ISO内部監査で知っておきたい「適合性」と「有効性」とは?
ISO のマネジメントシステム 認証 を受けるにあたっては、審査機関による1次審査と2次審査を受ける必要がありますが、この本審査を受ける前に内部監査 というものを実行する必要があります。――そうでなくても、定期的に内部監査を行うことが要求されるわけですが、この内部監査では、主に「適合性」や「有効性 」をチェックする必要があります。
では、この適合性・有効性とは一体どのような項目をチェックすることによって評価することができるのでしょうか?
適合性・有効性とは
適合性、有効性とは、それぞれ規格
が求める要求事項
に適合しているか、マネジメントシステムが有効に機能し、組織の品質
や
環境
活動においてPDCAを回すことができる状態にあるかという評価指標のことです。
ISOのマネジメントシステム認証を取得するためには、主にこの2つの側面を軸として審査されることになるため、本審査の前に訓練を受けた内部監査員によって自社のマネジメントシステムを評価し、また改善することができる箇所がないかということを改めて確認するのです。
――と、ざっと話してもピンとこないと思いますので、以下では適合性と有効性についてそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。
適合性とは
適合性とは、構築したマネジメントシステムが規格の要求事項と合致しているかどうかということを評価する指標です。もちろん、規格要求事項のみではなく、法的な要求事項や顧客要求事項を順守できているのか確認する必要もあります。
マネジメントシステム認証規格というものは、マネジメントシステムを構築するためのある種のガイドラインのような役割を持ちます。例えば品質マネジメントシステム規格であるISO9001 の場合は、品質目標を定め、計画を行い、その計画を実行し、そしてその品質活動に関する評価を行い、品質目標や計画を見直すことで品質の継続的改善を行っていく…。ざっくり大きな流れはこんな感じですが、この大きな流れをつくるためにISO9001は様々なことを要求するのです。――その要求事項に沿ってマネジメントシステムを構築することで、ある一定水準の品質マネジメントシステムを構築することができると考えられており、つまり要求事項を満たすことで品質マネジメントシステムを構築することができるというわけなのです。
ISOのマネジメントシステム規格は、第三者認証規格でありますから、「ガイドライン通りに構築できているね」ということを第三者機関(審査機関)から認めてもらうことでようやく認証を取得できることになります。
――つらつらと述べましたが、つまり様々な要求事項に適合できているかということを「適合性」というのです。
品質マネジメントシステムを構築するためにはISO9001のような規格に沿う必要はありませんが、認証を受けるためには、ISO9001の要求事項を満たす必要があります。――このため、内部監査では、適合性を評価するのです。
有効性とは
有効性とは、マネジメントシステムが組織の役に立つ状態にあるかということを評価する指標です。組織の役に立つ状態とは、マネジメントシステムが本来の役割を果たせているかどうか――という言い方もできます。
マネジメントシステム本来の役割とは、「信頼できるデータを収集し、定めた目標に向かって合理的な判断の下、PDCAサイクルを回して継続的に品質なり、情報セキュリティ水準なりを高めていく」というものです。そして、それらは個人の力量(頭の良さや容量の良さ)に依存していないことが求められます。
逆に「組織の役に立つ状態状態」とは、例えば以下のような状態です。
- マネジメントシステムが現場に浸透しておらず、存在するだけになっている
- 実行はしているものの、形だけの記録となっており、データを見ても判断できない
- PCのログインパスワードが30桁以上というルールになっており、業務に支障をきたす
このような状態に陥っていないかどうかということを評価するのが、有効性監査です。
内部監査員は、こうしたマネジメントシステム本来の役割を十分に理解した上で、マネジメントシステムが「ちゃんとした状態で運用されているか」ということをチェックするのです。
まとめ
今回は、マネジメントシステムの内部監査のときにチェックすべき、有効性と適合性について解説してきました。内部監査と聞くと「ウッ…」と感じてしまう方も多いかもしれませんが、難しく考える必要はありません。シンプルに適合性や有効性を評価することを考えれば良いだけなのです。
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