食品の安全を守るフードディフェンスとフードセーフティの考え方

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年12月19日

2020年のHACCP義務化が決定し、食品安全衛生に対する世の中の関心も高まってきています。これまで安全衛生にそれほど積極的に取り組んできていなかった事業者も、否が応でも何かしらの自主的な取り組みを開始しなければならない流れになっていますね。

今回は、そんな食品安全衛生の中でもフードセーフティ、フードディフェンスというキーワードについて解説していこうと思います。

フードセーフティとは

フードセーフティとは、食品を製造・加工するために必要な工程を管理することによって食品の安全を保とうというアプローチ手法です。フードセーフティに代表される管理手法はHACCPというものがあります。

HACCPでは、食品を製造する工程からハザード(危害要因)を洗い出し、そのリスクを低減するために必要な管理点(CP、CCP)を設定し、その工程を定量的かつ科学的に管理するための管理基準 を設けるというものです。——このようなマニュアルチックに食品安全衛生水準を維持・向上させていく考え方のことをフードセーフティと言います。

フードディフェンスとは

フードディフェンスとは、食品への意図的な異物混入を防止するアプローチのことを指します。

フードセーフティ的なアプローチを行ったとしても、それは工程を重視した管理であるため、「人為的な要因」を排除しきれません。なぜなら、HACCPにしろ、ISO22000にしろ、これらを用いて構築された食品安全マネジメントシステムは、「従業員がマニュアル通りに動くこと」が前提としてあるためです。

いかに厳格に工程を管理したとしても、「むしゃくしゃしてバレないように毒物を食品に混入させた」「会社が潰れたらいいと思い、刃物を食品に入れた」なんて事故は防ぎようがないからです。

フードディフェンスとは、具体的にどのようなことをするのか?

当サイトの記事をいくつかご覧いただいている皆さんなら、HACCPを始めとするフードセーフティ的なアプローチ―—つまり、システマチックな食品安全衛生管理手法はどのようなものかはご理解いただけているのではないでしょうか?

一方のフードディフェンスは具体的にどのような取り組みを行えば良いのでしょうか?

適切な従業員監視

異物混入の原因となる最も大きな要因は、しっかりとフードセーフティ的なアプローチが実施されている現場では、従業員です。一緒に働く仲間を監視するということは、私達日本人の性格的な問題で難しいですが、お互いが納得のいく範囲で監視をすることは重要です。

例えば作業服のポケットに私物を忍ばせていないかどうかを従業員同士でチェックさせるなどの対策はとっておくと良いでしょう。また、事故が発生したときに原因を特定することができるように、作業場には監視カメラを設置するなどの対策をとっておくことも有効でしょう。

「監視されている」と従業員に印象を与えておくことでも、事故を未然に防げる可能性があります。

従業員の健康管理

昨今の働き方改革の進展によって、従業員の健康管理はもはや使役する企業の重要な役割の一つとなりつつあります。こんなご時世ですから、従業員の心身の健康管理は当たり前のように実施しましょう。

もし悩みや不満を抱える従業員がいる場合は、早めに対策を打っておくことで大きな事故を防げる可能性もあります。

施設への出入り者管理

これはどこの会社でもやっていることだと思いますが、食品を製造する施設に誰が出入りしたのかということは徹底的に管理しておく必要があります。狙われる可能性が少ないとはいえ、不審者が簡単に出入りできないような対策をとっておくことはとても重要です。

そのような対策をとっておかなければ、万が一事故が発生した場合にも原因を特定しにくくなってしまいますし、世間からは管理体制の杜撰さを咎められることになるでしょう。

まとめ

今回は、フードディフェンスとフードセーフティについて解説してきました。これらは属性が違うものですから、「どちらの考え方が大事」ということはありません。それぞれの特徴を理解し、適切に組み合わせて管理することでより高い安全衛生水準を目指しましょう。

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