ISOのスリム化で抑えておきたい重要なポイント
ISO のマネジメントシステムは、よく考えずに構築を進めてしまうと、膨大な意味のない文書と不必要な作業が増加してしまい、「重いISO」になってしまうこともあります。取引先からの要求で認証 を取得したものの、その認証の維持に多大な工数が発生してしまい、本来経営効率を改善するためにあるマネジメントシステムが逆に組織運営の悩みとなってしまっている…そんなことは意外にもよくある話です。
こういった事態に陥った場合、ISOのスリム化を検討してみましょう。では、スリム化とは具体的にどのようなもので、何をすればスリム化ができるのでしょうか?今回は、ISOのスリム化について解説していきたいと思います。
目次
スリム化って何?
スリム化とは、マネジメントシステム関連の文書や、マニュアルを縮小し、必要な文書のみ残して簡素化することを言います。マネジメントシステムは本来、組織の置かれている状況や内外の課題を考慮して、その組織にあったものが構築されて然るべきです。ISOの規格も「組織の状況に合わせたものを構築すること」を規格内で示しています。
しかし、下手にコンサルに任せたり、認証取得のためだけによく考えずマネジメントシステムを構築したりすると、無駄な作業が発生したり、マニュアルが膨大になってしまい、いわゆる重たいISOになってしまうことがあります。
こういった重たいISOを今一度整理して効率の良いISOマネジメントシステムにしようという取り組みがスリム化と呼ばれるものです。
どのような場合にスリム化が効果的なのか?
では、どのような場合にスリム化することができるのでしょうか?例えば以下のようなケースではスリム化をしたほうが良いと判断することができるでしょう。
膨大なマニュアルがある場合
品質マニュアル や手順書をあわせたものが、厚さ1センチを超えるような場合には多くの場合スリム化が可能です。そもそも存在するだけのマニュアルでは意味がありません。マニュアルとは、マネジメントシステムを組織の構成員に浸透させるためにあるものです。読まれない、理解されないマニュアルでは意味がないのです。
業務実態にあったマニュアルに切り替えましょう。
どこに何があるか分からない
文書というものは、ただ記録を残すだけでは意味がありません。情報を有効に活用するために文書化するのです。「どこに何が書いてあるか分からない」「誰も読もうとしないため、社内にマネジメントシステムが浸透しない」このような状態にあるなら要注意です。
スリム化のポイント
では、スリム化するためにはどのようなことを注意すれば良いのでしょうか?
規格の意図を理解する
マネジメントシステム規格の要求事項 というものは、様々な組織で効率的な組織運営をすることができるように考えられて構築されています。しかし規格の意図を理解せずに要求事項を満たすことだけを考えると、マネジメントシステムの有効性が損なわれてしまい、意味のない作業が増えてしまいます。
文書は読まれることを前提に
前述した通り、読む気にならない文書は役割を果たしません。マニュアルの本来の役割を理解し、「規格が要求するから構築する」という視点を捨て、「経営の効率を上げるために必要」という視点でマニュアルを構築しましょう。
現場の意見を反映する
「ここまでやらなくても良いのではないか」「こんなやり方に変えたほうが良いのでは」という気づきは、トップマネジメントやISO事務局だけでは限界があるかもしれません。必要に応じてコンサルタントのような外部の視点も取り入れて、独りよがりな文書にならないように気をつけましょう。
まとめ
今回は、ISOのマニュアルのスリム化についてご紹介してきました。せっかく構築したISOが現場の負担になっていたり、お客様のためになっていなければ、悲しいですよね。そうならないためにも、常に「改善できる部分はないか」ということを監査していく必要があるのです。
とはいっても、日常業務に追われてなかなか改善に着手できないという組織も多いと思います。スリム化については、コンサルタントに代行してもらうこともできるため、コンサルタントの活用も検討してみてはいかがでしょうか?
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