監査依頼者によって不適切に、又は、被監査者の正統な不利益をもたらす方法で使用しないこと。
  • この概念には、取扱いに注意を要する又は機密性のある情報の適切な取扱いを含む。

    e) 独立性:監査の公平性及び監査結論の客観性の基礎

    • ・監査員は、実行可能な限り監査の対象となる活動から独立した立場にあり、全ての場合において偏り及び利害抵触がない形で行動すること。
    • ・内部監査では、監査員は実行可能な限り監査の対象となる機能から独立した立場にあることが望ましい。
    • ・監査員は、監査所見及び監査結論が監査証拠だけに基づくことを確実にするために、監査プロセス中、終始一貫して客観性を維持すること。
    • ・小規模の組織においては、内部監査員が監査対象となる活動プロセスから完全に独立していない場合もあるが、偏りなく、客観性を保てるよう努力を行うこと。
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