今では異物混入などにより、各工場や生産ラインにおいて食の安全を守ることは重要課題です。そのため、日本でもHACCPなど食の安全を守るためのシステムが導入されています。

食の安全を守るHACCP(ハサップ)とは

HACCPとは
HACCPとは、主に食品を製造と加工、さらには商品の流通の中で起こりうるリスクを事前に想定し、各リスク点において何を集中的に予防する管理するポイントを絞ります。HACCPの認定 には、各種団体による認証 を受けることでHACCPを取得することが可能です。
団体による基準に違いがあっても、商品の管理ポイントを定めるための「重要管理点 」については厳密に決められています。HACCPでは、まず食品原材料の購入から保管、加工、生計、調理、凍結、金属探知、出荷までの食品における生産過程の中から食中毒になる危険性を洗い出します。その後、重要管理点を決定して、生産ラインにおいて考えられる予防策を考えるのがHACCPです。
日本でHACCPと言えば総合衛生管理 製造過程を指すことがありますが、全くの別物。総合衛生管理製造過程はHACCPの考え方をもとにして生み出された全く別の制度です。

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HACCPも組み込まれたISO22000とは

食品安全規格の一覧表
HACCPでは、食に関するハザード分析を行った上でシステム化し、食の安全を守ることができます。しかし、品質 管理という点においてはおざなりな部分があり、HACCPだけで食のすべてを管理するのは難しいというのがあります。そこで、新しい食の安全と品質を守る国際 規格 として生まれたのが ISO 22000です。
ISO22000では、食の安全管理を行うHACCPと、品質マネジメントの代表格である ISO9001 の2つを組み合わせたものです。HACCPにはなかった品質のマネジメントを組み込むことで、より食の安全を促そうとするのが目的の規格となっています。大きく変わっているのは、HACCPではなかった前提条件プログラムが組み込まれたことで、手洗いなどの日常的な衛生管理が必要になった点。そしてもう1つは、HACCP(ISO22000)において管理する範囲の変更にあります。
HACCP(ISO22000)では、食品の製造過程だけでなく食品安全を守るための指針や目標の決定、組織内外への情報提供の在り方、人材教育、想定していたハザードが起こった際の対応及び備えなど、食品の製造に関わるすべてのことについてマネジメントを行います。マネジメントを通すことで、食品の品質管理を行うことがHACCP(ISO22000)の考え方になります。
しかし、製造管理においてすべての行程を点検・マネジメントしていると、いつまでも商品を出荷することができなくなってしまいます。そのため、各部署や製造過程における管理の決定は、各企業において決めることになっています。言ってしまえば、ISO22000が決めるすべての重要な管理ポイントを守る必要はないのです。
たとえば、お菓子の製造ラインについて異物混入のリスクがあったとします。このリスクを回避するためには事前に商品の中身を確認するという行程が必要だと考えられるかもしれませんが、出荷前になってそのようなことをするのは難しいです。
そこで大事になってくるのがHACCP(ISO22000)の考え方です。HACCPでは、どのレベルで管理を行い、どのような監視方法を取るのかを考えます。その後、監視した記録の付け方や安全を確保するための定期検査について決めていきます。HACCPを通して、食品安全のシステム化を促すことで消費者の安心を獲得するのが狙いです。

古い食品製造機器で認証を取得するとき、更新は?

HACCP(ISO22000)の認証を受ける際に大事なのは、自社が製造する食品について「どのように管理するのか」という部分を自分たちで考えてまとめることです。もちろん、それが一定の基準値をクリアしていることも大切ですが、一番大事なのは食品安全マネジメントシステムの要求をクリアできるかどうかです。
ISO22200がマネジメントシステムであることを把握していない食品製造業の方などは、自社で使っている設備をすべて新しくしないと更新や認証が受けられないと考える人がいます。しかし、その考え方は間違いであると言わざるを得ません。
HACCP(ISO22000)が最も大事にしているのは、マネジメントシステムの要求に対していかに応えるか。食を製造・出荷するための品質を管理すると共に、安心を守るためのシステムを構築することで、事前に危険を減らしていくことが重要。そのために、各企業が自社においてどのような場所にリスクが潜み、その解決策を自ら組み上げることを、ISO22000は求めています。
もちろん、自社において古い食品製造機器を使い続けた場合、それにより食の安全や品質が守られないリスクがあるのであれば交換する必要があります。しかし、食の安全や品質管理の絶対条件は最新機器を揃えることでなく、それよりも自分たちが「何が・どこにリスクがあるのか」ということを把握しておくことです。そして、そのリスクについてどれだけの対策を取れるのかを考えるほうが、より食の安全を守ることにつながります。

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