是正処置後に行うフォローアップの注意点について解説
ISO 規格 のマネジメントシステム では内部監査を行いますが、この内部監査時に規格不適合やマネジメントシステムの有効性 に問題があった場合に 是正処置 を行います。この是正処置を行った後に実行するものがフォローアップですが、今回はこのフォローアップ時に注意しておきたいポイントについて解説していきたいと思います。
フォローアップとは
フォローアップとは、内部監査にて指摘をされた是正処置を実行した後にその処置に関する有効性の検証を行うことを言います。
ISOでは認証 取得時の審査に加えて1年に1回~2回実施するサーベイランス審査(定期審査)、3年に一度行う更新審査がありますが、ここで規格不適合やマネジメントシステムの有効性に問題があった場合は是正処置を求められることになります。それ以外にも、ISOのマネジメントシステムでは定期的に内部監査を実施する必要が出てきます。
つまり、内部監査にてマネジメントシステムの中でうまくいっていない部分や将来的にリスクになりえると判断された部分の軌道修正を行うことが求められるのです。この是正処置を言い渡されてから、3ヶ月以内にフォローアップを実施し、是正処置の確認を行う必要が出てくるのです。
フォローアップの方法には、次のような方法があります。
- 是正処理の実施状況を文書にして提出する
- 是正処置の実施状況を現地で確認してもらう
- 次回監査時に確認してもらうようにする
- フォローアップ監査を実施する
それぞれについて以下で詳しく解説していきます。
文書化して提出する
是正処置が文書で確認できるものであった場合は、この方法でフォローアップがされることになります。基本的に次回監査時には「前回不適合や有効性に難があると判断された部分」を重点的に見ることになりますので、次回監査時には指摘事項があった部分は重点的に内部監査を行うなどしておくと良いでしょう。
現地で確認してもらう
是正処置を行ったことが文書によって確認できない場合は現地審査が必要になる場合があります。場合によっては文書も確認されることになるため、是正処置実施状況に関してはしっかりと記録を残しておくのが良いでしょう。
次回審査時に確認してもらう
次回の監査時に確認を行うという方法が最も一般的かもしれません。ただし、更新審査や定期審査を控えている場合は以下のフォローアップ監査を行うと良いでしょう。
フォローアップ監査を実施する
是正報告によって是正処置を行ったことが評価できない場合はフォローアップ監査を実施します。
フォローアップ時の注意点
フォローアップを実施したときに対策が完了していなければ、完了予定日を決定し、再フォローアップとなります。是正処置が満足な状態であれば、フォローアップ完了となりますが、是正処置が不十分であるケースや、是正報告だけでは評価が難しい場合も当然出てきます。
そのような場合には、以下のような対応が求められることになります。
- 是正処置のやり直し
- フォローアップ監査
フォローアップは、「どこまで是正させるのか、どこまでフォローを行うのか」ということも内部監査員にとっては課題となってくるでしょう。
内部監査員が注意しておくべき点
マネジメントシステムは学校のテストのように「これが正解」という形もなければ、100点満点のマネジメントシステムというものも存在しません。このため、どこまで是正させれば良いのかということは、内部監査員の頭を悩ます種でもあります。
このような場合には、以下のような視点で考えてみると良いでしょう。
- マネジメントシステムの意図した結果から不適合の内容を考える
- PDCAサイクルによる継続的改善に不可欠なものであるか
「そのマネジメントシステム本来の役割がどのようなものなのか」ということと、「どこまで是正を行うべきか」ということは、規格内では序盤と終盤のものであるため、遠いような気がしてしまいますが、「マネジメントシステムの本来の役割」は基本的には一貫していることが自然な状態です。
このような判断基準で内部監査を実施することで、より良いマネジメントシステムを構築していくことができるでしょう。
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