食品安全衛生マネジメントシステムFSMS )の 規格 である ISO 22000。このISO22000に従ってマネジメントシステムを構築するにあたって、「食品安全目標」というものを設定する必要があります。

この食品安全目標はマネジメントシステムにおいてPDCAサイクルによる継続的改善を実施するために必要不可欠なもので、規格においても重要な役割を果たすものです。――しかし、具体的に「どのような目標を設定すればよいのか?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

今回は、食品安全目標の設定方法について解説していきたいと思います。

食品安全目標とは

食品安全目標とは食品安全方針と整合した測定可能な組織が達成すべき目標のことです。ISO22000では、この食品安全目標を達成するための計画を策定し、その計画を実行。レビューを行い、定期的に食品安全目標の再設定を行う枠組みを提供しています。

ISOのマネジメントシステムに馴染みのある方ならわかりやすいかもしれません。ISO9001 では、例えば「不良品率の前年比5%減」品質 目標というものを掲げ、この目標を達成するために様々な計画を実行していきます。しかし、マネジメントシステムの導入が初めてであるという方には少しイメージが付きづらいかもしれませんので、私達の身近なものに例えて、食品安全目標がマネジメントシステムの中でどのような役割を果たすのかということについて解説していきたいと思います。

目標を設定するメリット

例えば皆さんの会社では、会社全体での売上目標というものがあると思います。この目標を達成するために、管理職が営業マンに対して個人の売上目標を設定し、彼らが自分に課せられた目標を達成することで会社としても売上が達成できる…そんな仕組みはありふれた話です。

食品安全目標は、この売上目標と同じような役割を果たします。「食品安全衛生水準の向上」という大目標のもと、それを達成するために食品安全方針という方針を決定します。この食品安全方針は、いわば「戦略の方向性」です。そしてその戦略の方向性に基づいて戦術であるいくつかの食品安全目標が設定されるのです。

要するに会社の「営業方針」と「売上目標」のような関係性にあるわけです。

また、その目標は定量的なものである必要があります。定量的とは、客観的に計測が可能であるもののことを指します。例えば定量的でない売上目標は「とにかくお客様をたくさん獲得しろ!」という目標で、定量的な目標は「年間の売上5000万円」といったものです。

このように、定量的な目標を掲げることで、

  • 組織の進む方向が明確になり、マネジメントを行いやすくなる
  • 目標と結果のギャップを分析し、反省点を次回の計画に活かすことができる
  • 客観的な判断を行いやすくする

このようなメリットを得ることができることは、イメージできるでしょう。これは営業活動に限ったことではなく、組織を効率的にかつ合理的に運営していくためには、非常に重要なことなのです。――もちろん、「食品安全」というフィールドにおいてもそれは例外ではありません。

食品安全目標の決定方法

では、食品安全目標はどのように決定すれば良いのでしょうか?上記で解説したようなルールに基づくのであれば、食品安全目標が持つべき要素としては、

  • 食品安全方針と整合していること
  • 計測可能な定量的目標であること

これに加えて、「組織の内外の課題を解決するためのもの」である必要があります。組織の課題はそれぞれの組織によって異なりますし、食品安全方針も異なるでしょうから、「この食品安全目標が正しい」というものはありません。その組織にあった目標を掲げるのが正解だと言えます。

――とはいえ、目標の設定も例がないと難しいでしょうから、いくつか例を提示してみましょう。

  • 1年間に4回の従業員腸内検査の実施
  • 食品安全訓練を1年間で2回実施
  • 食品の不良品率を前年比-10%の達成

まとめ

今回は、食品安全目標とはどのようなものか、食品安全目標はどのように決定すれば良いのかということについて解説してきました。「目標」はマネジメントシステムの中でも非常に重要な役割を持つものですが、その目標は随時見直していくものでもあります。

――というのも、外部環境の変化や組織内部の変化によって「目標」は変えるべきであるからです。

このため、「間違った目標を設定してしまっては、マネジメントシステムが崩壊する」といったことはないので、まずはマネジメントシステムの中で目標の設定がどのような役割を果たし、その目標はどのような形であるべきか、ということを整理してから決定するようにしておけば良いでしょう。

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