セキュリティ対策を明確化!さらに差別化を目指す日本特許翻訳の戦略

クライアントプロフィール

日本特許翻訳株式会社
代表取締役 本間奨 様大泉事業所長・部長 長船秀俊 様
課題
セキュリティ担保に関する質疑応答が多く、ISO取得を要請されていた
業種
IT・ソフトウェア・情報処理業
規模
20名以下
規格
ISO27001

今回の「ISOプロが訊く」は、東京都の「日本特許翻訳株式会社」様に、リモートでお話を伺いました。日本特許翻訳株式会社は、2015年に創業した翻訳業の会社です。特許の出願明細書や医薬品の薬事申請書などをAI翻訳する、統合翻訳支援ツール「EXPRESS」「ProTranaslator」を提供しています。インタビューでは、日本特許翻訳株式会社様がどのような理由でISO27001認証を取得し、会社全体がどのように変わっていったのかを詳しく伺ってきました。

取得前課題
セキュリティ担保に関する質疑応答が多く、ISO取得を要請されていた
取得後
セキュリティ対策が明確化し、PDCAサイクルへとつながった

AIを用いた統合翻訳支援ツールを提供する日本特許翻訳様

--まず日本特許翻訳様について、会社概要や具体的な事業内容などをお聞かせください。

本間様:
弊社の設立は2015年で、社員は契約社員やアシスタントを含め5名。AIを用いた統合翻訳支援ツールの提供をメイン事業としています。統合翻訳支援ツールとは、ツール上に翻訳したい原稿をアップロードすると、AIが原稿を読み取り、英語や中国語など指定の言語に翻訳するというものです。また、弊社はAI翻訳の中でも最先端の「ドメイン適応型機械翻訳」に対応しております。そのため、産業翻訳(特に特許や医薬)においては、かなり高い精度の翻訳結果を得ることができます。

--翻訳支援ツールの提供ということですが、どのような内容の原稿が多いのでしょうか。

本間様:
一番多い内容は、特許の出願明細書の翻訳です。例えば、日本で特許を取った自社製品をアメリカに輸出したい場合、アメリカでも特許を取る必要があります。そしてその出願書類として、英語の出願明細書が必要です。そのベースとなる翻訳を、弊社のツールで行う形ですね。また、ワクチンの申請をはじめとした、承認までのスピードが大切な医薬品の薬事申請書についても高い需要があります。

身近な例としては、童話や韻文などの洋古書を、社内の洋書翻訳協会を通じて1冊すべて翻訳することもあります。弊社のひと月の翻訳文字数は1億文字に及び、これは人間ではとても処理できない量です。翻訳はツールが自動で行うため、社員は新規開発やサーバーの維持管理、お客様対応を主に行っています。

セキュリティ担保の必要性から、信頼できるISOプロへ依頼

--貴社は2018年に一度ISO27001の導入を検討されています。2021年に再度検討・導入されたきっかけは、どういったものでしょうか?

本間様:
弊社の取引先は民間の大手企業様が多く、2020年までは「ISO27001に対応してほしい」という要望がほとんどありませんでした。そのため、検討はしたものの導入には至らなかったんです。しかしここ1年ほどで、ランサムウェア対策を含めたセキュリティ環境が非常に注目されるようになりました。加えて、「ISO27001を2月末までに取得してほしい」という具体的な要望や、セキュリティの担保に関する質問票が寄せられるように。結果として、再度検討・導入するに至りました。

--取引先様からは、どのようなセキュリティ担保を求められることが多いですか?

本間様:
例えば、弊社は都内にデータセンターを持っているのですが、1か所のみですので「地震や火災があった時にどう対応しますか」という質問が来ます。特に情報システム部門のある会社様の場合、非常に具体的な質問票を頂くことも多いため、答えたり審査したりといった手間がお互い大変な状況でした。また、特許の出願明細書データをお預かりすることが多いのですが、そのデータは会社様にとって重要な機密情報にあたります。大事な情報をお預かりするにあたり、ISO27001の取得は、セキュリティを担保する1つのエビデンスになるのではと考えました。

--ISOの取得に際し、コンサルへの依頼を検討された理由や、その中で弊社を選ばれた決め手を教えてください。

本間様:
まず依頼を検討した理由は、ISOの取得に関してあまり情報を持っておらず、「コンサルから指導を受けたほうが早い」と思ったからです。取得に際し、やるべきことを洗い出してPDCAを回していくには、委託が適していると思いました。貴社を選んだ理由は、コンサルの方のサービス品質が高いと感じたからです。当初は2社の相見積もりをとっており、実はコスト面から他社に依頼しようと思っていました。しかし、それぞれのコンサルの方とお話しした結果、信頼度が高く、契約年数によって割引がきくことからも、貴社にお願いしました。

--ISOの取得にあたり、課題に感じていることはありましたか?

