近年の日本は様々な労働問題が顕在化しており、企業が気を配らなければならない労働者の健康の範囲はますます大きくなってきています。しかし、ただ単純に日本の法律を守るだけでは、その労働安全衛生水準は「最低限」のものにしかなりません。そんな中注目が集まっているのが、労働安全衛生マネジメントシステムOSHMS)です。

今回は、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)とは一体どのようなものなのかということについて解説していきたいと思います。

OSHMSとは

OSHMSとは、企業や組織が職場 の労働安全衛生水準を向上させるために活用することができるマネジメントシステムです。もう少し詳しく説明するなら、OSHMSとは企業が自主的に働く人たちの心身の健康管理を自主的に進め、労働災害の防止、健康増進の体制を継続的に改善していくことで、労働安全衛生水準の高い職場を形成していくための組織の仕組みです。

OSHMSはOccupational Safety and Health Management Systemの頭文字を取った言葉で、これらはそれぞれ以下のような意味を持つ単語です。

  • Occupational:職業の
  • Safety:安全
  • Health:健康
  • Management:管理
  • System:仕組み

そのまま繋げると、「職業の安全と健康を管理する仕組み」ということになりますね。——この直訳を目にして、ピンと来ない方も多いと思います。ということで、以下ではもう少し噛み砕いてOSHMSについて解説していきたいと思います。

そもそもマネジメントシステムとは?

OSHMSを理解する上で、最も私達にとってそれをわかりにくくさせるのは、「マネジメントシステム」という単語があるからでしょう。マネジメントシステムとは、簡単に言えば「経営の仕組み」のことなのです。もう少し体系的にマネジメントシステムを言い表すとすれば、「組織がある目的を達成するための組織のマニュアル、ルール、方針といった組織活動全般」がマネジメントシステムです。

例えば、皆さんの務めている会社には、営業ノルマといったものはありますでしょうか。——この営業ノルマもマネジメントシステムだと言えます。会社は「売上見込」というものを立てて、その売上見込から各営業マンに対してノルマを課します。そうすると、営業マンが与えられたノルマを達成することで、組織は営業見込み(目標)を達成することができるのです。——ノルマ制度がマネジメントシステムとして有効かどうかはさておき、営業ノルマも組織が目標を達成するための仕組みであると言えます。

OSHMSの目標は職場の安全衛生水準の向上

さて、今一度OSHMSに話を戻しましょう。OSHMSは、「職場の安全と健康を管理する仕組み」という意味でしたよね? ——つまり、「職場の安全と健康」という組織の目標を達成するための様々な活動や方針などのことをOSHMSと言うのです。

では、具体的にどのようなマネジメントシステムのことを指すのでしょうか?以下では、OSHMSの特徴をご紹介していきましょう。

PDCAサイクル

マネジメントシステムの多くは、PDCAサイクルという目的を達成するために継続的に活動やアプローチを改善していく仕組みを構築することが重要であるとされています。——例えば、先程の営業ノルマの話だと、Aさんが3ヶ月間ノルマ未達だったとして、その後も同じノルマを課し続けるのは最適な選択であるとは言えませんよね? 個人の能力に基づいて、ノルマを決定していかなければなりません。

それと同じで、労働安全衛生水準の向上という目標を達成するためにも、何らかの施策を打つだけでなく、その施策が有効なのかどうかということを検証し、その結果をもとに改善を図っていく必要があるのです。

手順化、明文化、記録化

マネジメントシステムは個人の力量のような不確かなものに依存しないものであるものが理想的です。そのためには、仕組み化を行い、手順を明確にし、データを記録してく必要があります。「誰がやっても安全」な職場を実現するためには、手順化、明文化、記録化は重要なポイントの一つです。

リスクの調査

労働安全衛生上のリスクというのは、職場環境 に応じて異なりますし、すぐに発見できないものもあるでしょう。ですから、OSHMSでは、定期的に職場にはどのようなリスクが内包されており、適切にリスクアセスメントを行っていく必要があるのです。

業務の流れに沿って、どのようなリスクが存在しているのか洗い出し、そのリスクがどの程度、組織に影響するかを適切に把握し、対策を打つことが必要となります。

まとめ

今回は、労働安全衛生マネジメントシステムとはどのようなものかということについてご紹介してきました。今回の記事ではお伝えできなかった部分に関しても、他の記事で解説しておりますので、是非参考にしてみてください。

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