【図解】タートル図の使い方を解説
- タートル図とは、原材料が入荷されてから出荷されるまでの工程を整理するために用いられる図
- タートル図によってプロセスアプローチを行うことができる
ISO 9001やIATF16949の認証を取得しようとすると、タートル図というものを耳にすることがあると思います。このタートル図は、プロセスアプローチという品質管理のアプローチ方法を実行する際に用いられるものでありますが、初めて聞く方にとっては、「プロセスアプローチって何?」「それをやることで、どんないいことがあるの?」と疑問に感じることでしょう。
ということで、今回は、タートル図を用いたプロセスアプローチの方法について解説していきたいと思います。
タートル図とは
タートル図とは、製品が入荷してからお客様に提供されるまで、あるいは出荷されるまでの工程(プロセス)を整理するために用いられる図のことで、各プロセスのインプットとアウトプットに加えて4M(人・装置・方法・測定)を可視化したもののことを言います。
「なんのこっちゃ…」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、このタートル図の役割を理解するためにはまずはプロセスアプローチという概念を理解する必要があります。以下では、プロセスアプローチについて簡単におさらいしていきましょう。
タートル図はプロセスを見える化するためにあります。ISOを構築するにあたって、責任の明確化や各種プロセスの見える化をして社内の状況を整理する必要があります。
普段携わっていないと中々、取っ掛かりづらいものかと思います。
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プロセスアプローチとは
プロセスアプローチとは、例えばAという製品が出来上がるまでに必要な仕事を、プロセスという単位で管理することを言います。この考え方はプログラマーの方には馴染みが深いかもしれません。――所謂「オブジェクト指向」というプログラミングとよく似た概念です。
組織が製品をつくるまでには、様々なプロセスが噛み合っています。例えば車という製品をつくるにしても、
- エンジンを組み立てる
- ハンドルをつくる
- ブレーキをつくる
といったように、様々な工程があり、最終的にそれを組み立てるというプロセスも存在しています。――これらの作業は現場の人たちは「なんとなく指示された通りに動いている」かもしれませんが、効率的に「品質」を管理するためには、「そのプロセスが何のためにあるのか」もう少し深堀って考えると、「品質を改善するためにはどのプロセスを改善するのか」ということを考える必要が出てきます。
どういうことかというと、例えば車をつくる会社があったとして、「ハンドルに関する不具合が多い!」というクレームがあったとします。このときにプロセスが整理されていないと、ハンドルの不具合とは言っても、ハンドルのつなぎこみ――つまり部品を組み立てるプロセスが悪いのか、ハンドルをつくるというプロセスが悪いのか、それとも原材料が悪いのかということが分からなくなってしまいます。
あるいは、原因を特定できたとしても、プロセスが整理されていないと、「何を変えたらどこに影響が出てしまうのか」ということが分からなくなってしまうかもしれません。
このような事態を避けるために、品質マネジメントシステムでは仕事の流れをプロセスとみなし、「そのプロセスは何がインプットされて、何をアウトプットするのか」ということを明確にして管理を行う「プロセスアプローチ」という管理方法が行われるのです。
タートル図はプロセスを見える化するためにある
改めて、タートル図には、以下のようなことを記入していきます。
インプット
タートル図におけるインプットとは、関連する他のプロセスからのアウトプットや顧客要求事項です。関連する他のプロセスからのアウトプットとは、例えばエンジンの組み立てであれば、そのエンジンの材料になるものがインプットになります。この材料になるものは、前のプロセスのアウトプットになります。
アウトプット
アウトプットはそのプロセスの成果物となるものです。エンジンの組み立てというプロセスであれば、組み立てられたエンジンがアウトプットに当たります。
人
そのプロセスに関わる人――というよりも組織表を記入します。以下のものが分かりやすい記入方法が良いでしょう。
- 誰が何の仕事をしているか
- 誰が責任者なのか
- そのプロセスに関わる人は何人か
装置
そのプロセスで使用する装置や道具を書き出します。ここでは、製品の製造に関わるものだけでなく、検品に用いるものも書き出しておくと良いでしょう。
方法
ここでは作業手順や検査基準、作業条件などを書き出しておきます。
測定
そのプロセスの成果を判定する指標について書き出します。
まとめ
このように、タートル図を各プロセスごとに書き出すことで、「そのプロセスは何を目的として行われているのか」ということを再認識し、無駄の削減やリスクの発見を行いやすくなるのです。
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