労働安全衛生マネジメントシステムについて

労働安全衛生マネジメントシステムとは

労働安全衛生マネジメントシステムとは
労働安全衛生マネジメントシステム は、組織の労働安全衛生に関するリスク低減を実現させる仕組みです。労働安全衛生リスク 管理業務を労働安全衛生マネジメントシステムのPDCAサイクル(*1)に基づいて効果的に効率良く計画・運用し、継続することで、労働災害の防止および労働者の健康増進、 職場 環境 の改善(形成)を図ることができます。
  * 1 PDCAサイクル:計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)

労働安全衛生マネジメントシステムの経緯について

労働安全衛生マネジメントシステムは「OHSMS
*2」と呼ばれ、労働省(現厚生労働省)が1999年4月に労働安全衛生マネジメントシステムの指針(旧表記OSHMS*3)を定め、OSHMSの導入・定着への取り組みを推進してきました。その後、2013年6月に開発委員会( ISO /PC283)が設置され、準国際 規格 である OHSAS18001 のISO規格化を目指しOSHMSのISO化が決定、「OHSMS」の表記が採用されました。OHSAS18001:2007年版やILO
*4が発行したILO-OGH 2001に基づいて開発が進められ、2018年3月12日に「ISO45001」が発行されました。

【留意事項】OHSAS 18001:2007からISO45001への移行期間
ISO 45001:2018の発行に伴い、OHSAS 18001:2007の移行期間はISO 45001:2018の発行日から3年間で、有効期限は2021年3月11となります。現在OHSAS
18001の認証を取得しており維持されたい企業については、移行期間中に移行を完了する必要があります。

*2 OHSMS
Occupational Hearth and Safety Management Systemの略称、労働安全衛生マネジメントシステム
*3 OSHMS
Occupational Safety and Health Management Systemの略称、労働安全衛生マネジメントシステム
    *4 ILO
International Labour Organizationの略称、国際労働事務局

OHSMS導入で期待される効果

 
 OHSMSでは、組織が「意図した成果」を達成するようISO45001で要求事項 が示されています。(以下、【箇条1】参照)「意図した成果」とは、各組織が組織の状況に合わせ、OHSMS方針を確立し、方針に基づいて目標が達成できるようOHSMSの仕組みを活用して得ることができる「期待される効果」です。組織が期待どおりの結果を得られるよう、内部・外部の問題を適切に認識し、組織で働く人 とOHSMSに関わる 利害関係者 のニーズや期待を考慮してOHSMS方針を確立し、ISO45001の 適用範囲 を決定します。また、目標達成するためにトップマネジメントのリーダーシップを強化し、PDCA(巻末参照)を構築して運用・維持・改善活動を継続します。

【ISO 45001:2018の要求事項-箇条1】適用範囲

      
  • OHS(*5)のパフォーマンスの継続的改善
  •   

  • コンプライアンス(法令等の遵守)
  •   

  • OHSMS目標の達成

    *5 OHS: An Occupational Health and Safetyの略称、労働安全衛生

【OHSMSの意図した成果(目的)】

  OHSMSの意図した成果(目的)は、組織の方針と一致する内容となり、方針には以下事項の記載(トップマネジメントのコミットメント含む)が必要になります。

      
  • 働く人(*6)の負傷および疾病を防止するための安全で健康的な職場の提供
  •   

  • 法的要求事項およびその他の要求事項を満たすこと
  •   

  • ハザード(危険源)*7の除去およびOHSリスクの低減
  •   

  • OHSMS目標の達成
  •   

  • OHSMSの継続的改善
  •   

  • 働く人と協議の場を持ち、働く人をOHSMSに参加させること

*6 働く人 : 経営者を含む、組織の管理下で労働または労働に関わる活動を行う者
*7 hazard  : 負傷及び疾病を引き起こす可能性のある原因
[注記]危険源は、危害又は危険な状況を起こす可能性のある原因、
                  並びに負傷及び疾病につながる ばく露 の可能性のある状況を含み得る

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労働災害防止および災害低減させるための対策として活用

組織において、労働災害の防止および減少を効果的に実現させるためには、リスクアセスメントによる事業場のリスク低減が不可欠で、計画的に組織全体での取り組みが必要になります。ヒヤリ・ハット 活動や危険予知活動、従業員の安全衛生教育を定期的に実施し、全従業員が労働災害防止に対して高い意識を持ち続けることが大切です。労働安全衛生マネジメントシステムを活用することで、組織全体で労働災害防止・災害低減させるための取り組む体制を構築することができ、運用・改善活動の継続がしやすくなります。

まずは、労働安全衛生マネジメントシステム(仕組みづくり)に取り組むことから始めましょう。導入・定着後、その取り組みの結果、認証取得(外部評価)して労働安全衛生マネジメントシステムの取り組みをさらに一段向上させることも可能です。 
【補足資料】OHSMS/ISO 45001:2018の要求事項「PDCAサイクル」とは?
  ISO45001認証を取得する場合、当規格の要求事項に基づき、組織の労働安全衛生上、対策の必要なリスクに対しマネジメント計画(P)を立て、運用(D)・評価(C)・見直し(A)というサイクル
(図解1)で継続的な改善活動を実施します。
OHSMSの適用範囲

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