働き方改革や度重なる企業の労働問題の影響で、労働環境に関する世の中の関心は高まってきています。そこで注目を集めているのが、労働安全衛生マネジメントシステムと呼ばれるものです。

労働安全衛生マネジメントシステムとは、継続的な職場の安全衛生管理の改善によって労働災害の防止や労働者の健康維持が実現可能な職場環境を形成し、職場の安全衛生水準の向上を図ることを目的としたマネジメントシステムのことを指しますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

今回は、労働安全衛生マネジメントシステムとはどのようなものなのかということについて、分かりやすく解説していきたいと思います。

労働安全衛生マネジメントシステムとは

労働安全衛生マネジメントシステムとは、OHMSとも呼ばれる職場の労働安全水準を継続的に改善するための会社のルールや仕組みのことを指します。OHMSとは、Occupational Safety and Health Management Systemの略称で、日本語訳すると、「職場の安全と健康のマネジメントシステム」という意味になります。

もう少し噛み砕いて説明すると、「職場の安全と労働者の健康を保つための様々な対策を計画し、実行し、実行した結果を検証し、次の計画に活かすという一連の流れを円滑に行うためのシステム」が労働安全衛生マネジメントシステムです。

例えば、「転落事故が多い」という問題があったとして、その問題に対処するために「ハーネスをつける」という対策をとったとします。しかし「ハーネスをつける」だけでは、不十分な可能性もありますし、それが別の問題を引き起こす可能性もあります。——何が言いたいかというと、この対策が効果的であればそれを継続し、効果がないのであればそれを改善していく必要がありますよね?

「転落事故が多い」→「ハーネスをつけよう」というのは、経験と勘による経営判断です。もちろん、それが正しい判断であることもあります。——しかし、実際の現場では実験室のようにある事象に対しての原因がうまく追求できないことが多いはずです。このため、企業組織は経験や勘だけでなく、データや数値に基づく経営判断をしていく必要があるのです。

このデータや数値に基づく正しい経営判断を下すために役立つのがマネジメントシステムです。労働安全衛生マネジメントシステムは、こういった経験と勘による経営から脱却し、「職場の安全水準の向上」という目標を達成するための仕組みのことなのです。

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労働安全衛生マネジメントシステムはあらゆる企業を対象とする

「労働災害」と聞くと肉体労働を行う建設現場や致命的な事故の発生の可能性が多い製造業のイメージをしてしまいますが、「労働安全衛生」はこういった業態に限ったものではありません。

労働安全衛生マネジメントシステムにおいては、労働者の肉体的・精神的健康を達成して初めて「職場の安全衛生水準が向上した」ということが言えます。——特に近年は日本で「長時間労働」や「ハラスメント」の問題が顕在化しています。

こういった問題に対処していかなければならないのは、どのような業態でも同じだといえるでしょう。

労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格

労働安全衛生マネジメントシステムには、そのマネジメントシステムを評価する規格というものがあります。規格とは、簡単に言えばガイドラインのようなもので、規格に沿ってマネジメントシステムを構築していくことで第三者認証を取得することができるのです。

第三者認証を受けた企業は、世間から「この機関に認められた労働安全衛生マネジメントシステムが導入されている」とみなされることになります。これにはどういった意味があるかというと、例えばAくんという人がいて、Aくんが自分で「私は頭が良いです。」というよりも、Bくんが「Aくんは頭が良いです。」と聞いたほうが、「信憑性がある」と考えることができますよね? それと同じで、「弊社は安全な労働環境です。」と自社発信でアピールするよりも、第三者機関(認証機関)に「この会社は安全な労働環境です。」と言ってもらったほうが、信用力を勝ち取ることができるのです。

つまり規格を取得することで、「労働安全衛生」という分野において、人材の獲得や取引先からの信用獲得、従業員満足の向上など様々なメリットを受けることができるのです。

そんな労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格には、どのようなものがあるのでしょうか?

ISO45001

ISO45001は、国際標準化機構(ISO)による労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格です。2021年までにこれまでOHMSのスタンダードであったOHSAS18001を代替することを目標としている新しい規格でありますが、今後のスタンダードとなっていく規格となるでしょう。

OHSAS18001

OHSAS18001は、これまで労働安全衛生マネジメントシステムのスタンダードであった規格ですが、2021年までにISO45001が代替する動きとなっており、現在は認証取得をすることができなくなっています。OHSAS取得企業に対しても。ISO45001への乗り換えが推奨されています。

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