本間様:
データのバックアップの方法が課題でした。T(テラ)単位のデータを取り扱っており、この件に関しては現在も計画中です。また、コスト面も課題ではありましたが、事業を安全に続けていくための投資として割り切りました。セキュリティ担保の仕組みを構築しつつ、そこに事業の継続性も織り込んでいこうと考えたからです。

ISOの取得は必須!セキュリティをさらに強化し、他社との差別化を

--ISOの取得前後で、導入の効果や社内の変化は見られましたでしょうか?

本間様:
セキュリティに対する向き合い方が、非常にクリアになったと思います。セキュリティの担保のためには、2つ目のデータセンターを作って、こういう風に運用して…と、具体的に何をすべきかがわかりました。そして、それがPDCAサイクルへとつなげられています。以前よりも、安心して他社様のデータをお預かりできるようになりました。また、セキュリティに関する方針がはっきり把握できていることは、会社としての自信にもつながっていると思います。結果的に、今後の商談にも有利になっていくのではないでしょうか。

--ISO取得後、取引先やそれ以外の他社様との対外的な変化や、効果はありましたか?

本間様:
まだ取得したばかりですが、自社HPや総務省主催の「第5回 自動翻訳シンポジウム」でISO27001の取得をアナウンスしており、取引先様にも把握いただいていると思います。そして、「セキュリティを担保します」という強みをアピールできていると思います。今後、少しずつ効果が出てくるのではと思っています。

--今後、ISO27001をどのように活用していきたいですか?

本間様:
セキュリティの担保において、ISO27001の取得は必須だと思っています。そこで、ISO27001の取得を達成した弊社としては、その具体的な内容を例にセキュリティの高さをアピールしていきたいです。例えば、データセンターが都内にあり、サーバーも自前であるうえ、維持管理も委託せず行っているので「管理の目が行き届いている」というPRができます。そして将来的には、アドオン規格であるISO27017・ISO27018も取得して、さらにPRにつなげていきたいですね。

--翻訳業界と貴社についての今後の展望と、貴社のPRをお願いいたします。

本間様:
今後、翻訳業の会社はどこもISO27001を取得しないと、仕事にならないのではないでしょうか。貴社の高い水準でのご指導のおかげで、半年という短期間で重要な認証を取得でき、大変ありがたかったです。そして政府の経済安全保障の方針も踏まえ、今後は2つ目のデータセンターを国内に持ち、1年かけてより堅牢なシステムを作り上げたいです。ホットスタンバイ体制や3つのバックアップなど、セキュリティ体制を順次整えつつ、他社と差別化していきたいです。なお、弊社がAI翻訳をベースに翻訳者によるポストエディットで制作したKindleの電子書籍(ハリー・クラーク挿絵 「アンデルセン童話集」(1)~(3))が、5月に発売予定となっています。こちらもぜひお手に取っていただければ幸いです。

まとめ

日本特許翻訳様は、わずか半年でISO27001を取得しました。セキュリティの担保に関しても、引き続き意欲的に取り組まれています。翻訳業界をはじめ取引先の重要データを扱う会社にとって、セキュリティの高さの指標となるISO27001は、必須の資格となっていくかもしれません。セキュリティの高さを自社のアピールポイントに加えたい企業にとっても、ISO27001の取得は効果的といえるでしょう。
ISOプロでは、お客様に合わせた柔軟な対応を心がけております。ISOの取得を検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせくださいませ。

会社情報

社名 日本特許翻訳株式会社
設立 2015年2月
資本金 1000万円
所在地 東京都中央区日本橋兜町17-2 兜町第六葉山ビル4F
URL https://npat.co.jp/

記事掲載日:2022/03/25

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