危険源 の特定に必要な関連情報の収集のためには、ISO 45001フローダイアグラムの作成が必要です。そのISO45001フローダイアグラムの作成は、プロセスアプローチ に基づいて工程における作業の全ての段階をプロセスに分解して解析する、プロセス解析から始めます。

ISO45001フローダイアグラムの作成のために、まずは工程をプロセスに分けてみる必要があります。一つの製品または作業現場の工程を、例えば大きな括りとしての一次プロセスと、一人で常時直接的に管理できる小さな範囲の二次プロセスに分解し、二次プロセスのそれぞれに関わる作業のあらゆる要素を洗い出して整理し、危険源の特定に必要な工程の情報を網羅しておくことが、ISO45001労働安全衛生=OH&Sシステム構築においては重要です。これはプロセスアプローチのプロセスの定義に沿って分解をする方法です。このプロセス解析に基づいてISO45001フローダイアグラムの作成をします。

ただし、FMEAによって綿密に分析するべき工程がある場合は、その工程についてプロセス解析から入出力手順を5W1Hで記述して、分析評価することになります。
プロセスの定義を正しく理解していないと実施できません。

プロセス解析表

プロセス解析表

発生事象とは、過去に発生した事故、あるいは報告されたか予知されたニアミスやヒヤリハット、つまり発生した事故及び事故に繋がる潜在性を持った出来事です。

プロセス解析表に基づいて、労働安全衛生安全マネジメントシステムが適用される工程について、フローダイアグラムの作成をします。
フローダイアグラムの役割として、予測される危険源のリスクの発生やリスク増大の評価をするための基本的な情報を提供するものです。
したがって、プロセス解析表とフローダイアグラムを作成は、明確であり正確で十分に詳しく記載したものが求められます。

フローダイアグラムの作成について、例えば、製造業であれば、原材料から資材等の輸送、受け入れ、最終製品のリリース、出荷、輸送とその組織が関わる全ての一連の作業を流れとして描くことです。一次プロセスだけではなく、二次プロセスとの相互関係、その中で連なる基本作業や製造機器、保管移動、一時的な保留などの入力出力まで、作業の工程を漏らさず全て記載します。

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製造業における主なフローの要素

  • 基本単位作業の順序と相互関係
  • アウトソースした製造プロセス=外注工程
  • 原料及び材料のインプット
  • 中間製品又は再利用端品がフローに入る箇所
  • 再加工又は再利用のフロー
  • 最終製品のリリース
  • 副産物のフロー
  • 廃棄物のアウトプットのフロー

業種や組織によってフローは異なりますが、上記のような工程の要素を流れとしてフローダイアグラムで描くことで、危険源の特定分析を実施する際の情報として使用します。

現存のフローダイアグラム

既存のフローダイアグラム

プロセス解析表とフローダイアグラムは、現場確認により正確さを検証する必要があります。誤りなどがあれば、修正を行い、記録として維持します。

このフローダイアグラムの作成は、手順の簡略化にも重要な意味を持っています。一つのラインごとに、二次プロセスのそれぞれの基本作業の主な手順を確認し、現存のダイアグラムを組みます。

フローダイアグラム作成の方法は、いろいろとありますが、この書き方の場合は、プロセスアプローチの考え方をベースに機能展開の手法を用いてフローダイアグラムの形で作成しています。

機能展開での一次機能を一次プロセス、二次機能を二次プロセスと置き換えます。例えば工程のやや大きめの範囲を二次プロセスとして考えてみましょう。二次プロセスは一人で直接的に管理できる範囲のことで、大きく分割した作業フローをさらに分割したものとなります。その中には基本単位作業があり、この最小の単位の連なりが工程のフローを構成するのです。

インプット には、原材料、燃料、資材、作業指示などを記述します。アウトプットには、廃棄物、リユース材料、記録、伝票などを記述します。そしてメインプロセスのフローの中での、物の動きのフローを示す矢線を記入します。

ここでプロセスアプローチについて説明します。

プロセスアプローチのプロセスには、『工程』と『処理』という意味があり、何かを処理する活動の工程と考えてください。処理するためには、その対象となる”何か”があります。その“何か”を処理活動の過程に入力、つまりインプットするのです。
処理をすることには、処理することで実現したい目的が存在します。その目的を実現させて、処理する工程から、成果を出力=アウトプットをします。

上記のような形で活動を考えて組み立てることを『プロセスアプローチ』と言います。

一つの基本的な単位作業もプロセスの一つであり、多く作業が順番に連なる工程、また工程をいくつも組み合わせて構築したラインや工場、建設作業の現場などもプロセスなのです。

そのプロセスの連ね方や組み合わせ方は論理的な順列と相互関係があります。システムアプローチとは、小さなプロセスの理論的な順列、連なり、組み合わせにより構成する大きなシステム構築の意味であり、このような順列と組み合わせを倫理的かつ合理的に構築することで、スリムで低コストの工程の設計も可能です。

OH&Sシステムの構築においても、現存の製造工程や建設工程のプロセスの連なりで構成していると考え、現存工程のフローダイアグラムをプロセスアプローチで描くのです。
特にISO45001:2018では、OHSAS18001:2007以上にプロセスアプローチを重視する規格 であり、この考え方を中心とした構築が望まれています。
※この方法には著作権がありますので、書式等の無断転載及び使用を禁止します。

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